スリランカ汚職・収賄対策委員会(CIABOC)、「事件ファイル追跡システム」を発表

日本政府および国連開発計画(UNDP)の支援を受けて、画期的な新プラットフォームを導入

2025年10月29日
Three professionals on a stage presenting a boxed award.

「事件ファイル追跡システム」を発表

UNDP: Sri Lanka

2025年10月8日 スリランカ・コロンボ発

スリランカ民主社会主義共和国の汚職・収賄対策委員会(CIABOC:Commission to Investigate Allegations of Bribery or Corruption)は、日本政府および国連開発計画(UNDP)スリランカ事務所の支援を受けて、「事件ファイル追跡システム(Case-File Tracking System)」を正式に導入しました。この取り組みは、日本政府の支援による「汚職防止政策支援を通じた経済ガバナンス推進計画」プロジェクトの一環として実施され、スリランカにおける誠実性・透明性・説明責任の強化に向けた重要な一歩となります。

導入式典はコロンボのCIABOC本部で開催され、ニール・イッダワラ判事(汚職・収賄対策委員会〈CIABOC〉委員長)、K.B.ラジャパクセ委員、チェティヤ・グネセケラ委員、鴨志田尚昭在スリランカ日本国大使館 次席公使、ランガ・ディッサナヤケCIABOC事務総長、久保田あずさ 国連開発計画(UNDP)スリランカ事務所 常駐代表が出席しました。

今回発表された「事件ファイル追跡システム」は、事件管理を効率化し、業務プロセスを最適化するための最新デジタル・プラットフォームです。これにより、捜査の透明性と迅速性が大幅に向上し、CIABOCの制度的能力が強化されることで、同委員会が憲法上の使命をより効果的に果たすことが可能になります。同システム導入は、スリランカ政府が掲げる「クリーン・スリランカ」構想の実現に貢献するものです。

同システムの主な目的は、捜査・業務プロセスの近代化と合理化を図ることにあり、事件管理とワークフローの最適化、説明責任と連携の強化、リアルタイム報告やアクセス、情報共有の促進などを実現します。

ニール・イッダワラ CIABOC委員長は次のように述べました。「我々が導入するのは単なるソフトウェアではありません。情報、記録、事件ファイルといった、当委員会の中核にある情報の流れをどのように管理していくかという点でのパラダイムシフトです。情報が力である時代において、アクセスや追跡、データ管理の能力は国民の信頼と直結しています。この事件ファイル追跡システムは、CIABOCにとって大きな転換点となるでしょう。」

久保田あずさ UNDPスリランカ事務所常駐代表は、次のように述べました。「事件ファイル追跡システムのデジタル化は、公共サービスの効率性と透明性を向上させるというスリランカの国家的方針と合致しています。このシステムは、CIABOCが事件管理における説明責任と透明性をさらに強化することを可能にします。日本政府の寛大な支援のもと、UNDPは技術支援、国際的ベストプラクティスの共有、そして制度と能力の構築を通じて、汚職防止および誠実性・説明責任の促進に貢献してきました。」

また、鴨志田尚昭 在スリランカ日本国大使館次席公使は次のように述べました。「この新しい事件ファイル追跡システムは、CIABOCの捜査能力をさらに高めるものです。汚職の根絶は、国民の信頼回復だけでなく、外国投資の促進やスリランカ経済の再活性化にもつながります。日本は、スリランカの汚職防止と優れたガバナンスの実現に向けた取り組みを今後も支援していきます。」

本システム導入は、スリランカの公共部門におけるデジタル・ガバナンス改革の一環です。
デジタル技術の導入により、業務の非効率や遅延が削減され、汚職防止のための制度的な防御力が高まります。

今回の取組は、UNDPおよび開発パートナーが支援する一連の改革──電子記録室(e-Record Room)システム、電子調達モニタリングシステム(e-Procurement Monitoring System)、および今後導入予定の電子資産申告プラットフォーム(e-Asset Declaration Platform)──と連携しています。


これらの施策は、国際通貨基金(IMF)の提言である「汚職事件の捜査および訴追体制の強化」にも合致します。また、日本政府およびUNDPは、システムの円滑な運用と持続可能性を確保するため、20万2,000米ドル相当のハードウェア機器を供与し、CIABOC職員への研修を実施しました。これにより、職員が新システムを最大限に活用し、効果的に運用できる体制が整っています。

CIABOCは、独立性・透明性・説明責任を確保しながら、スリランカのデジタル・ガバナンス推進および持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた重要な一歩を踏み出しています。