持続可能な投資環境の構築と開発金融の推進
【TICAD9ハイレベル・テーマ別イベント】アフリカにおける信用格付
2025年7月16日
Event Details
2025年8月22日
10:00-11:30(日本時間)
対面開催場所:パシフィコ横浜 展示ホールD オンライン配信:Zoom
イベント概要
本イベントでは、アフリカ諸国が直面する不適切に低い信用格付の課題と、それが開発資金調達に及ぼす影響について議論します。特に、データに基づく客観的で透明性の高い評価の重要性、UNDPが推進する「アフリカ信用格付イニシアティブ」の取り組み、そしてアフリカ諸国がより低い金利で持続可能な資金調達を確保するための具体的な方策について、専門家の知見を交えて多角的に検討します。
背景
1990年代初頭、アフリカの対外資金調達の約3分の2を従来の政府開発援助(ODA)が占めていました。しかし、2022年までにこの割合は3分の1未満に減少し、アフリカ諸国は商業的な資金調達に依存せざるを得なくなりました。低い信用格付のため、この商業資金へのアクセスコストが急上昇し、開発資金調達をさらに困難にしています。
これらの課題に対処するため、UNDPは「アフリカ信用格付イニシアティブ」を立ち上げ、アフリカ諸国がより低い金利で資金調達を確保し、資本流入を促進できるようにすることを目指しています。
信用格付が開発に与える影響
信用格付は、各国の資金調達条件に直接的な影響を与えます。適切でない評価は借入金利の上昇や短い返済期限を招き、インフラ整備、医療制度の充実、教育環境の向上といった重要な分野への投資機会を制限する要因となっています。
データに基づく客観的評価の必要性
UNDPの調査研究「借入コストの削減」(2023年)によると、信用格付機関がアフリカ諸国を評価する際の情報不足が、客観性を欠いた評価につながる場合があることが明らかになっています。この課題により、アフリカ諸国全体で年間約750億ドル相当の経済機会の損失が生じていると推計されています
イベント詳細
タイトル:
【TICAD9ハイレベル・テーマ別イベント】アフリカにおける信用格付
持続可能な投資環境の構築と開発金融の推進
開催日時:2025年8月22日(金) 10:00-11:30(日本時間)
開催形式:ハイブリッド
対面開催場所:パシフィコ横浜 展示ホールD
オンライン配信:Zoom
言語:日本語・英語・フランス語(同時通訳あり)
共催者:
国連開発計画 (UNDP)、AfriCatalyst
参加費:無料
参加登録リンク
対面参加:https://forms.gle/oo1Xd3zLGtpiNzDo7
オンライン参加:https://undp.zoom.us/webinar/register/WN_D7PAHL7tQH2gycIMA_ucHA
プログラム
司会:フォーリー・バー・ティボー(ジャーナリスト・教育活動家)
| 時間 | 内容 |
| 10:00-10:05 | 開会挨拶:アフナ・エザコンワ UNDP総裁補兼アフリカ局長 |
| 10:05-10:10 | ビデオプレゼンテーション:信用格付の課題に関する概要 |
| 10:10-10:40 | 談話:信用格付向上のためのアフリカ各国政府の取り組みについて
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| 10:40-11:25 | パネルディスカッション:信用格付の向上施策と格付向上による効果について
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| 11:25-11:30 | 閉会挨拶:レイモンド・ギルピン UNDPアフリカ局チーフエコノミスト戦略・分析・調査チーム長 |
登壇者一覧
司会
フォーリー・バー・ティボー
ジャーナリスト・教育活動家
フランス・ギニア系ジャーナリストで、ドーハを拠点とするアルジャジーラ・イングリッシュの主要キャスター。アルジャジーラの「声なき者に声を与える」という旗印の下、国連事務総長候補者の討論会、オスロでのノーベル平和賞インタビュー、米国選挙など、数々の特別番組を司会。「Talk to Al Jazeera」ではケニアのウフル・ケニヤッタ大統領やフランス指導者マリーヌ・ル・ペンなど世界のトップリーダーやニュースメーカーにインタビュー。4ヵ国語に堪能で、コロンビア大学で国際コミュニケーション修士号を取得。
開会挨拶
アフナ・エザコンワ
UNDP総裁補兼アフリカ局長
2018年からUNDPの総裁補兼アフリカ局長として、アフリカ46ヵ国がアジェンダ2030とSDGsを達成するためのUNDPの活動を指揮。これまでエチオピアでUNDP常駐代表兼人道調整官、国連常駐代表、ウガンダとレソトで国連常駐調整官兼UNDP常駐代表などを歴任。国連人道問題調整事務所(UNOCHA)ではアフリカ部長として15以上の国家オペレーションを管理。国連加入前は、アフリカの市民社会組織で様々な上級職を歴任。コロンビア大学でアフリカの経済・政治発展に焦点を当てた国際関係修士号を取得。
談話
ロミュアルド・ワダニ
ベナン共和国 経済・財務大臣
パトリス・タロン大統領の第1次政権により2016年に任命され、2021年に再任。透明で積極的かつ革新的な公的財政管理と、ビジネス環境の改善および民間セクターの回復力強化という2つの軸を中心とした政策を実施。西アフリカ経済通貨同盟(WAEMU)財務相法定理事会議長としてフランスとの交渉を主導し、2019年12月に西アフリカでCFAフランを終了させる合意に署名。前職ではフランスと米国のデロイトで国際経験を積み、36歳でデロイトのマネージングディレクター兼パートナーを務め、コンゴ民主共和国での新事務所創設を司った。
イスマエル・ナベ
ギニア共和国 計画・国際協力大臣
2024年より計画・国際協力大臣を務め、ギニアの国際的パートナーシップと経済開発を主導。以前は4代の首相上級顧問として官民連携や投資戦略に従事。マレーシアとアフリカの経済関係強化を目的とするMAPE(Malaysian African Professionals & Entrepreneurs)の共同創設者兼副会長を務め、同団体やPEREIRA International、アフリカ中小企業連合などの諮問委員も務める。政界入り前は、アフリカ開発銀行、イスラム開発銀行、西アフリカ諸国経済共同体投資開発銀行など国際金融機関で要職を歴任。マラヤ大学でMBAおよび通信工学修士号を取得。
パネルディスカッション
仲川聡
Double Feather Partnersディレクター
新興国のマクロ経済分析、カントリーリスク評価、企業信用評価の専門家で、アジア信用格付機関連合(ACRAA)の会長を務めるなど、アジア及び新興国組織の運営に長年関与。東京の一橋大学で非常勤講師も務める。国際協力銀行(JBIC)、財務省(国際局地域協力課)、シンガポールのASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)、日本格付研究所、国際文化会館・Asia Pacific Initiativeを経て現職。慶應義塾大学卒、ケンブリッジ大学で開発学修士号を取得。
ソライヤ・ディアロ
Bloomfield Investment 上級副社長 兼 ディレクター
2014年よりBloomfield Investment Corporationの上級副社長兼ディレクターを務め、金融格付業務の統括、多国籍企業向けのIFRS導入支援や財務報告、会計慣行・内部統制改善の提言を行っている。以前は、2011〜2014年にUNICONSEILの監査マネージャー、2004〜2010年にCrowe Horwath Internationalの監査シニアを歴任。コートジボワールおよびアフリカ各国において10年以上にわたり監査・会計・財務計画の経験を有する。ラバト高等商業学校で財務・経営の学士(工学)を取得。
ダウダ・センベネ
AfriCatalyst CEO
セネガルを拠点とするグローバル開発アドバイザリーAfriCatalystの創設者・CEO。ワシントンを拠点とするCenter for Global Development(CGD)の名誉客員研究員。前職では国際通貨基金(IMF)でアフリカ23ヵ国を代表する理事を務めた。脆弱国家、ジェンダー多様性、小国問題を扱う様々な理事委員会で活動。IMF退職後は、セネガル大統領の上級経済顧問を務める。米国議会公聴会への出席や、IMF、世界銀行、国連、G20にコンサルティングサービスを提供。アメリカン大学で開発経済学博士号を取得。
閉会挨拶
レイモンド・ギルピン
UNDP アフリカ局チーフエコノミスト
ニューヨークの国連開発計画(UNDP)アフリカ地域局でチーフエコノミストを務め、同局の経済分析、戦略、研究、エコノミストネットワークに関するすべての事項についてリーダーシップを発揮。これまでワシントンDCのアフリカ戦略研究センターで学部長、米国平和研究所で経済部長を歴任。アフリカ開発銀行、世界銀行、シエラレオネ中央銀行でも勤務し、2015年にはアトランタの歴史あるモアハウス・カレッジのマーティン・ルーサー・キング学者顕彰会に選ばれた。英国ケンブリッジ大学で開発経済学博士号を取得。
お問い合わせ
国連開発計画(UNDP)伊東優太郎
メールアドレス yutaro.ito@undp.org