アフナ・エザコンワ国連開発計画(UNDP)総裁補兼アフリカ局長が琉球大学で開催された特別セミナーに登壇
沖縄からアフリカへ、ユース・イノベーション・リーダーシップが作る、平和で持続可能な未来とは
2026年7月8日
日本とアフリカは、1993年に始まったアフリカ開発会議(TICAD)を通じて、深い歴史的関係を築いてきました。アフリカのオーナーシップと国際的パートナーシップという基本原則のもと、両者はアフリカの発展について継続的に協議してきました。また、沖縄は平和構築の歴史や多文化交流の蓄積を有し、古くからアジアと世界をつなぐ架け橋としての役割を果たしてきました。その歴史的・文化的背景を踏まえ学生たちに国際社会への視野を広げてもらうべく、2026年5月、琉球大学は、「From Okinawa to Africa:Youth, Innovation, and Leadership: Building a Peaceful and Sustainable Future」をテーマに、特別セミナーを開催しました。同大学の学生や大学コンソーシアム沖縄に所属する県内学生約40名が集まり、国連開発計画(UNDP)総裁補兼アフリカ局長のアフナ・エザコンワによる特別講義が行われました。
エザコンワは、沖縄の高齢化とアフリカの若年層の急増という対比を用いながら、若者のリーダーシップの重要性を訴えました。そして、「未来は若者のものであり、リーダーシップとはテクノロジー、医療、ジャーナリズムなどの分野、さらには年齢の若さや立場に関わらず、誰もが選択できるものである」という力強いメッセージを伝えました。また、講演当日の5月15日が沖縄本土復帰記念日であることに触れ、沖縄の戦争の歴史と、数十年間にわたり交わされてきた「侵略反対」への誓いについて振り返りました。その上で、世界各地でいまだに続く紛争は過去の出来事ではなく、今なお悲劇が繰り返されている現実であることを強調しました。最後に、エザコンワ自身が母国の内戦から国際協力の道を志した生い立ちに触れ、これら山積する課題に対して、自らが問題を解決する人になってほしいと若者たちへ呼びかけました。
学生の質疑応答に応えるエザコンワ UNDPアフリカ局長
その後行われた質疑応答セッションでは、学生との活発な意見交換が行われました。
国連が多様な価値観を持つ加盟国をいかに平和の実現を目指しているのかという質問に対し、アフリカ局長は、異なる立場や価値観の隔たりを埋めることは容易ではないと認めつつ、平和の基盤は「普遍的な人権」にあると説明しました。「あらゆる人間にとって最も基本的な権利は『あるがままの自分でいられること』」だと強調し、個人の尊厳が守られることこそが、違いを超えて平和を構築するための基盤であると訴えました。
また、アフリカが抱える膨大な若年人口に関する課題について尋ねられた際、エザコンワは、質の高い教育へのアクセスと雇用の創出を最優先事項として挙げました。具体的なUNDPの取り組みとして、アフリカのイノベーション・エコシステムを支援するtimbuktooイニシアティブを例に上げ、起業を目指す若者たちがビジネスを立ち上げ、成長させるための支援を積極的に行っていることを説明しました。また、アフリカの若者たちが持つ潜在力の大きさに言及しつつ、その将来性と可能性への期待を語りました。
さらに、アフリカのエネルギー危機に関する質問に対しては、深刻な電力不足の現状に触れたうえで、イノベーションの重要性を強調しました。「アフリカは輸入技術への依存から脱却し、『アフリカ発』の技術を創造・活用していく必要がある。」と述べ、持続可能な開発のためには、独自の技術エコシステムを構築、さらに発展させていくことが重要だと指摘しました。
最後に、将来のキャリアや社会貢献を見据えて、学生として今すぐ実践できる具体的なアドバイスを求められたエザコンワ局長は、心を熱くする情熱と、自らのビジョンを持ち続けることの大切さについて語りました。そして、「情熱を持って行動すれば、夢を叶えることができる。心に響くビジョンを持つことが、何よりも重要である。」と学生たちにメッセージを送りました。