UNDPで現役JPOとして、フィールドで活躍する鈴木結衣さん(UNDPスーダン事務所)と金子弘樹さん(UNDPミャンマー事務所)に、現場での役割やUNDPで働く魅力、そしてJPOを目指す方々へ準備のポイントや応援メッセージを伺いました。
JPOから広がるキャリアの可能性
2026年2月5日
鈴木結衣 UNDPスーダン事務所
パートナーシップ兼プログラム担当官
UNDPスーダン事務所にて、案件形成や資金調達、国連機関やNGO、民間企業など多様なパートナーとの協力関係の構築、スーダン事務所の全プログラムの情報・レポート管理等を担当しています。ケニア・ナイロビから遠隔で勤務していますが、スーダンにいる同僚や国内外のパートナーと密に連携しながら、スーダンの平和と復興を目指して日々奮闘しています。
JPO試験に受かるために、どのような準備をしましたか?
JPOでも現場経験が評価されると聞いていたため、まずはアフリカなどで経験を積みたいと思い、JICAの海外協力隊に応募しました。その後、外務省国際協力局の勤務を通して援助政策に触れた後、UNHCR(国連ボランティア)やJICA本部で、平和構築やHDP(人道・開発・平和)ネクサス分野の支援経験を積んできました。また、語学、特に英語力は必須と聞いていたので、試験直前にはIELTSの対策に力を入れました。
JPOを通じてどのようなポジションに着任しましたか?
派遣先:UNDP スーダン事務所 | パートナーシップ兼プログラム担当官
1年目はUNDPスーダン事務所の代表および副代表のサポートをするポジション(日本から遠隔)に着任し、事務所全体のレポートの取りまとめ等を行いました。育休を挟み、2年目からはスーダン事務所のパートナーシップ部門(ケニア・ナイロビ駐在)に移り、各国政府やNGO、民間企業など様々なパートナーとの協力関係の構築、案件形成、イベントの実施、事務所の全プログラムの情報・レポートの管理等を行っています。
今までのキャリアがどのようにJPOでのポストに活かされていると思いますか?
現在、スーダンの支援現場からは離れた場所で勤務していますが、海外協力隊や国連ボランティアを通してルワンダ・ウガンダの地方で活動した経験があることで、異なる国ではありつつも、援助の現場をより具体的に想像しながら活動できているように思います。また、外務省やJICAの経験があることで、プロジェクトを形成・実施する色々な段階についてのイメージも持てるため、各関係者の方とお話しするうえで役立っています。
UNDPスーダン事務所のプログラムスタッフが一堂に会し戦略検討やチームビルディングを実施
UNDPで働く魅力について教えてください。
スーダンは3年連続で世界最大の人道危機と言われるほど過酷な状況にあります。その中でもUNDPはスーダン全土で支援を届け続けていること、そして、その支援の一端を自分が担えていることにやりがいを感じます。昨年スーダン事務所のプログラムスタッフが一堂にポートスーダンで集まる機会があり、私も参加しました。大変な状況の中でも、職員皆が誇りをもってスーダンの平和に貢献しようとしていることを改めて実感しました。
JPOに今後挑戦する方々に一言お願いします。
国際機関は厳しい変化の波の中にありますが、私にとってJPOという安定した2年の期間は、色々な挑戦ができ、多様な人に出会い、自身の人生を見つめなおすことができる貴重な経験になりました。国連というと敷居が高く感じる人もいるかもしれませんが、日本などで働いた経験があれば、必ず活かすことができる部分があるはずです。私もJPOに何度も挑戦しました。色んな人に話を聞きつつ、ぜひ挑戦してみてもらいたいです。
金子弘樹 UNDPミャンマー事務所
プログラムアナリスト(エネルギー)
2021年以降のクーデター・内戦や2025年の地震被害を受けた地方コミュニティの復興とレジリエンス強化を目指し、現地の人々のニーズに根差したエネルギー分野の支援事業立案・実行と資金動員を担当しています。現行の軍事政権体制や少数民族との内戦状況を注視しつつ、中・長期的にUNDPが主導すべきミャンマーの環境対策事業の策定や各国政府・国際機関・開発パートナーとの連携強化にも携わっています。
JPO試験に受かるために、どのような準備をしましたか?
在学中から国連勤務を志し、インターンや開発学修士を経て、社会人では商社やコンサルでエネルギー・インフラ分野の専門性強化と、ミャンマー等途上国の投資事業やODA事業に可能な限り従事し、国連で即戦力となるキャリア構築を心がけました。JPOは4回応募し、最終的には専門性・キャリアに最も合致するポスト選択と、応募先事業の熟知やUNDP職員訪問による組織理解を行い、着任後の役割期待を見据えた準備をしました。
JPOを通じてどのようなポジションに着任しましたか?
派遣先:UNDPヤンゴン事務所所 | プログラムアナリスト(エネルギー)
地方コミュニティに根差した復興支援・レジリエンス強化事業にて、環境負荷の少ないエネルギー支援の策定・導入を目指し、太陽光パネルによる農村灌漑強化、農村周辺森林保全、バイオガス由来の分散型電源導入等に従事しています。又、UNDPミャンマー事務所として短期的な支援のみならず、長期的な目線でのミャンマーの温室効果ガス削減・災害リスク削減・自然資源保全に貢献しうる方針策定や具体策の検討にも取組んでいます。
今までのキャリアがどのようにJPOでのポストに活かされていると思いますか?
UNDPは分野横断の支援・開発機関であり総合商社時代との共通点・親和性が高いと感じます。商社では様々な国でエネルギー・インフラ分野の多様な投資案件作りに携わりました。この経験が、今ミャンマーで最も必要な支援や開発事業は何か、仮説実現に向け関係者をどう巻き込むか、具体的なマイルストーンをどう設定するか、支援の先に何が必要か、といった日々UNDPで携わる業務や仕事の進め方に大きく活かされています。
UNDPオフィス前にあるKandawgyi湖畔でのコミュニティ支援プロジェクト同僚とのランチ(乾季限定のチームでの息抜き)
UNDPで働く魅力について教えてください。
多種多様なバックグラウンドの同僚と働けることは勿論、現地ミャンマー職員もモチベーション高く、様々な支援・開発分野を扱うUNDPだからこそ個々人が専門や得意分野を最大限発揮して国や組織に貢献する雰囲気にとても魅力を感じます。その中で自分自身も専門性やバックグラウンドを前面に出し同僚や組織外のパートナーから信頼を得て、ミャンマーへの貢献を最大化出来るよう限られたJPO期間で挑戦したいと考えています。
JPOに今後挑戦する方々に一言お願いします。
JPO試験で結果が出ない際に国連の先輩から「国連公募は巡り合せ、何度落ちても信念を曲げず、誰よりも結果を出せると思うポストに挑戦すべき」と勇気を頂きました。今のポストはまさに巡り合わせだと感じますしUNDPには必ずそういったフィールドがあると思います。又、わずかな期間ですが尊敬できるロールモデルとなる同僚・上司に出会い、単に国連で働くという以上に自身の成長に繋がる魅力的な職場だと実感しています。