UNDPと国土交通省、ウクライナ復興を支える革新的技術の活用促進に向け協力趣意書を締結
2026年6月12日
左から川村謙一 国土交通省 大臣官房海外プロジェクト審議官、アウケ・ルーツマUNDPウクライナ常駐代表、ユーリ・ルトヴィノフ 駐日ウクライナ特命全権大使、ハジアリッチ秀子 UNDP駐日代表
国連開発計画(UNDP)と日本の国土交通省は、ウクライナの復興およびインフラ再建支援に向けた協力を強化するため、協力趣意書に署名しました。
この合意は、UNDPと日本企業との間のビジネス機会や官民連携の促進を目的としており、特にウクライナにおける安全で効率的かつ持続可能な復興を支える革新的技術に焦点を当てています。
今回の協力は、国土交通省が2025年に立ち上げた「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会(JUPITeR)」と、UNDPがウクライナで展開する幅広い復興支援事業を基盤とするものです。
協力の重点分野の一つは、がれき管理や復旧・復興活動における先進技術の活用です。国土交通省の橋渡しのもと、UNDPはすでにコベルコ建機およびソリトンシステムズとの連携を開始しており、両社の遠隔施工技術は、ウクライナでのより安全ながれき撤去作業に貢献する可能性を有しています。中でも、不発弾や地雷などの爆発性戦争残存物や損壊して不安定な建造物、アスベスト含有資材など、ウクライナにおける戦争由来のがれきに伴うさまざまな危険が存在する環境において、その有効性が期待されています。
UNDPとパートナー機関は今後、ウクライナの復興ニーズに即した実際の運用環境で、これらの技術の概念実証(PoC)を行い、その有効性を検証していく予定です。
今回の協力趣意書(Statement of Intent)は、このような連携の機会をさらに拡大し、日本の技術力と民間企業のイノベーションを、ウクライナにおける喫緊の復興・再建ニーズへと結び付けることが期待されています。
ユーリ・ルトヴィノフ 駐日ウクライナ特命全権大使
ユーリ・ルトヴィノフ 駐日ウクライナ特命全権大使は次のように述べました。
「日本の支援は、復興を支えるだけでなく、先進技術やイノベーションを通じて地域社会のレジリエンス、生計手段、そして経済基盤を強化することで、ウクライナの安全保障にも直接貢献しています。なかでも遠隔施工技術は、退役軍人が民間社会へ円滑に復帰し、自らの知識や経験を活かしながら国の復興と将来の発展に貢献するための新たな機会を創出するという点で、極めて重要です。」
川村謙一 国土交通省 大臣官房海外プロジェクト審議官
川村謙一 国土交通省 大臣官房海外プロジェクト審議官は、UNDPとのパートナーシップの重要性を強調し、次のように述べました。
「本日署名した協力趣意書は、ウクライナの復旧・復興を支援するための国土交通省とUNDPとの協力をさらに強化するものです。日本の遠隔操作技術と技術的知見を、UNDPが現地で展開する復興支援と組み合わせることで、喫緊の復興ニーズにより効果的に対応することが可能になります。国土交通省は今後も官民のパートナーと連携しながら、ウクライナの持続可能な復興に貢献してまいります。」
アウケ・ルーツマUNDPウクライナ常駐代表
ハジアリッチ秀子 UNDP駐日代表
アウケ・ルーツマUNDPウクライナ常駐代表は、日本との緊密な連携のもとでウクライナの復興を支援するというUNDPの強いコミットメントを強調し、以下のように述べました。
「ウクライナは、極めて厳しい状況の中で復興を進めながら、より持続可能で強靭な社会の実現を目指しています。UNDPは、ウクライナ政府および国際パートナーと連携し、ウクライナの復興ニーズと世界の知見、民間企業のイノベーションを結び付ける取り組みを進めています。今回の協力を通じて、日本の優れた技術が復興事業の安全性と効率性の向上に貢献し、ウクライナの復興・再建を力強く後押しすることを期待しています。」
ハジアリッチ秀子 UNDP駐日代表は、次のように述べました。
「ウクライナの復興とは、インフラを再建すると同時に、人々の暮らし、尊厳、そして未来への希望を取り戻すことでもあります。このパートナーシップは、日本のイノベーションを、UNDPが現地で展開する復興支援と結び付けることで、強靭で包摂的かつ持続可能な復興を後押しするものです。官民の連携を強化することにより、地域社会のより迅速な復旧を支援し、ウクライナの人々のための人間の安全保障を確保することができます」
背景
2022年2月24日にロシアによる全面侵攻が開始されて以来、ウクライナ全土で民間インフラの大規模な破壊が続き、何百万人もの人々に甚大な被害をもたらすとともに、戦争に起因する瓦礫が大量に発生しています。
日本政府の支援を受けてUNDPが実施した最近のフィージビリティ・スタディによると、2025年9月時点で、ウクライナ政府の管理下にある地域において、住宅部門だけでも推定1,700万トンのがれきが発生しているとされています。
このため、瓦礫が適切に管理されることは、復興・再建の道のりにおいて極めて重要な第一歩です。安全ながれき管理は、地域社会が危険要因を取り除き、住宅やインフラの再建に向けた環境整備を進めるうえで重要な役割を果たします。また、再利用できる資材をリサイクル・再活用することで、復興に必要な資源を有効に活用することも可能になります。