UNDPと日本、中央アジアにおける地震防災強化へ連携

2025年12月22日
Two men in suits sign a document during a ceremony, with the Japanese flag and another flag, blue backdrop.
Photo: UNDP Kazakhstan

国連開発計画(UNDP)と日本政府は中央アジア地域プロジェクト「中央アジアにおける広域災害リスク軽減のための体制強化計画​」を開始しました。「中央アジア+日本」対話の枠組みの下で実施されるこの新たな地域プロジェクトは、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、そしてウズベキスタンの5か国において、地震防災の意識向上に重点を置き、今後2年間にわたり国および地域レベルで災害に対する強靭性の向上を目的としています。本プロジェクトは、カザフスタンのアルマティにある地域防災対応・調整機関である緊急事態・災害リスク軽減センター(CESDRR)と緊密に連携して進められます。

高市早苗内閣総理大臣と中央アジア5か国の大統領が出席した「中央アジア+日本」対話・首脳会合に先立ち、カザフスタンの首都アスタナにおいて、飯島泰雅駐カザフスタン日本国特命全権大使とカタジナ・ヴァヴィエルニアUNDPカザフスタン常駐代表が本プロジェクトでの連携に署名しました。

飯島泰雅駐カザフスタン日本国特命全権大使は、署名式で意識と備えの重要性を強調し、「日本は、長年にわたり災害対応の教訓を積み重ね、地方自治体や地域社会と緊密に連携することで、災害への強靭性に関する豊富な知見を培ってきました。こうした経験を活かし、中央アジアにおける災害への強靭性向上を支援できることを光栄に思います」と述べました。

中央アジアは長年にわたり災害に直面しており、それらによる年間平均損失額は100億ドル、影響を受ける人々は300万人以上にのぼると推計されています。地域の災害リスクは、深刻化する気候変動の影響、環境悪化や汚染などによってさらに複雑化しています。このような状況の中で、地震は中央アジアにおける主要なリスク要因であり、特に人口密集地域の都市部で顕著です。地震による被害は甚大で、平均年間20億ドルの経済損失、死傷者や深刻な経済的打撃といった影響をもたらします。さらに、大規模災害は地域の重要なインフラに損害を与え、人々の国境を越えた移動を引き起こし、緊急対応や復旧・復興における連携した対応を困難にするおそれもあります。

「災害監視・警報システムを含む防災体制の整備は、私たちにとって極めて重要な課題です。この課題に取り組むために、地域協力を強化し、デジタル技術を積極的に活用することが不可欠です。このプロジェクトへの署名が、私たちの地域、そして各国やコミュニティの安全性と強靱性の向上に大きく貢献するものと確信しています」と、アブドゥシェフ・バトゥルベク カザフスタン非常事態省副大臣は述べました。

こうしたリスクに対応するため、本地域プロジェクトは地域緊急対応調整メカニズムを通じて地域の連携を強化し、大規模な国境を越える災害における備え、対応、復旧・復興の効果的なアプローチを確保することを目指します。このプロジェクトは、地震リスクに関する意識の向上、影響を軽減するための備えの促進、そして日本や他国の実践的な経験を活かした革新的な地震監視・警報システムの導入を優先して取り組みます。

カタジナ・ヴィヴェルニアUNDPカザフスタン常駐代表は、「地震は中央アジア全域における主要な災害リスクの一つであり、国境を越えて影響を及ぼします。今回の新しいプロジェクトでは、既存の協力メカニズムと革新的な戦略を活用し、国境を越えた大規模災害への備え、対応、そして復旧・復興をより効果的に進めていきます。このプロジェクトは、各国の開発に貢献するとともに、仙台防災枠組やパリ協定といった国際的な強靱性の枠組みに沿った取り組みです」と述べました。

UNDPは、人々を中心とした、ジェンダーに配慮し、障がい者を含む、リスクに基づいたアプローチを通じて、中央アジアにおける災害リスクへの強靱性の向上に取り組んでいます。

ステリアーナ・ネデラUNDPイスタンブール地域センター所長は、「都市の強靱性は持続可能な開発の要です。日本政府とのパートナーシップを拡大することで、地域のコミュニティを守り、地震への備えを強化し、中央アジア全域で強靱な都市の成長を促進するための地域的な取り組みを推進していきます。国境を越えた協調は不可欠であり、地域におけるUNDPの存在はパートナーを結集し、知識を共有し、解決策が地域に根ざしつつ広域的な整合性を確保するという付加価値を提供します」と本事業の重要性を強調しました。

プロジェクトは、カザフスタン・アルマティにある緊急事態・災害リスク軽減センター(CESDRR)と連携・協力して実施され、CESDRRが国境を越えた災害への対応と復旧・復興に向けた地域の緊急対応調整メカニズムを構築することを支援します。

「CESDRRは、常駐の政府間機関であり国際組織として、この地域プロジェクトの実施における主要なパートナーとなる意思を表明します」と、CESDRRのウカシェフ所長は述べました。

Officials in formal attire posing in a conference room with a blue banner and flags.
Photo: UNDP Kazakhstan

2024年にUNDPと日本政府が開始した地域プロジェクト「中央アジアにおける災害リスク及び気候変動に対する都市強靱性向上計画」は、気候と災害リスク削減の取り組みを都市計画と開発に統合する支援を目的としています。2025年には、中央アジア5か国すべてにおいて、プロジェクトは構想から実施へと進みました。重要な節目として、タジキスタンのドゥシャンベで開催された「中央アジア地域都市レジリエンス対話」において、5つのパイロット事業都市(カザフスタンのペトロパブロフスク、キルギスのオシュ、タジキスタンのドゥシャンベ、トルクメニスタンのアシガバット、ウズベキスタンのナマンガン)の自治体が「中央アジア都市レジリエンス連合」設立に関する共同宣言に署名しました。今回の新たな地域プロジェクト「中央アジアにおける広域災害リスク軽減のための体制強化計画」は、地域協力と災害リスクへの強靭性をさらに高めることを目指します。