UNDPと日本政府、ウクライナで中小企業のデジタル化を支援

日本政府による資金拠出によりUNDPは、ウクライナ企業のビジネスを促進する「バーチャル・ゾーン」を開設し、零細・中小企業(MSMEs)に新たな機会の提供を開始します。

2025年12月4日
Speaker at podium presenting to an audience in a conference room with a projection screen.
Photo: UNDP Ukraine / Stas Kartashov

2025年11月17日 キーウ発

ウクライナ・デジタル変革省は、起業支援センター「Diia.Businessネットワーク」、起業・輸出促進局、そして各パートナー組織の支援を得て、ウクライナの中小企業(SMEs)のデジタルトランスフォーメーションに向けた新たなソリューションを発表しました。

UNDPがイノベーション開発センターと共同で実施した調査によると、ウクライナの中小企業の約半数が 「デジタル化計画の策定を予定」 しており、31%の企業は既に計画を有していることが明らかになりました。このため、デジタルツールの導入は、ウクライナ企業がこれらの計画を実行に移す上で重要な役割を果たします。

特に、国家SMEデジタル成熟度フレームワークは、企業のデジタルレベルを評価分析し、革新的なソリューション開発の方向性を示す包括的なツールであり、企業が次の成長段階を明確にすることを可能にします。

今回発表された主要ツールの一つが、「バーチャル・ポップアップ・ゾーン」です。ウクライナの製品・サービスを世界に向けて発信するための新たなデジタル環境として整備されました。

このプラットフォームでは、企業がバーチャル展示会、オンライン販売機能、パートナーシップ機会に無料でアクセスできます。また、国内のどこからでも市場での可視性を高め、物理的な商取引拠点がなくても国際的な顧客層へアプローチすることが可能です。

このプラットフォームは、UNDPがウクライナ・デジタル改革省および Diia.Businessネットワークと連携し、日本政府の資金拠出による「ウクライナにおける人間の安全保障に向けた変革的復旧」プロジェクトの一環として開発されました。

本イベントでは、政府関係者、企業団体、国際パートナー、金融機関の代表者らが、デジタル化がウクライナの経済回復の基本条件となりつつあると強調しました。

ヴァレリア・イオナン ウクライナ第一副首相兼デジタル変革大臣補佐官-イノベーション・デジタル化・国際連携担当は次のように述べました。「過去5年間でDiia.Businessは、中小企業発展のための完全なエコシステムへと成長しました。現在、プラットフォームには1,500万人以上のユーザーがおり、Diia.Businessセンターはウクライナ国内外15都市で運営されています。私たちが現在重視しているのは、“ビジネスのデジタル成熟度”です。そのため、Diia.Businessポータルにデジタル専用セクションを開設し、ホワイトペーパーとデジタル成熟度マトリクスを発表しました。まもなく新たなAIアシスタントも導入します。」

経済・経済協力担当在ウクライナ日本国大使館二等書記官の栂野志帆氏は次のように述べています。「ウクライナの起業家は、驚くべきレジリエンスと創造性を発揮しています。バーチャル・ポップアップ・ゾーンは、MSMEs に更なる可視性、新しいパートナーシップ、そしてより広い市場へのアクセスを提供します。日本は今後も、ウクライナのデジタル改革、そして復興・成長・公正かつ持続的な平和への道のりを支援し続けます。」

ラナ・エルホジジェイリ UNDPウクライナ政策・プログラム調整担当シニアアドバイザーは次のように述べました。「デジタルトランスフォーメーションは、単なるトレンドではなく、ウクライナ企業が生き残り、発展するための重要な手段です。バーチャル・ポップアップ・ゾーンは、起業家が新しい市場を開拓し、顧客を見つけ、戦時下においてもウクライナの経済レジリエンスを強化することに役立ちます。私たちは、地理や状況によってビジネス機会が制限されないようにしなければなりません。」


 

メディアお問い合わせ先:

Yuliia Samus UNDPウクライナ事務所広報・アドボカシーチーフ

Yuliia.samus@undp.org