戦時中の司法アクセスを強化:ウクライナにおける安全と治安向上に向けた協力を進める日本とウクライナの警察当局によるパートナーシップ

ウクライナ国家警察、日本の警察庁、在ウクライナ日本国大使館、UNDPは、司法と人権へのアクセスを強化するための関する協力を記念する式典を開催しました。

2025年2月21日
Group of uniformed officers and officials posing with an award in a staged setting.
Photo: UNDP Ukraine

キーウ発 – ウクライナ国家警察、日本国大使館、日本の警察庁、国連開発計画(UNDP)は、友好関係を記念し、戦時下におけるウクライナでの司法および法の支配の推進に関する協力について記念する式典を開催しました。

式典では、日本とUNDPの協力により、DNA鑑識用に装備された、ウクライナ国家警察に提供された車両の点検が実施されました。また、供与された全てのDNA鑑識車両には、ウクライナ国家警察と日本の警察庁の友情を記念する銘板が設置されました。

2024年5月、日本政府の支援により、UNDPはウクライナ国家警察の法医学捜査部門に機材を提供しています。この支援内容には、26台の車両、12台の移動式DNA解析装置、解析用チップ800枚、4000本の検査用資材、その他の鑑識機材が含まれています。これにより、ウクライナ国家警察では、困難な現場の状況に対処し、DNA情報を識別でき、複雑な捜査に対応できる体制が整いました。

式典にて、中込正志 駐ウクライナ日本国特命全権大使は、戦時下において、ウクライナの包括的、公正かつ持続可能な復興を促進するために、人権と法の支配を推進するという日本の決意を表明し、「危機の中、最前線で確固たる決意を持って任務に当たっているウクライナ国家警察の献身的な活動に特別な感銘を受けました。日本はこれまでウクライナへの支援を揺るぎなく続けてきましたが、本日、私はウクライナ国家警察への支援を強調したいと思います」と述べました。

イヴァン・ヴィヒウシキー ウクライナ国家警察長官は、ウクライナ警察は、戦争犯罪の捜査を含めた組織機能の拡大により、非常に有意義な変化を経験したことをについて、「我々は常に進化し、改善し、世界最高の警察機関のレベルに到達するよう働き続けています」と述べました。

ヤコ・シリアーズUNDPウクライナ常駐代表は、ウクライナの司法と治安の向上に、大きく寄与するこのような協力の価値を強調して次のように述べました。

「UNDPは、日本政府との協力を通じて、ウクライナ国家警察に包括的な支援を提供できることを誇りに思っています。この支援により、司法と人権の推進のための革新的な解決策を実行できます。戦争による危機の際には、力強くまた強靭性のある司法制度が不可欠であり、新たに生じる課題に対して、迅速かつ効果的に対応することを可能とします。」

式典にて、小笠原和美 警察庁国際担当審議官は、自身のキャリアが30年前に阪神・淡路大震災が発生した神戸で始まったことを振り返りました。警察官キャリアの1年目、小笠原氏は同僚たちと協力して、一人でも多くの行方不明者をご家族の元へ帰すために尽力しました。

小笠原氏は、ウクライナの安全及び治安の向上のために協力することの重要性を強調し、「UNDPのプロジェクトを通じて提供された移動式DNA鑑識ラボは、戦争犯罪および市民の犠牲に関連する複雑な捜査に対応するための専門性を高めると確信しています。さらに、ウクライナ国家警察とUNDPの協議を経て、車両には『絆』の文字を刻んだ記念プレートが設置されました。『絆』は日本語で『切れない縁』を意味し、ウクライナと日本の深く永続的な友好関係を象徴しています。」と述べました。

背景

2024年5月、日本政府とUNDPは、ウクライナ国家警察の法医学捜査部門に26台の車両、12台のポータブルDNA解析装置、800枚の鑑識機材用チップ、4000本の鑑識検査資材、その他の機材を提供しました。また、2023年には、ウクライナ国家警察と内務省の法医学専門家25名は、日本の警察庁の知見と経験を習得すべく、日本を訪問し、大規模な遺体検視、検体採取技術、効率的なDNA分析方法について技術的な専門家交流を行いました。