中央アジア地域対話において「都市レジリエンス連合」を発足
2025年10月29日
ドゥシャンベで開催された「中央アジア地域都市レジリエンス対話」は、災害や気候変動によるリスクが高まりつつある中央アジア地域における持続可能な都市開発を推進する重要な節目となりました。本対話は、国連開発計画(UNDP)が、カザフスタンに拠点を置く地域国際機関である非常事態対応・災害リスク軽減センター(CESDRR)、および国連防災機関(UNDRR)と連携し、タジキスタン政府の主催にて開催したもので、中央アジア5カ国すべての国家機関、自治体リーダー、専門家、そして国際開発パートナーが一堂に会する機会となりました。
この対話は、日本政府の資金拠出によるUNDPの地域プロジェクト「中央アジアにおける災害リスク及び気候変動に対する都市強靭性向上計画」の一環として開催されました。「仙台防災枠組」と「パリ協定」に基づき、本プロジェクトは、中央アジア諸国が開発の過程で災害および気候リスクに対処できるよう支援し、地域社会が災害に対してより強靭になることを目指しています。パイロット都市にはカザフスタンのペトロパブロフスク、キルギス共和国のオシュ、タジキスタンのドゥシャンベ、トルクメニスタンのアシガバート、ウズベキスタンのナマンガンが選定され、これらの都市を中心にプロジェクト活動が展開されています。
対話の主要な成果の一つは、「中央アジア都市レジリエンス連合(Regional Urban Resilience Coalition in Central Asia)」の設立でした。この新たな協力メカニズムは、パイロット都市の代表による共同宣言を通じて正式に発足し、都市間の連携促進、気候変動に強い都市開発の推進、そして国際的な「Making Cities Resilient 2030(MCR2030)」キャンペーンへの貢献を目標としています。
イベントには、パイロット都市であるドゥシャンベ、ペトロパブロフスク、オシュ、アシガバート、ナマンガンの市長らが参加し、それぞれの都市における強靭性を備えた都市の構築に向けた経験と展望が共有されました。議論では、インフラ整備やリスク評価、地域住民の参画や包摂的な都市計画といった、各地で進められている多様な取り組みが紹介されました。
シュフラット・マクスモフ ウズベキスタン・ナマンガン州環境局長は、「ナマンガンがオシュ、ドゥシャンベ、アシガバート、ペトロパブロフスクと共にこの連合に参加できることを嬉しく思います。私たちはこの取り組みを全面的に支持します」と述べました。
対話を通じて、参加者たちは日本のマスタープラン方式やドイツ国際協力公社(GIZ)による中央アジアでの都市開発推進の取り組みなど、都市のレジリエンスを支援する地域的・国際的なイニシアチブを追求しました。UNDPは、パイロット都市で実施されている統合的な都市レジリエンスアプローチを紹介し、防災と気候変動適応の原則を都市開発計画に統合する手法を提示しました。このアプローチは、「MCR2030」キャンペーン、「Mayors for Economic Growth(M4EG)」プログラム、そして「GAP基金」などの他の取り組みとともに紹介され、中央アジアの都市に対してレジリエンス強化のための多様なリソースを提供するものとなりました。
また、都市間によるセッションでは、各自治体が技術的な進捗と学びを共有しました。パイロット都市の代表者たちは、地域ごとの多様なアプローチと文脈が反映された、リスク評価や都市計画プロセスに関する最新情報を発表しました。こういった意見交換・知見共有は、複雑な都市課題に取り組む上でのピアラーニング(相互学習)と地域的連帯の重要性を改めて浮き彫りにしました。
会合2日目は、UNDP各国事務所、国内専門家、そして自治体代表者による技術的な議論に焦点が当てられました。参加者たちは現地視察から得られた中間成果を共有し、都市計画にレジリエンスという考えをどのように取り込むか、データに基づく意思決定を支援するためにAIをどのように活用できるかといった点に関して検討がなされました。
この「地域都市レジリエンス対話」は、「パリ協定」「仙台防災枠組(2015–2030)」「持続可能な開発のための2030アジェンダ」、および「2022–2030年中央アジア諸国防災協力開発戦略」の実施に貢献するものです。本対話は、中央アジア諸国およびその開発パートナーが、強靭で持続可能な都市の未来を築くという共通の誓約を改めて確認する機会となりました。