開催報告:UMAC公開サイドイベント 「テクノロジーが切り拓く地雷対策と経済復興」
2025年10月30日
10月23日(木)、国連大学エリザベス・ローズ国際会議場およびオンラインにて、「テクノロジーが切り拓く地雷対策と経済復興」が開催されました。本イベントは、10月22日・23日に東京で開催されたウクライナ地雷対策会議(UMAC)の公式サイドイベントとして国際協力機構(JICA)との共催、外務省後援にて対面とオンラインのハイブリッドにて開催され、地雷対策分野における技術革新・実装を通じた社会経済復興について議論が展開されました。
東京の会場には、UMACに参加した日本政府関係者やウクライナ政府を含む各国代表団のほか、日本やウクライナの民間企業を中心に、地雷対策分野における技術革新に取り組む140名にも及ぶ官民・国際パートナーにお越しいただきました。オンラインでも210名を超える皆様にご参加いただき、持続可能な復興と平和の促進について多様な立場の方々と考え、共創していく機会となりました。
はじめに、イバーナ・ジィブコビッチ 国連事務次長補兼国連開発計画(UNDP)欧州・CIS局長 及び 安藤直樹国際協力機構(JICA)理事より冒頭挨拶をいただいた後、中込正志駐ウクライナ日本国特命全権大使から祝辞を頂戴致しました。祝辞の中で中込大使は、人・技術・ネクサスは地雷除去と復興を加速させる重要な要素であるとし、ウクライナの卓越した技術革新と日本の継続的支援の重要性を述べられました。
また、ウクライナ政府代表として、イホール・ベズカラヴァイニー ウクライナ経済・環境・農業省(MoEEA)副大臣とカテリナ・ドロズド ウクライナMoEEA地雷対策室イノベーション部門長より、ご挨拶をいただきました。イホール副大臣は、地雷除去は安全確保だけでなく経済復興の第一歩であると強調し、ウクライナ発の技術革新と国際協力を通じた「平和のためのテクノロジー」推進の重要性を訴えられました。
「革新から実装へ:社会・経済復興を推進する、安全で効率的な地雷対策の実現」と題するパネル・ディスカッションでは、上石博人氏(JICAガバナンス・平和構築部 専任参事)をモデレーターに、パネリストとしてレヴァ・セルヒー氏(ウクライナ国家非常事態庁(SESU)地雷対策局局長)、オウム・プムロ氏(カンボジア地雷対策センター(CMAC)副長官)、シルバ・モレノ・マウリシオ・ハビエル氏(コロンビア大統領府平和高等弁務官事務所(OCCP)地雷対策グループ調整官)、鈴木聡子氏(日本電気株式会社(NEC)国際協力事業統括部 国際開発支援・アフリカグループ プロフェッショナル)、ラーク・ベンジャミ氏(UNDPウクライナ事務所地雷対策プログラム・マネージャー)の5名に加え、特別ゲストとしてウクライナ企業のロプシェンスキー・ヴィタリー氏(UADAMAGE CEO)と共に、最新技術の導入と国際的な協働の在り方について多角的な議論が行われました。
第一ラウンドでは、ウクライナをはじめとする各国代表が、自国の地雷・不発弾除去における安全性や効率化の取り組み、技術導入の現状について発表し、国際的な協働の重要性を共有しました。続く第二ラウンドでは、日本企業や技術機関から新技術の応用可能性や民間部門の貢献について紹介が行われ、政府・企業・実務機関が連携して現場での安全性と効果性を高める方策が議論されました。そして最終第三ラウンドでは、これまでの議論を通じて得られた知見を踏まえ、地雷除去分野における技術革新の可能性、データとAIの活用、人材育成や安全基準の整備など、今後の国際協力の方向性が展望され、最後にレヴァ氏から現場で実際に地雷・不発弾対策に従事する機関の立場から見た技術導入への期待が改めて示されるとともに、地雷・不発弾対策をしっかりと進めていくことこそがウクライナの復興に欠かせないとの発言がありました。議論全体を通じて、技術革新と多国間連携の融合が、より安全で持続的な地雷対策を実現する鍵であることが確認されました。
イベントの最後には、ハジアリッチ秀子UNDP駐日代表事務所代表が閉会の挨拶として、地雷対策におけるテクノロジーの活用と国境を超えたパートナーシップの意義深さを述べ、本イベントを総括しました。