UNDP、トルコ・ハタイ州で地震によるがれきリサイクルのモデル施設を設立
2025年2月5日

毎時500トンの処理能力を持つこの施設は、安全で効果的ながれきリサイクルのモデルとなることが期待
ハタイ発 ー 国連開発計画(UNDP)とトルコ環境・都市化・気候変動省は、ハタイにがれきリサイクルのモデル施設を正式に立ち上げました。この施設は、地震による大量のがれきを安全に管理する方法を示すことを目的とした、日本政府による7億円(483万米ドル)の無償資金協力「地震災害廃棄物の環境上適正な管理及び有害廃棄物の安全な処理計画」の一環として建設されました。ハタイ州とカフラマンマラシュ州に合計2つのがれきリサイクル施設が設立され、地震のホットスポットがある優先順位の高い場所として、ハタイに2台、カフラマンマラシュに1台の移動式がれき破砕機が供給されました。
2025年2月4日に開催した施設の立ち上げを記念した式典には、ミオドラグ・ドラギシッチUNDPトルコ常駐副代表、勝亦孝彦在トルコ日本国特命全権大使、トルコ環境・都市化・気候変動省環境管理局長のファティ・テュラン氏、ハタイ市長のメフメト・オンチュルク氏、ハタイ県知事のムスタファ・マサトゥル氏が列席しました。
2023年2月の地震により、1億立方メートルを超える膨大な量のがれきが発生しました。ハタイでは物理的施設の40%、カフラマンマラシュでは28%が損傷を受けたと推定されています。本プロジェクトは、災害で特に甚大な被害を受けたこれら2つの州で、環境に配慮したがれきおよび有害廃棄物の管理を支援することを目的に実施しています。
この取り組みでは、多様な関係者によるがれきの一時保管場所に関する評価に基づき、がれきリサイクル施設を設置するのに最も適した場所が決定されました。
2024年9月に認可を受けたハタイの施設は、毎時500トンの処理能力を有します。産業規模の破砕機、磁気分離機、ベルトコンベアを備えたこの施設は、がれきを段階的に処理します。まず有害廃棄物を取り除き、その後、金属、繊維、プラスチック、ガラス、木材などのリサイクル可能な物質を分別します。汚染除去された残りの瓦礫は、4つの異なるサイズに破砕され、アスファルトの下の道路の充填材や、舗装ブロックなどに活用されます。
がれきリサイクル作業に関わる作業員の安全を確保するために、安全衛生設備や関連する研修も提供、さらに、ガイドラインや標準操作手順書も作成されました。
これらの取り組みに加えて、公共および環境衛生を守るために、施設のための効果的なアスベスト管理ガイドラインが作成され、がれきの堆積物に含まれるアスベストの事前スクリーニングを行うための機器が調達されました。
また、日本の経験とノウハウ、日本の技術、そして国際的な業務プロセスを伝えるためのワークショップが開催されました。
プロジェクト内のその他の活動には、中央および地方当局と協力し、地域コミュニティと協議しながら、地震によるがれきの全量を環境に配慮して管理・処理するための戦略と行動計画の策定が含まれています。中でも、がれきの量の削減、資源の最大限のリサイクル、そして有害廃棄物の安全な処理に重点が置かれています。
本事業は、トルコが環境に配慮したがれきおよび有害廃棄物管理という大きな課題に取り組むための専門知識、計画、研修、設備の支援を提供しています。