日本の協力により、キューバの病院に再生可能エネルギーを導入
2026年5月12日
日本政府の支援により、キューバの複数の州に所在する病院に再生可能エネルギーソリューションが導入されます。これにより、停電時における医療サービスの継続性の確保が期待されます。
本取り組みは、キューバ保健省(Ministerio de Salud Pública de Cuba:MINSAP)の主導のもと、国連開発計画(UNDP)との協働により実施されます。さらに、エネルギー鉱業省(Ministerio de Energía y Minas)、電力公社(Unión Eléctrica)、および地方当局が参画します。
本プロジェクトでは、各病院の重要なエネルギー需要、施設の特性、ならびに都市内での立地条件に応じて最適化された太陽光発電設備を基盤としたソリューションを導入します。具体的には、太陽光パネル、電力調整装置、蓄電池などの発電設備の設置が含まれます。また、これらの技術の運用、保守、管理を担う医療機関職員および関連する国内関係者の技術的・制度的能力の強化も図ります。さらに、本事業は、国家の優先課題および規制に整合した形で、社会インフラにおける再生可能エネルギーの拡張可能かつ再現性のあるモデルの推進も目的としています。
本プロジェクトの予算は650万米ドル相当の規模で、2年間の実施期間が予定されています。この期間中に、技術評価およびシステム設計の実施、機器の調達・設置、能力開発、試運転、ならびに導入されたシステムの有効性のモニタリングを包括的に行います。
現在、キューバは深刻なエネルギー危機に直面しており、厳しい対外制約およびトランプ政権による制裁政策の影響により状況が一層悪化しています。キューバの国家電力システム(Sistema Eléctrico Nacional:SEN)は、大規模な停電や複数回にわたる全面的な崩壊を経験しており、生産活動および社会インフラに深刻な影響を及ぼしています。特に病院は影響を最も受けている施設の一つであり、停電は重要な医療サービスの継続、生命維持に不可欠な機器の稼働、ならびに医薬品やワクチンの保管に深刻な支障をもたらしています。
キューバ当局は現在、再生可能エネルギーへの移行戦略の実施を加速させており、保健、教育、金融といった重要な社会サービス分野における技術導入を優先しています。
日本政府および国際協力機構(JICA)は、キューバと協力し、診断画像の病院デジタル化プロジェクトなど保健分野の取り組みに加え、電力システムの安定化や特別自治体である青年の島(Isla de la Juventud)における再生可能エネルギーの統合を支援しています。
UNDPは、キューバにおいて40件以上の協力プロジェクトを展開しており、エネルギー移行、気候変動の緩和、ならびに保健を含む不可欠な社会サービスの保護といった分野が重要な柱となっています。本プロジェクトにより、キューバの病院に再生可能エネルギーソリューションが導入されることで、約260万人の患者および保健医療分野で働く27,500人の人々が恩恵を受けることが見込まれています。