「Soul of Soil in Tokyo」3日間の関連イベントが閉幕 地雷除去後の復興の象徴として、ウクライナ伝統料理ボルシチを提供
ウクライナ「復興の味」を世界へ
2025年10月30日
ウクライナ人シェフのエウヘン・クロポテンコ氏
2022年のロシアによる全面進行以降、ウクライナでは対人地雷や不発弾などの爆発性戦争残存物(ERW)が広範な地域に拡散し、いまなお市民の命を脅かしており、その影響は国土の約3分の1に及ぶとも推定され、復興や平和構築を阻む深刻な長期的障害となっています。
そのような状況下、ウクライナにおける地雷やERWの問題をより多くの人に知ってもらうべく、UNDPは、ウクライナ経済省(現在のウクライナ経済・環境・農業省)、ウクライナ大手スーパーマーケットチェーンのSilpoと連携し、Soul of Soilという取り組みを現地にて立ち上げました。これまで首都キーウや国際会議の開催地であるジュネーブ、ブラッセル、ニューヨーク等でも形を変えてSoul of Soil関連イベントを開催してきました。
この度、2025年10月22~23日に東京にて開催されたウクライナ地雷対策会議(Ukraine Mine Action Conference:UMAC 2025)に合わせ、国連開発計画(UNDP)は外務省後援のもと、10月21、22、23日の3日間にわたり「Soul of Soil in Tokyo」を実施しました。期間中には、ウクライナ伝統料理ボルシチを通じて、戦禍にあるウクライナの問題を特に、地雷除去が地域の生活と農業、そして希望の再生につながることを国内外へ少しでも多くの人に知っていただけるよう行事は企画され、多くの方々にご参加をいただきました。
UMAC前日の10月21日には、UNDPの招聘により訪日したウクライナの著名シェフであるエウヘン・クロポテンコ氏が講師を務め、地雷除去済みの農地で収穫された食材を使った料理教室を実施しました。UMACに参加する各国代表等、約40名が参加し、ボルシチやハルシュキなどの伝統料理の調理と試食を通じて、復興の物語を分ち合いました。
クロポテンコ氏による地雷除去地からの作物を使った料理教室の様子
ウクライナ人シェフのエウヘン・クロポテンコ氏は、ウクライナ料理に込められた意味について次のように語りました。 「ウクライナの一皿一皿には、勇気の物語が宿っています。それは、農家、地雷除去作業員、そして地域社会が、戦争の困難を乗り越え、土地を取り戻し、再建する決意の証です。地雷除去済みの畑で育った食材を使って料理することは、その物語を世界と分かち合い、ウクライナの強さと精神を称えることなのです。」
UMAC開催日であった10月22日、23日には、東京国際フォーラム、渋谷区文化総合センター大和田、国連大学前の3会場にそれぞれキッチンカーを展開し、地雷除去済みの畑で育った食材を一部使用したボルシチを無料提供しました。会場には多くの来場者が訪れ、用意した500杯以上のボルシチがすべて提供終了となるなど、大きな反響がありました。来場者は料理とともに、地雷問題の現状や被害を伝える展示やクロポテンコ氏によるトークセッションを通じて、ウクライナの復興と安全な大地の再生の重要性に理解を深めました。
クロポテンコ氏トークセッション(東京・渋谷区)
「Soul of Soil」は、単なる危険物除去ではなく、農業を取り戻し、人々の暮らしと尊厳を回復する営みとしての地雷対策を発信するUNDPとウクライナ政府の共同イニシアチブです。
今回の東京での開催は、多くの人々がウクライナや世界中の紛争地における地雷の問題を「食」を媒介として、自分ごととして捉える機会となったと心より願っております。
背景
現在、ウクライナの戦争被害地域の約23%にあたる推定137,000平方キロメートル(うち13,500平方キロメートルは水域)が、爆発性戦争残存物(ERW)による深刻な汚染リスクにさらされています。この汚染は農業を妨げ、生計を脅かし、地域社会に深刻な危険をもたらしています。
こうした中、調整された地雷対策の取り組みにより、2023年初頭以降、汚染地域はすでに37,000平方キロメートル削減されています。UNDPは、ウクライナにおける包括的な5年間の地雷対策プログラムを通じて、ERW汚染による人道的・経済的影響に対応するための国家能力強化を支援しています。具体的には、国家当局による国家地雷対策戦略や基準の策定を支援するとともに、地元の地雷除去チームへの訓練や装備の提供も行っています。
UNDPは、日本、ベルギー、デンマーク、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、大韓民国、スペイン、スウェーデン、欧州連合を含むパートナーの支援に深く感謝します。こうした支援により、ウクライナでの地雷対策が可能となっています。
イベントの様子はこちらから
