条件が整えば、ガザ地区の瓦礫除去は7年でほぼ可能に

安全な除去は復興に不可欠

2025年12月10日
Dusty street scene with a yellow bulldozer, a blue truck, and groups of people amid rubble.

UNDPの瓦礫除去はガザにとって、復興への長い道のりに向けた極めて重要な一歩です。

Photo: UNDP PAPP

ガザでは、2年にわたる激しい戦闘の末、現在は不安定ながらも停戦が続いており、持続可能な和平に向けた新たな展望が生まれています。パレスチナの市民、特に女性と子どもは、負傷や飢餓で命を落とし、食料や健康、水、住まい、教育といった基本的人権を剥奪され、紛争の最大の被害を受けています。

戦争が続く間、国連開発計画(UNDP)は現地に留まり、清潔な水や緊急雇用、適切な廃棄物処理、医療物資、一時避難所、市民社会団体への支援を提供しました。 

しかし、ガザは現在、世界で最も荒廃した場所の1つになっています。学校から病院、民家に至るまで、建物の80%以上が半壊または全壊しています。水源は汚染され、ガザの植生も甚大な被害を受けています。国連が人道支援を進める中、復興に向けた長い道のりの各段階について計画することが極めて重要となっています。UNDPは、ガザの再建には数十年を要するおそれもあると見ています。 

国連は最近の衛星画像に基づき、ガザ地区全体の破壊によって6,100万トンの瓦礫が発生したと見ており、これが復興に向けた未曽有の障壁となっています。 

この瓦礫の除去は、長期的復旧・復興の前提条件です。また、人々の暮らしと地域経済を回復し、病院や学校を再開し、人道支援パートナーによるコミュニティへの救命援助の提供を可能にするための最初の一歩でもあります。 

市民のニーズに見合う形でガザを再建するためには、支障のないアクセスが引き続き欠かせません。 

UNDPは瓦礫の回収から粉砕、リサイクルに至るまで、包括的なフルサイクル・アプローチを採用し、瓦礫を再建のための資源として活用できるようにしています。粉砕された瓦礫はすでに、道路を均したり、一時避難所を設ける平場を造成するための資材として使われています。冬が近づき、大雨や洪水が起きるようになると、その重要性はさらに高まります。ガザ全域のコミュニティや個人、そして事業者から、数百件に及ぶ瓦礫の粉砕処理に関する緊急支援要請が寄せられています。 

UNDPはガザで幅広い経験を積んできました。これまで2009年、2014年、2021に起きた紛争では、UNDP主導の取り組みによって、280万トンを超える瓦礫が除去されました。 

2025年1月以来、UNDPチームは激しい戦いが続く中で、12万トンを超える瓦礫を除去しています。また、停戦からわずか1か月以内で、5万トンを超える瓦礫の除去という成果も挙げています。これは活動の急激かつ大規模な拡大を反映しています。

Rubble-strewn landscape with scattered debris under a blue sky.

ガザは世界で最も荒廃した場所の1つです。建物の80%以上が半壊または全壊しました。

Photo: UNDP PAPP

コミュニティレベルでは、この活動がすでに、住民の生活を一変させています。 

NGOワールド・セントラル・キッチンのアウトリーチ・チームのメンバー、アハメド・ザーネイ氏は次のように語ります。「私たちはガザ地区で炊き出し所の一つであるハヤー・キッチンを運営しています。ガザの人々に温かい食事を提供するのが、私たちの主な目標です。この場所は空き地でしたが、今では組織的な炊き出し所として機能しています。UNDPは炊き出し所までの道路だけでなく、この敷地自体も粉砕瓦礫で舗装することで、私たちを支援してくれました。こうした取り組みのおかげで、炊き出し所へのアクセスが可能になり、今では1日8万食を提供できるようになりました。今後はこれを15万食に増やすことを目指しています。」 

ガザでは甚大な被害と大量の不発弾に加え、激しい軍事作戦の結果、多数の人々が今も瓦礫に埋もれたままになっています。 

尊厳ある形でその遺体を回収するためには、慎重かつ専門的な配慮が必要となります。UNDPは国連地雷対策サービス部(UNMAS)との連携により、瓦礫除去作業に先立ってリスクアセスメントを実施する一方で、請負業者と作業員に爆発物関連の訓練を施し、安全性を確保しています。 

瓦礫には爆発物やアスベスト、産業副産物、医療廃棄物も混ざっていることが多いため、健康や環境上の大きな危険も伴います。UNDPと国連環境計画(UNEP)はガザ瓦礫管理作業部会の共同議長を務め、各機関の協調的な対応を確保しています。 

アルアマル・Gブロック・キャンプ住民委員会の委員長を務めるマフムード・クラブ氏は「このキャンプにはおよそ15万人が暮らしていますが、私たち全員がUNDPの支援を受けています。UNDPはこの地域の瓦礫を除去した後も、道路の再開や給水車サービスの提供によって、私たちを援助してくれました。その取り組みのおかげで、パレスチナ赤新月病院とナセル病院を結ぶ主要道路が再び使えるようになり、あらゆる地域住民に不可欠な生命線が確保されています」 と語ります。 

最近のUNDPによる取り組みとしては、ハンユニスのナセル病院につながる主要道路の再開に貢献しました。 

Photo: Construction worker in blue vest points toward a bulldozer on a dusty demolition site.

UNDPはガザ市アッラシード通りにつながる道路の瓦礫除去を。戦争によって6,100万トンの瓦礫が生じ、その除去と粉砕、再利用が急務となっています。

Photo: UNDP PAPP

2024年9月の国連による被害調査によると、瓦礫全量の除去と再利用には最大で20年を要し、その費用は9億900万米ドルにも上るおそれがあります。 

一方、現地に展開するUNDP技術チームは現在、条件が整いさえすれば、ほとんどの瓦礫は7年以内に除去できると見ています。そのためには、優先地域への支障のないアクセス、重機や特殊装置の使用許可、一貫した燃料の搬入、そして何よりも、安定的な作業環境が必要です。 

UNDPの試算によると、この7年という目標を達成できるペースで取り組みを進めるためには、現時点で1億1,000万ドルが必要です。今週はUNDPのアルアマル粉砕施設で粉砕作業が加速しており、写真の粉砕機で1日1,000トンの瓦礫処理が見込まれています。 

Construction site with large orange machinery, a conveyor, and gravel piles under a blue sky.

粉砕瓦礫は道路の舗装や一時避難所向けの平場の造成に用いられています。冬が近づく中で、この作業の重要性はさらに高まっています。

Photo: UNDP PAPP

「国連が人道支援を続ける中で、この紛争ですべてを失ったパレスチナの人々が安全や尊厳、安定、そして機会を取り戻せるようにするには、さらに長い道のりが残っていることを認識しています。UNDPは引き続き、パレスチナの人々を支援できる準備を整え、人々の生活と生計の回復に向けた国際社会からの継続的な支援を求めます」 – 徐浩良(シュウ・ハオリヤン)UNDP総裁代理(当時)

UNDPはガザ全域で、瓦礫の除去と処理作業を直ちにスケールアップする態勢を整えるとともに、この課題に立ち向かうための詳細な作業計画を策定しています。