青木豊日本国大使とナツヴリシュヴィリUNDPアルメニア常駐代表、ゲガルクニク州及びコタイク州における日本政府拠出事業を視察
2026年5月31日
チャンバラク第四幼稚園を訪れた際の一行
5月12日、青木豊在アルメニア日本国特命全権大使及びナティア・ナツヴリシュヴィリUNDPアルメニア常駐代表は、日本政府の資金拠出のもと実施されたプロジェクトの成果を現地で確認するため、ゲガルクニク州及びコタイク州を訪問しました。
最初の視察では、UNDPと日本政府の連携による「ナゴルノ・カラバフからの避難民及びホストコミュニティのための基礎インフラ・社会統合支援計画」の一環として有効貯水容量11,000立方メートルの貯水池が建設された、ゲガルクニク州チャンバラク・コミュニティを訪問しました。
視察には、ゲガルクニク州のジャニク・バゼヤン副知事、ヌヴァルド・ヴァルダニャン領土行政・インフラ省水資源委員会副委員長、アショット・ギロヤン領土行政・インフラ省顧問、チャンバラク・コミュニティのロベルト・オハニャン第一副代表も参加しました。
この貯水池の整備により、最大200ヘクタールの農地において灌漑機能が回復すると期待されており、約200世帯に裨益する見込みです。また、コミュニティ側でも新たに4.4キロメートルの灌漑配水システムを整備しており、気候変動に強い農業の推進に繋がっています。
さらに一行は、ホストコミュニティ内の主要公共施設に設置されたハイブリッド型太陽光発電設備についての説明を受け、エネルギー供給の強靱化に向けた取り組みを視察しました。5kW型設備は固定型である一方、2kW型設備は移動型であり導入と設置が容易です。これらのシステムは、通常時は電力網に繋いで使用しつつ、停電時には独立して稼働できる仕組みであるため、停電が発生した場合でも照明や通信など生活に必要な設備を継続して利用することができます。
ゲガルクニク州では合計9基(2kWシステム4基、5kWシステム5基)が設置されており、そのうち8基がチャンバラク・コミュニティ内で活用されています。具体的には、市庁舎(5kW)、第3幼稚園(5kW)、医療センター(5kW)、地域救助サービス拠点(5kWおよび2kW)、チャンバラク・コミュニティの夏季牧草地(2kWシステム3基)に設置されています。
その後、青木大使とナツヴリシュヴィリ代表は、コタイク州チャレンツァヴァン・コミュニティを訪問しました。同地域では、「リストラティブ・サークル(対話を通じて相互理解を深める手法)」を用いた避難民とホスト・コミュニティの話し合いの場が設けられ、述べ1,100人以上(その約半数は避難民)が参加しました。対話を通じて地域の優先課題が共有され、協働して解決策が検討される中で、人々が安心して集い、交流や創作活動ができる場の必要性が強く認識されました。これらのアイデアはすでに5つのコミュニティで具体化されており、984の脆弱な世帯を含む約126,000人が恩恵を受けています。
チャレンツァヴァン・コミュニティでは、青木大使およびナツヴリシュヴィリ代表が、同コミュニティのハコブ・シャフガルジャン代表とともに、公共スペース及び遊び場の開会式に参加しました。これらの施設は、地域の人々が気軽に集まり、交流できる場所として整備されたものです。住民同士のつながりを深めることで、避難民と地域住民が互いに支え合いながら、安心して暮らせる地域づくりに寄与することが期待されています。
ナティア・ナツヴリシュヴィリUNDPアルメニア常駐代表は、次のように述べました。
「日本政府による財政支援に、心より感謝申し上げます。この支援は、アルメニア全土の避難民およびホストコミュニティの人々の生活に確かな変化をもたらしています。今回の成果は、効果的なパートナーシップによって何が実現できるかを示す好例です。緊急的な支援と、誰もが取り残されない地域づくりを見据えた気候変動にも強い長期的な解決策を組み合わせることで、持続的な支援につながっています。また、こうした支援を現場での具体的な改善につなげるうえで、地域・地方自治体との強力な連携は欠かせません。UNDPは、自治体のリーダーシップと継続的な取り組みに深く感謝しています。UNDPは今後も、インフラ整備、エネルギー供給の強靭化、そして社会統合の促進を通じて、避難民とホストコミュニティの支援に引き続き尽力してまいります。」