UNDPの衛星データ分析によると、サイクロン「ディトワ」により230万人が被災、110万ヘクタールが浸水し、インフラや公共サービスに深刻な影響が
スリランカ国土の5分の1がサイクロン「ディトワ」により浸水
2025年12月11日
コロンボ/ニューヨーク発
推定230万人(その半数以上が女性)が2025年11月28日にスリランカを襲ったサイクロン「ディトワ」による浸水地域で生活していたことが、国連開発計画(UNDP)の最新の地理空間分析で明らかになりました。洪水はスリランカ国土の約20%に相当する110万ヘクタール以上を浸水させ、住宅、インフラ、基本的サービスに甚大な被害をもたらしました。
スリランカ政府の災害関連データに基づく本分析は、今回のサイクロンの影響を全国規模で明らかにしており、それにより引き起こされた洪水は数十年に一度の深刻な災害と位置付けられています。
浸水地域に住む住民の半数以上は、サイクロン発生以前より不安定な収入、多額の負債、災害への対応能力の不足といった複数の脆弱性をすでに抱えていました。そのような状況下では、比較的軽度の被害であっても長期的な後退につながる可能性があります。
スリランカ国内の建物12棟に1棟の割合に相当する、約72万棟の建物が洪水の被害を受け、さらに、1万6,000キロの道路(島の海岸線を12周以上できる距離)、278キロの鉄道、480にも及ぶ橋が浸水範囲に含まれています。
「サイクロン・ディトワは、長年の経済危機で弱体化した地域を直撃しました」と、UNDPスリランカの久保田あずさ常駐代表は語ります。
被災者には、約120万人の女性、52万2,000人の子ども、26万3,000人の高齢者が含まれ、全被災者の60%以上がコロンボ県とガンパハ県の2つの県に集中しています。国内の被災地域においては、多くの住民が災害リスクの高い地域に居住しており、恒久的な解決策が求められています。特定の地域にリスクが集中している状況は、基本的サービスの提供に深刻な負担を与えています。
「浸水被害と脆弱性が重なる地域では、復興が遅れ、必要な費用も増大する恐れがあります。こうした地域での早期対応が不可欠です」と久保田常駐代表は強調します。
内陸の丘陵地帯では、サイクロンにより約1,200件の土砂崩れが発生しました。これらの被害は、医療などの基本的サービスへのアクセスを遮断し、救助活動を遅らせることで、既に脆弱なコミュニティをさらに孤立させる可能性が懸念されています。
「サイクロン・ディトワは、複合的な危機がいかに急速に進展するかを示す警鐘です」と、UNDP危機局のデバナンド・ラミアは述べています。
UNDPは、スリランカ当局や関係機関と緊密に連携し、コミュニティの早期復興を支援するための取り組みを呼びかけています。これには、基本的サービスの復旧、女性・子ども・高齢者を含む被災世帯への支援、主要な交通及びサービス提供のためのインフラの修復、そして将来の気候変動に対するコミュニティのレジリエンス(強靭性)強化が含まれます。
「史上最悪の経済危機を乗り越え、緩やかではあるものの着実な回復が進んでいたスリランカは、この大規模な自然災害からの復旧・復興費用を確保するために、これ以上の債務を抱える余裕はありません」と久保田常駐代表は語り、以下のように指摘します。
「国際社会は、迅速な復興かつレジリエンスを高めた再建を可能にするため、持続可能な資金調達や革新的な方法で支援を強化する必要があります。スリランカが債務の危機に陥ることなく、回復への道を歩むためです。UNDPは国連ファミリーとともに、政府、コミュニティと連携し、最も影響を受けた人々への緊急支援と早期回復を進めています。『より強く、より良い復興をする』ことは不可欠であり、時間を要します。」
詳細な分析とデータはこちらから:「スリランカにおけるサイクロン・ディトワの初期影響マッピング」