開発支援が途絶えれば、世界の強制移住問題は深刻化

UNDPは、記録的な避難民の増加をうけ、難民、帰還民、そして受け入れコミュニティが再建できるよう、持続的な投資を呼びかけています。

2025年12月24日
Two people in hijabs inside a tent, seen from behind; white and brown scarves.

アフガニスタンでは、2025年だけで230万人以上が帰還しました。UNDPは、市場の回復から、雇用、医療、教育、エネルギーへのアクセス拡大まで、家族が生活を再建できるよう支援しています。

Photo: UNDP Afghanistan

UNDPは、グローバル難民フォーラム(GRF)進捗レビュー会合(2025年12月15日~17日開催)で、世界の強制移動が記録的な水準にあるにもかかわらず、難民や受け入れコミュニティへの支援が減少している現状に警鐘を鳴らしました。 

UNDPは、基本的サービス、雇用、および各国の国内制度に対し、より強力かつ長期的な投資を行うよう求めました。 

2024年末までに、紛争や気候変動による影響、経済の不安定化により、1億1,700万人が住まいを追われました。その大半は低・中所得国に避難しており、これらの国々は自国の経済的課題に直面しているにも関わらず、高所得国と比べ2.5倍もの難民を受け入れています。 

UNDPは、数十カ国の事例から、学校、診療所、給水網、市場などの復旧に向けた開発投資が、コミュニティを安定させ、緊張を緩和し、安全な自主帰還と社会統合の促進に寄与していることを示しています。

野田章子UNDP危機局長は、次のように述べました。「その場しのぎの短期的な政策では、世界は強制移住に対応し続けることはできません。受入国は、非常に大きな負担を負っています。真の開発支援を行わなければ、世界の強制移住の危機はさらに深まるばかりです。行動が行われないことの代償は、今行動する上でかかるコストよりも遥かに高くなるでしょう。」 

グローバル難民フォーラムは、難民問題に関する世界最大の国際会議であり、「難民に関するグローバル・コンパクト」に基づき、進捗をレビューし、新たなコミットメントを動員するために4年ごとに開催されます。今回の2025年進捗レビュー会合では、各国政府、国際機関、パートナーが2023年に表明した誓約をどのように実行しているかが評価されます。

2024年、UNDPは強制移動の影響を受けた60カ国以上に対し、6億1,800万ドル以上を投資しました。レバノンとトルコでは、雇用・生計向上プログラムが100万人以上を対象に行われました。イランでは、UNDPの支援により、37万3,000人のアフガニスタン難民が同国の医療制度を通じて保健サービスを利用できるようになりました。

しかし、これらの成果は危機に瀕しています。2024年には世界における難民支援への資金拠出が減少し、今年もさらに減少すると予想されています。支援の偏りも深刻です。世界の富のわずか0.6%しか占めない低所得国が、難民の19%を受け入れており、依然として慢性的な資金不足に見舞われています。 

2027年に開催される次回のグローバル難民フォーラムを見据え、UNDPは今後、各国政府、民間セクター、UNHCRとのパートナーシップを拡大し、国内制度の強化、気候変動適応と生計・復興の連携、気候変動対策や開発資金の動員、そして難民の受け入れ、通過地、帰還先のコミュニティでの共同プログラムの規模拡大に取り組む予定です。 

 


 

エイミー・ブラウン: aimee.brown@undp.org 

パトリック・ニコルソン: patrick.nicholson@undp.org 

サラ・ベル: sarah.bel@undp.org 

Source: UNDP, UNHCR