ウクライナ地方・国土発展省とUNDP、復興分野における公正性(インテグリティー)強化のため新たな教育ツールを発表

2025年9月25日
Panel discussion in a conference room with five panelists on stage.
Photo: UNDP Ukraine / Danylo Pavlov

ウクライナ地方・国土発展省は、日本政府の資金拠出により、国連開発計画(UNDP)ウクライナ事務所の支援にて、復興のための高い倫理性と説明責任の強化を目的に開発された、2つの新しい教育教材を発表しました。

今回発表された教材は、オンライン講座「公正性と倫理:地域開発省チームのための講座」と、オンライン・シミュレーター「復興分野における反汚職コミッショナー:職業入門」です。いずれのコースも、最新の知識とスキルを提供する国家的教育エンターテインメント・プラットフォーム「Diia.Osvita」で公開されています。

オンライン講座は、新たに任命された省職員を対象としており、業務プロセスへの迅速な適応、内部規則や手続きの理解、省の倫理規範や反汚職プログラムの明確な把握を支援します。これにより、職員の公正性に関する意識が高まり、組織内に倫理的行動の文化が醸成され、復興分野における同僚やパートナー間の信頼を強化することが期待されます。

一方、オンライン・シミュレーターは、省および地方自治体における反汚職コミッショナーを対象としています。職場で想定される実践的な場面を再現し、適切な意思決定や効果的な反汚職活動の進め方を学ぶことができます。これにより、コミッショナーは職務への迅速な適応が可能となり、国家や省レベルの反汚職政策を理解・活用し、地方における汚職防止の実効性を高めることができます。

この教育講座とシミュレーターは、ウクライナ地方・国土発展省がUNDPウクライナ事務所および日本政府の支援を受けて「Diia.Osvita」プラットフォーム向けに開発したものです。

両教材のローンチイベントは、2025年9月9日にキーウで開催され、省職員や省の管理部門に属する反汚職コミッショナー、傘下の企業・機関・組織の代表者が参加しました。

イベントのプログラムには、公共サービスにおける組織文化の基盤としての公正性、透明な環境づくりにおける反汚職コミッショナーの役割、そして組織活動における倫理原則の実践的な適用をテーマとしたパネルディスカッションや実践的ワークショップが含まれました。

セルヒー・デルカチ ウクライナ地方・国土発展省次官は、この講座とシミュレーターが省の業務効率を高めると強調し、次のように述べました。「新たに任命された職員が、公正性と倫理の価値、そして反汚職関連法の要件をすぐに理解することは極めて重要です。オンライン講座とシミュレーターは体系的な研修方法を提供し、職員が業務に迅速に順応し、よくあるミスを回避するのに役立ちます。これにより省の制度的能力が強化され、私たちの仕事はパートナーや社会に対して一層高い透明性を確保することができます。これらは中央省庁レベルでは初めての、反汚職と公正性に特化した新任職員向けオンボーディング講座です。この取り組みが他の機関にも広がることを期待しています。」

ヴィクトル・パヴルシチク ウクライナ国家汚職防止庁長官は、効果的な反汚職の取組みが復興の成功に不可欠であると述べました。「透明な手続きと反汚職基準の遵守状況に対する監督は、復興に割り当てられた資源が効率的かつ本来の目的に沿って使用されることを保証します。これにより、市民による国家機関への信頼が築かれ、安定的かつ透明な国の復興の基盤が形成されるのです」と語りました。

ナターリヤ・アリウシナ ウクライナ国家公務員庁長官は、公務における公正性は抽象的な概念ではなく、公務員一人ひとりが日々選択する実践的な行為であると指摘しました。「公務員の誠実さ、透明性、説明責任によってのみ、市民から信頼される公共サービスを築くことができます。そして、国家の強靭性を確保し、民主的制度を強化する価値を定着させることは、私たち全員が協力して成し遂げるべき課題なのです。」

横井水穂 UNDPウクライナ事務所プログラムマネージャーは、公正性強化を目的とした取り組みの重要性を強調しました。「UNDPと日本政府にとって、このような取り組みを支援することは極めて重要です。なぜなら、透明性と説明責任はウクライナ復興の根幹だからです。オンライン講座とシミュレーターは、公務員が公正性・専門性・献身をもって職務に取り組むことを支援し、市民や国際的パートナーの復興プロセスへの信頼を直接的に高めます。反汚職は復興のあらゆる段階の中心でなければならず、私たちはこの取り組みを支援できることを誇りに思います。」

背景:

ウクライナ地方・国土発展省は、と日本政府の資金拠出により、UNDPウクライナ事務所の支援により省の活動における公正性基準の向上に継続的に取り組んでいます。2025年には、職員向け倫理行動規範を改訂し、汚職の内部告発者を奨励する仕組みに関する規則を承認しました。