開催報告:特別公開イベント「ウクライナの復興に向けた包括的な経済成長と民間セクターの役割」

2024年2月26日
Photo: UNDP Tokyo / Ken Katsurayama

国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所は、日本貿易振興機構(ジェトロ)との共催で、2月20日(火)に「ウクライナの包括的な経済成長と復興に向けた民間セクターの役割」と題した公開イベントを、国連大学エリザベス・ローズ国際会議場(参加者約100名)とオンラインによるハイブリッド形式(参加者約130名)で開催しました。

はじめに、片岡進JETRO副理事長による開会の挨拶が行われたのち、ご来賓である日本ウクライナ友好議員連盟会長を務める森英介衆議院議員と、岩田和親経済産業副大臣による祝辞を頂戴致しました。

次に、イバーナ・ジィブコビッチ国連事務次長補兼UNDP欧州・独立国家共同体(CIS)地域局長とUNDPウクライナ事務所の横井水穂プログラムマネージャーにより「戦争によるウクライナ中小企業への影響に関するアセスメント」と題する発表が行われました。ジィブコビッチ局長は、ウクライナの持続可能な経済復興には日本との協力が不可欠であるとし、政府、国際社会、そして民間セクターとの連携の重要性について述べました。続いて横井がUNDPウクライナにより最近作成された報告書に基づき、ウクライナの経済復興へのUNDPの戦略的アプローチとSMEs(中小零細企業)のニーズについて報告し、復興を加速するにはこういったニーズに即した戦略的・包括的な支援が必要であると強調しました。

さらに、パネリストとしてウォロディミル・クジヨ氏(ウクライナ経済副大臣)、ゲンナディ・チジコウ氏(ウクライナ商工会議所会頭)、アンドリー・ドリガチ氏(キーウ国立大学教授)、岡部芳彦氏(ウクライナ研究会会長)、柴田哲男氏(JETROワルシャワ事務所次長)の5名をお招きし、ハジアリッチ秀子UNDP駐日代表をモデレーターとして、ウクライナの経済復興に関するパネルディスカッションを行いました。

パネルディスカッションでは、政府や民間セクター間のパートナーシップを通じたウクライナの力強い経済復興に焦点が当てられ、特に、デジタル化やグリーンテクノロジーの進展、人的資本の育成、中小企業の競争力向上などが、ウクライナ経済の持続的な繁栄に極めて不可欠であるとされました。さらに、ウクライナのビジネス機会や経済の強靭性に関する議論や、既存の日本・ウクライナのビジネスパートナーシップの強化と新たな連携の構築についての議論も行われました。全体を通して、復興に向けた日本との戦略的な協力の重要性が指摘され、「Build Back Better(よりよい復興)」という言葉が繰り返し強調されました。

最後に、ハジアリッチ秀子UNDP駐日代表より閉会の挨拶が行われました。ハジアリッチは、ウクライナの経済復興に向け、ビジネスモデルの刷新、人的資本やSMEsの競争力向上が重要になると述べ、本イベントを総括しました。