青木日本国大使とナツヴリシュヴィリUNDP常駐代表、アルメニア避難民支援サイトを視察

2026年5月12日
Group photo of men in suits standing in a line outdoors with mountains in the background.

青木豊駐アルメニア共和国日本国特命全権大使およびナティア・ナツヴリシュヴィリUNDPアルメニア常駐代表が、アザト貯水池において視察を行う様子

Photo: UNDP Armenia

2026年4月29日、青木豊駐アルメニア共和国日本国特命全権大使およびナティア・ナツヴリシュヴィリUNDPアルメニア常駐代表は、日本政府の資金拠出のもと実施されたプロジェクトの成果を現地で確認するため、アララト州およびアルマヴィル州を訪問しました。

最初の訪問先は、UNDPと日本政府と気候変動分野での連携による「気候リスクに対するレジリエンス強化に向けた貯水池管理能力向上計画」が実施されているアザト貯水池を訪問しました。本訪問には、アラム・ガザリャン内務省救助サービス局長、アラマズド・ガラムカリャン領土行政・インフラ省水資源委員長、レヴォン・アジジヤン水文気象・モニタリングセンター(環境省傘下の国営非営利組織)所長、セドラク・テヴォニャンアララト州知事のほか、関係機関の責任者らも参加しました。

アザト貯水池は、同国を代表する重要な水利施設の一つであり、水資源の管理と、氾濫想定区域に暮らす人々の安全確保の両面において、極めて重要な役割を担っています。そのため、継続的な監視ときめ細かなリスク管理が不可欠です。こうした背景のもと、同貯水池では最新の監視機器の導入に加え、気象・水文観測機器の高度化、警報サイレンの整備、太陽光発電設備の設置が進められました。さらに、工学・地質および地球物理に関する調査も実施され、潜在的なリスクの把握や分析、対応がより的確に行えるようになっています。

本プロジェクトの直接的な裨益者には、関係する国および地方自治体に加え、氾濫想定区域に暮らす約16万7,000人の住民が含まれます。さらに、本プロジェクトの一環として、デジタル気象予測・可視化システムが導入されており、現在ではアルメニア全土のすべての地域に対して、より精度が高く詳細な気象予測の提供が可能となっています。

Group of dancers in black tops and red skirts pose outside a white building with an Armenian flag.
Photo: UNDP Armenia

続いて、社会統合の促進と包摂的な空間整備に関する取組が行われているマシス地区ゾラク居住区を訪問しました。全国10か所で「リストラティブ・サークル(対話を通じて相互理解を深める手法)」を用いた避難民とホスト・コミュニティの話し合いの場が設けられ、1,100人以上(その約半数は避難民)が参加しました。対話を通じて地域の優先課題が共有され、解決策が協働で検討される中で、人々が安心して集い、交流や創作活動ができる場の必要性が強く認識されました。

これらのアイデアは現在5つの地域で形となっており、特に支援を必要とする984世帯を含む約12万6,000人がその恩恵を受けています。マシス地区ゾラク居住区では、ノライル・ハコビャン首長の案内のもと、来訪した要人らは新たに整備された多機能スペースを視察しました。この施設は、学びや交流の場としてだけでなく、誰もが利用できる行政サービスの拠点としても機能しており、子どもや若者、女性の活動支援に加え、地域住民の交流や心のケアの場としても活用されています。

Photograph: Group of formally dressed people posing on steps outside doorway framed by red flowers.
Photo: UNDP Armenia

更に、青木日本国大使およびナツヴリシュヴィリUNDP常駐代表は、アルマヴィル州のヴァフラム・ハチャトゥリャン知事およびヴァガルシャパト・コミュニティのアルギシュティ・メハキアン首長とともに、同州ハイタグ地区に新たに改修された外来診療所およびシェルターを訪問しました。これらの施設整備は、日本政府の資金協力のもと、アルメニア共和国領土行政・インフラ省との緊密な連携により、UNDPの実施する「ナゴルノ・カラバフからの避難民および受入地域に対する基礎インフラ整備と社会統合支援計画」の一環として行われました。

ハイタグ地区の外来診療所では、施設の改修に加え、医療機器の更新や太陽光発電設備の導入が行われ、より利用しやすく、効率的で、気候変動にも対応できる医療サービスの提供体制が整いました。現在、この診療所は2,740人に医療サービスを提供しており、その中には60人の避難民と70人の障がいのある方々も含まれており、必要な医療へのアクセス向上につながっています。

また、ナティア・ナツヴリシュヴィリUNDPアルメニア常駐代表は、日本政府によるアルメニアでのさまざまな支援に謝意を示すとともに、国内パートナーの継続的な協力にも感謝の意を表しました。