開催報告: 第2回模擬アフリカ連合会議 総会

Inayojumuisha(イナヨジュムイシャ): 若者の共創、アフリカの未来を創る

2025年10月22日

開催日: 2025年8月20日

Inayojumuisha (イナヨジュムイシャ)の実践:スワヒリの価値観に根ざした共同活動

模擬アフリカ連合会議(MAU Japan)とは、在日アフリカ人と日本の若者が参加し、アフリカ各国の外務大臣や国家元首の役割を担いながら、アフリカ連合(AU)の活動を模した政策討議を行う場です。ここでは、アフリカ大陸が持つ大きな可能性について活発な議論が交わされます。この活動は、国連開発計画(UNDP)、国際協力機構(JICA)、上智大学、そしてアフリカと日本の学生ボランティアによるチームが共催し、アフリカ連合委員会(AUC)の指導のもとで運営されています。

2024年8月に行われた第1回会議は成功を収め、続く2025年の第2回会議は横浜で開催されたTICAD9の公式テーマ別イベントとして実施されました。

MAU Japan総会での集合写真

2025年のテーマは「Inayojumuisha: 若者の共創、アフリカの未来を創る」。「Inayojumuisha」はスワヒリ語で「包摂」を意味し、若者が単に声を上げる存在にとどまらず、大陸の進むべき道の中心に立ち、共に結束し繁栄するアフリカ、という力強いビジョンを示しています。また、今回のMAU Japanは、包摂的な若者のリーダーシップと共創こそがアフリカの未来に不可欠である、という理念を掲げ、日本とアフリカ、そしてその他の地域も含めてあらゆる声が尊重され、耳を傾けられ、受け入れられる場を目指しました。

本会議では、若者自身が選び、若者のために設定した議題として、AUの専門技術委員会(STC)のうち三分野で討議が行われました。

  • STC 1: 財務、金融問題、経済計画、統合に関する委員会
    「グローバル経済におけるアフリカの連帯に向けた若者の参画」
  • STC 2:若者、文化、スポーツに関する委員会
    「政治改革を担う若者」
  • STC 3:教育、科学、技術に関する委員会
    「アフリカの若者のための自立した富の創出とデジタルインフラ構築」

活動は2025年4月から始まり、54本のポジションペーパーを作成するとともに、11回にわたる大使館訪問を行いました。学生たちは担当国の代表者と直接意見交換を行い、自らの立場を一層深化させて本会議に臨みました。

2025年8月19日、学生たちはAUのSTC活動に倣い、選定された議題について討議を行いました。その結果、三つの決議が採択され、最終的には統合された一つの包括的な決議草案としてまとめられました。

決議のタイトルは「Model AU Japan 2025: Inayojumuisha―若者の共創、アフリカの未来を創る」とし、2025年8月20日に横浜で開催された総会において発表されました。

 

MAU Japan、TICAD9の開幕を飾る:アフリカ・日本間協力の最前線に立つ若者たち

8月20日、横浜の会場に54か国を代表する日本とアフリカの若者150名が一堂に会し、待望のMAU Japan 2025が正式に開幕しました。

総会は、UNDPナイジェリア常駐代表エルシー・アタフアの歓迎挨拶で始まりました。同氏はこの場がTICADの精神とアフリカ・日本の強固な絆を体現する瞬間であることを強調し、まさにこの日MAU Japanが達成した建設的な議論、若者のリーダーシップ、そして未来志向の提案に満ち溢れた政策討議を予感させるものでした。さらに、若者たちを「将来の指導者」としてではなく、アフリカの現在と未来を形作る「今日のリーダー」であると参加者を激励しました。

さらに同氏は、「TICAD9の全体会議に先立って若者主導のMAU Japanを開催する意義はなんでしょうか」と本質的な問いを投げかけました。そして、「それは、30年を経て転換点を迎えたTICADが、その歩みをこれから継承していく若者の声にまず耳を傾ける必要があるからです。」と述べました。

さらに「Inayojumuisha: 若者の共創、アフリカの未来を創る」というテーマを強調し、包摂性と責任の重要性を訴えました。ジャーナリストのゼイナブ・バダウィの「私たちは皆、元来アフリカ出身である」という言葉を引用し、この場が再発見と再結束に満ちた空間であることを改めて強調しました。

そのうえで、雇用、メンタリング、イノベーションを通じてアフリカの若者を支援するプラットフォームとして、YouthConnekt AfricatimbuktooUniversity Innovation Podsなどの取り組みを紹介し、若者を開発の推進力として支援するUNDPの姿勢を強調しました。

締めくくりとして、同氏はMAU Japanに対し、単なる象徴に留まることなく、固定観念に挑戦し、つながりを構築し、正義・創造性・リーダーシップに献身する新しい世代を鼓舞し続けて欲しいと呼びかけました。そして力強くこう宣言しましたー「アフリカは単に成長しているだけではありません。アフリカは新たなビジョンを描き、世界をリードしています。」

歓迎挨拶:エルシー・アタフアUNDPナイジェリア常駐代表

安藤直樹 JICA理事は、TICAD9公式イベントとして開催されたMAU Japanへの謝意を表明し、日本とアフリカから参加した若者の意欲とエネルギーに対し称賛を送りました。また、このイベントは、若者、対話、そして共創の力を示す祭典であると評しました。

安藤理事は、このイベントが単なる外交シミュレーションではなく、若者主導の取り組みが持つ真のインパクトを証明する機会であることを強調し、「Inayojumuisha」というテーマは、横浜や東京からチュニスやナイロビまで、包摂的で持続可能な未来の構築におけるあらゆる価値観や立場を反映していると述べました。

また安藤理事は、多くのアフリカの若者が積極的にMAU Japanに参加することにより、このイベントがさらに強固なパートナーシップを築く場として発展してきたことを評価しました。若者を重視するTICADの役割にも触れ、このイベントが、閣僚会議で呼びかけられた若者交流の深化に大きく貢献していると述べました。


さらに参加者に対し、積極的な貢献、大胆な発言、深い傾聴、そして真の繋がりの構築を促し、日本とアフリカの若者が平和、繁栄、進歩の設計者として未来を共創するInayojumuishaの精神を皆で受け入れるよう呼びかけました。安藤理事は自身を「若い心を持つ年長の日本人」とし、すべての参加者に有意義で刺激的なイベントとなるよう締めくくりました。

開会挨拶:安藤直樹JICA理事

アフリカ連合歌: 結束の瞬間

続いて、アハメド・アブデルアジズ・マフムード総会議長(MAU Japan 2025代表)および笹尾佳音共同議長の呼びかけの下、参加者はアフリカ連合歌を斉唱しました。アフリカ連合歌は、結束、連帯、大陸共通の願いを表す深い象徴的意味を持っています。続いて出席代表団の点呼が行われ、52代表団の出席が確認されました。定足数が成立したことを受け、議長は正式に議事開始を宣言し、総会は公式討論へ移行しました。

Diverse officials stand behind a long table with small country flags in a conference hall.

アフリカ連合歌に対して起立する各国代表団

公式討論:各国代表団長による討論

公式討論は、エチオピア代表のゼレファ・セラム・ビルハネ氏の発言により始まりました。同氏は結束に関することわざを引用し、倫理的リーダーシップ、女性の包摂、教育投資を求めました。モーリシャス代表のラコト・アンドリアミハジャ・キャロル・ミオラ氏は若者のエンパワーメントとジェンダー平等を強調し、ユースエンパワーメント・プログラムなどの取り組みを紹介しました。ナミビア代表のシベソ・プムロ・プリスカ氏は若者への投資機会の縮小に警鐘を鳴らし、グリーン水素に関連する雇用機会や教育資金の重要性について言及しました。ナイジェリア代表のケレチ・オビ氏は若者主導のデジタル起業とサイバーセキュリティ・イノベーションの推進を訴えました。ガーナ代表のソロモン・イダン氏はマイクロファイナンス、オンライン研修、ユースのための芸術活動支援や積極的格差是正措置法(アファーマティブアクション)を提案し、若者のリーダーシップ推進を訴えました。コンゴ民主共和国代表のパンブ・レロ・アーロ氏は教育とテクノロジーを通じた持続可能な開発における若者の役割を強調しました。エリトリア代表のアマン・ヤコブ・テクレアブ氏は議会におけるジェンダー平等と職業訓練を通じた若者のエンパワーメントを強調しました。シエラレオネ代表のジョン・ムバーデイ氏は同国の全面無償教育とGDPにおける農業分野の大幅な貢献について強調しました。マダガスカル代表のメシエ・ランジャトソン氏はデジタルインクルージョンと気候変動に配慮した教育を求めました。ニジェール代表のニコラ・カワワ氏は国の過渡期において若者を政策の中心に据えること、およびデジタル・イノベーション投資を強調しました。セネガル代表の懸樋志麻氏は大陸統合の推進、およびセネガル新興計画がアジェンダ2063と77%の分野において整合性が取れている事実を報告しました。ギニア代表のワモノ・ファヤ・ビクター氏は若者の貿易に関する取り組みとスタートアップ奨励策を提案しました。ルワンダ代表の遠山未来氏は若者のスキル向上や起業、また彼らの完全な政策への包摂に投資することを再確認しました。マラウイ代表の安戸乃彩氏はインターネットへのアクセスを基本な権利として位置づけ、マラウイ湖を拠点としたイノベーションラボの設立を提案しました。コートジボワール代表のルイーズ・アモワ氏は同国のアジェンダ2063報告におけるリーダーシップを強調し、連帯行動を呼びかけました。南スーダン代表のルカ・マニゾル氏は市民教育とグリーン・イノベーションを提唱し、若者が富を創出しやすい環境整備を主張しました。討論はチャド代表の中原璃子氏の発言で締めくくられ、義務教育、包摂的ガバナンス、デジタル雇用の創出拡大を求めました。

ニジェール代表団の討論 

エリトリア代表団の討論

マダガスカル代表団の討論  

マラウイ代表団の討論

祝辞

公式討論中、UNDP総裁代行の徐浩良(ハオリャン・シュウ)から祝辞が述べられ、学生たちへの激励とアフリカの未来形成における若者のリーダーシップの重要性を訴えると共に、若者が主導するMAU Japanへの参加機会に心からの謝意を表明しました。また、この会議の重要性を強調し、アフリカと日本の若者がアフリカ発展のためのパートナーシップについて有意義な対話に参加している姿を見て心を打たれたと感想を述べました。同氏は自身の若い頃を振り返り、当時は将来について明確なビジョンがほとんどなかったことを語りました。故郷上海を離れたことがないという当時の限られた環境と、今日の若い世代が享受できる広大でグローバルな機会を対比し、これらの機会を「とてつもなく素晴らしい」と表現しました。同氏は若者が時として自らの潜在能力を十分認識できていない場合があることを指摘し、努力を重ね、最善を尽くし、期待を上回る成果を上げるよう激励しました。また、参加者に好奇心を保ち、幅広く探求し、選択するあらゆる分野やキャリアパスで価値ある人材となるためのスキルと能力の開発に注力するよう促しました。

祝辞:徐浩良(ハオリャン・シュウ)UNDP総裁代行

各STCによる決議発表と説明

公式討論終了後、議題は三つの各専門技術委員会(STC1、2、3)からの決議発表と説明に移行しました。

村上稀香共同委員長は、STC1(グローバル経済におけるアフリカ連帯のための若者参画に焦点を当てた財務、金融問題、経済計画、統合に関する委員会)を代表して、委員会の二つの主要議題について説明しました。第一に、若者のイノベーションと貿易を通じたアフリカ経済変革の推進、第二に、持続可能なブルーエコノミー推進における若者の役割です。共同委員長は主要政策の方向性を概説し、若者のエンパワーメント、アフリカ大陸間協力、起業、グリーン・イノベーション、持続可能な開発、インフラ強化を重点分野として挙げました。これには、若者がより政治的意思決定に参加できる仕組みの促進やマイクロファイナンス政策による包摂性の推進、国境を越えた課題への取り組みとグリーン産業・デジタル・イノベーション促進のための若者・女性主導のイノベーションとスタートアップ支援、また、業務手続の最適化やインフラの近代化、そして経済協定の透明性向上によるアフリカ域内市場アクセスと移動性向上への取り組みが含まれました。

井上結里加共同委員長は、STC2(政治改革を担う若者に焦点を当てた若者、文化、スポーツに関する委員会)を代表して、アフリカ最大の課題の一つ、政治の世界における若者と女性の過少代表問題に取り組むための、若者による政治改革に関する決議、について説明しました。共同委員長はアフリカの人口における若者の割合が60%、女性がほぼ半分を占めるにも関わらず、文化的障壁、固定観念、教育・リーダーシップ機会の不足により、彼らの声が十分に反映されていない現実を指摘しました。決議は、議会における若者・女性のクォータ制の導入、独立した若者・女性組合の設立、財政的自立性確保のためのAU支援基金などの具体的措置を盛り込みました。政治分野以外では文化改革に関する提案を盛り込み、ジェンダーに基づく暴力などの有害な慣習を止めることや、年長者の知恵と若者のイノベーションを融合するリーダーシップモデルの推進などが提唱されました。教育も重点分野として強調され、教育水準と人口年齢の優先順位へ配慮しつつ、初等・中等教育の無償化、市民教育や政治教育のカリキュラム化、そして社会的に不利な立場にある若者のためのAU奨学金による支援などが提案されました。決議はアフリカの女性と若者の潜在能力を最大限引き出す内容であり、人々主導の包摂的で倫理的なリーダーシップを持つ大陸を構想していると総括されました。

セウン・アデウンミ共同委員長は、STC3(教育、科学、技術に関する委員会)を代表して、アフリカ大陸の未来にとり、若者のための自立的な富の創出およびデジタルインフラの構築が中核となると述べ、出席した52の加盟国を代表し、若者のエンパワーメントと持続可能な開発のための科学、技術、イノベーションを促進していくことの重要性を再確認しました。決議は、若者主導のグリーン・デジタルスタートアップを優先課題とすることを求め、大陸基金やイノベーションプラットフォーム、Eコマース、そしてより広範な再生可能・デジタルインフラを通じたサポートの在り方を提唱しました。さらに、アントレプレナーシップ(起業)を一般教育や技術・職業訓練に取り入れる提案も強調されました。重要分野には、アグリテック、若者のインキュベーター、デジタル機器へのアクセス、初等学年における識字能力、ブルーエコノミーに関するイニシアティブが含まれました。決議はデジタルヘルス分野にも触れ、若者主導の遠隔医療、モバイル医療、人工知能ソリューション、安全な汎アフリカ健康データプラットフォーム、学校でのデジタルヘルス・リテラシー教育、サイバーセキュリティ基準の設定、AUデジタルヘルスセキュリティアカデミーの設立が盛り込まれました。共同委員長は、若者のエンパワーメント、グリーン・デジタルイノベーション、そして強靭な健康保健システムを通じたアジェンダ2063推進への取り組みを改めて確認しました。

 

決議案の採択

決議発表・説明に続き、出席加盟国は、総会に対して提出された統合決議草案「Model AU Japan 2025: Inayojumuisha ―若者の共創、アフリカの未来を創る」への投票を行いました。賛成52票、反対0票により、決議は総会の全会一致により採択されました。

 

表彰式

決議採択後に表彰式が行われ、会議の成功に最も傑出した貢献をした代表団が表彰されました。最優秀代表団の栄誉は南アフリカ代表団に贈られ、STC1共同委員長中島大雅氏から表彰されました。第2位はナミビア代表団、第3位はケニア代表団にそれぞれ贈られ、STC2共同委員長マレク・ベルバシュ氏により表彰されました。さらに、最優秀ポジションペーパー賞はギニア代表団に贈られ、STC1共同委員長中島大雅氏が授与しました。

優秀代表団賞:南アフリカ代表団

優秀代表団賞:ケニア代表団

最優秀ポジションペーパー賞:ギニア代表団 

優秀代表団賞:ナミビア代表団

閉会の辞:将来への展望

表彰式終了後、閉会式が行われ、英利アルフィヤ外務大臣政務官が閉会の辞を述べました。政務官はまず、全参加者の成果を称え、全員が将来の大臣候補であると力強く励ましました。また、元模擬国連参加者としての経験を踏まえ、参加者を将来の同僚として心強く思っているとも語りました。さらに、1993年以来のTICADを通じた日本のアフリカ開発への長年の取り組みを強調し、この会議がアフリカのオーナーシップと国際的なパートナーシップの原則に基づいて構築されていることを説明しました。そして、MAU Japanの成功を称賛すると共に、日本とアフリカの若者が協力し、アイデアを交換し、持続可能な成長に関する決議を起草・採択したことに高い評価を示しました。政務官はさらに、今年のテーマ「Inayojumuisha ―若者の共創、アフリカの未来を創る」を高く評価し、経済、文化、科学の分野での議論における包摂性と若者参画の重要性を強調しました。そのうえで、この経験が参加者のアフリカ、日本、国際社会との結びつきを一層深めることへの期待を述べました。最後に、日本のアフリカへの取り組みを改めて確認し、より良い世界の実現に向けた参加者の活動に対し感謝を表明しました。

Panel discussion; woman in white blazer at center with microphone, JICA nameplate.

閉会挨拶:英利アルフィヤ 外務大臣政務官

続いて、上智大学学長であり、同大学総合人間科学部教授として「人間の尊厳、平和、サスティナビリティのための教育」に関するユネスコチェア代表を務める杉村美紀氏が閉会の辞を述べました。杉村教授は、MAU Japanにおける活発な対話と若者の力強い参画に深い感謝を表明しました。また、上智大学を代表して、AUC、UNDP、JICAをはじめとする共催者、来賓、そして献身的に活動してきた学生運営委員会と会議運営サポート組織であるラポルトゥールに謝意を述べました。さらに、会議の成功を祝するとともに、グローバルな対話と相互理解を促進する場として、このようなプラットフォームが果たす役割の重要性を強調しました。杉村教授は大学が果たすべき役割として、複雑なグローバル課題に取り組むための知的関与と協力を育む責任について触れました。そのうえで、より包摂的なグローバル社会の構築を目指し、日本とアフリカ諸国の間で学術協力を推進するという上智大学の取り組みを改めて確認しました。最後に、継続的な連帯、若者主導の開発、そして実り多いパートナーシップに向けた前向きな展望を示し、全参加者の献身と努力への感謝の言葉で締めくくりました。

Panelist with short dark hair in gray blazer, seated at a table with microphone; name card reads Ms. Miki Sugimura.

閉会挨拶:杉村美紀 上智大学学長

結びに際してバンコレ・アデオエAUC 政治・平和安全保障担当委員が最後の閉会の辞を述べました。委員は、決議が全会一致で採択されたことに深い感謝を表し、その意義をグローバルな平和と安全保障の観点から強調しました。さらに、汎アフリカニズムに根ざした組織としてのAUの取り組みを再確認し、TICADをはじめとするパートナーシップの戦略的価値を改めて強調しました。委員はまた、アフリカ全土の平和、安定、開発の促進における継続的な支援に対し日本政府と国民への感謝を表明しました。加えて、若者の包摂は単なるスローガンではなく実践的な取り組みであることを強調し、紛争の終息、民主的ガバナンス、平和構築を含むAUの戦略的イニシアティブ形成における若者のエネルギー、創造性、イノベーションが果たす重要な役割を強調しました。そして若者をアフリカ最大の資産と位置づけ、彼らの志を後押しするための投資拡大を求めました。

さらに委員はアジェンダ2063に言及し、若者を中心に据えた変革の指針として再確認し、強く統一されグローバルに影響力を持つアフリカの未来像を語りました。MAU Japanにおける日本とアフリカの若者の協力を、AUが目指す未来の力強い例として称賛しました。結びに、平和教育の重要性を強調し、若者に持続可能な開発を促進する平和的アプローチを選択するよう促し、全ての参加者にアフリカとAU双方の大使としての使命を自覚するよう呼びかけました。

 

第2回開催となった本年のMAU Japanは、アフリカと日本の若者が出会い、有意義な対話を重ねる貴重な機会となりました。参加者がアフリカ諸国の開発課題について意見を交わし、それぞれの文化や社会への理解を共有することで相互理解を深めると共に、活動期間を通じて、本イベントがアフリカ大陸に関する誤情報や誤解、固定観念に立ち向かい、乗り越えるための場として機能し、両地域の若者の間により正確で前向きな認識を育む役割を果たしました。

 

当日の流れ  

議長および司会 
アハメド・アブデルアジズ・マフムード氏:会議議長  
笹尾 佳音氏:共同議長 

10:00 – 10:10  

歓迎の挨拶:   

  • エルシー・ジェキーワ・アタフア UNDPナイジェリア常駐代表 (5分) 
  • 安藤直樹 JICA 理事 (5分)  
10:10 – 10:15  アフリカ連合歌斉唱  
10:15 –10:20  代表団の点呼  
10:20 - 10:32 

公式討論: 

15か国の代表団より発言 (それぞれ1分) 

10:32 – 10:35  徐浩良(ハオリャン・シュウ)UNDP総裁代行による祝辞 
10:35 – 10:45 

STC 1: 決議の説明 (1分30秒) 

STC 2: 決案の説明 (1分30秒) 

STC 3: 決議の説明 (1分30秒) 

10:45 – 10:55  採決・閉会  
10:55 – 11:02 

表彰式:   

  • 優秀代表団賞:3代表団受賞  
  • 最優秀ポジションペーパー賞: 1代表団受賞  
11:02– 11:05 グループ写真撮影 
11:05 - 11:20  

閉会の挨拶:  

  • 英利アルフィヤ 外務大臣政務官   
  • 杉村美紀 上智大学学長、上智大学総合人間科学部教授、国連大学サスティナビリティ高等研究所客員教授
  • バンコレ・アデオエ AUC 政治・平和安全保障担当委員 (5分)  

 

Three panelists seated at a conference table with nameplates, microphones, and water.

閉会挨拶:バンコレ・アデオエ AUC 政治・平和安全保障担当委員