UNDP、アフリカ諸国のソブリン信用格付け向上に向けた技術的能力強化を通じ、より適正な資本アクセスの改善を促す協議を実施
2026年3月24日
ニューヨーク発 ― 国連開発計画(UNDP)は2月11日と12日の2日間、ニューヨークで政府高官、格付け専門家、開発パートナー、外交代表団との協議を行いました。本協議は、アフリカ諸国がより手頃な条件で資金にアクセルできるよう、アクセスの改善を強化するものです。
UNDPのソブリン格付け専門家協議会は、ムーディーズ、S&P、フィッチ・レーティングスのグローバル格付け大手3社、複数の国連機関、UNDPの各国・テーマ別チーム、および本イニシアティブの実施パートナーの代表者らと技術的な議論を行いました。一連の協議は、アフリカ諸国の国連常駐代表に向けた外交ブリーフィングをもって締めくくられました。
2024年に開始されたアフリカ信用格付けイニシアティブは、三つの主要要素から構成されています。第一に、ツールやガイダンスへのアクセスを提供し、制度的な準備体制の強化を支援する「アフリカ信用格付けリソース・プラットフォーム」、第二に、専門的な知見と助言を提供するConcilium、第三に、参加国やパートナー間で継続的な知識共有と相互学習を促進する実務コミュニティです。
UNDP のアフリカにおけるソブリン格付けへの関与は 2002 年にさかのぼり、当時 UNDP は S&P と提携して、アフリカ諸国が初めて信用格付けを取得することを支援しました。現在のイニシアチブ開始以降、UNDP は 18 のアフリカ諸国の政府関係者 260 名以上に対し、能力構築ワークショップを通じて支援を提供しており、また一部の国には需要に応じた個別の技術支援も実施しています。
今回の議論では、各国自身の主体性、技術的理解の向上、そして格付け機関との継続的かつ協調的な関与の重要性が強調されました。参加者からは、UNDPの国事務所および政府による共同資金拠出が取り組みの継続性を支える役割を果たしているとの声が上がりました。また、格付け機関の代表者からは、UNDP が各国政府に対し、格付け基準や評価プロセスへの理解を深める支援を行っている点について、前向きな評価が示されました。
UNDPアフリカ局長を務めるアフナ・エザコンワは、ビデオメッセージの中で、ソブリン信用格付けは単に各国が借入できるかどうかだけでなく、「どの程度のコストで、どの程度の資金を借りられるのか」を決定するものであり、国家予算や長期的な投資能力を根本的に形作るものであると強調したうえで、次のように語りました。「UNDPは、ソブリン格付けを、開発のための重要な資金動員手段として位置づけており、SDGsおよびアフリカ連合の『アジェンダ2063』を推進する原動力であると捉えています。戦略的に活用されれば、信用格付けは開発変革のための有効な手段となり得ます。本イニシアティブに対する評価は好意的であり、すでに複数の国から2026年に向けた支援の要請が寄せられています。」
御巫智洋 国連日本政府代表部次席常駐代表 (特命全権大使)は、日本政府がアフリカ開発会議(TICAD)のプロセスを通じてアフリカ諸国を支援してきたことを強調し、次のように述べました。「2025年のガーナ、および2026年のケニアで見られた主権信用格付けの改善は歓迎すべき発展であり、これらの国々が継続的に進めてきた政策努力を反映したものです。日本政府は、アフリカ諸国における主権信用格付け能力の強化に向けたUNDPの取り組みを高く評価しており、今後も支援を継続していく考えです。」
国連に駐在する15以上のアフリカ諸国の常駐代表部も本イニシアティブを高く評価し、信用格付け能力の強化に向けたさらなる支援を求めました。同様の見解は、オンラインで協議に参加したコートジボワール民主共和国の財務省戦略・報告局長のアグネロ・ボスマン氏からも共有されました。同氏は2025年以降、本イニシアティブに積極的に関与しています。
過去1年間で、ガーナ、ケニア、コートジボワールのソブリン信用格付けは引き上げられており、信用格付け機関との継続的な関与の重要性が改めて示されています。直近では2026年1月、ムーディーズがケニアの外貨建て長期ソブリン格付けをCaa1からB3へ引き上げました。これは、同国の流動性状況の改善し、短期的なデフォルトリスクが減少したことを反映したものです。
ケニア財務省国家財務局のダニエル・ンドロ債務政策・戦略・リスク管理局長は、ビデオメッセージの中で次のように述べました。「ケニアにとって、主権信用格付けは公共資金調達コストを左右する極めて重要な要素であり、ひいてはインフラ投資、社会保護の拡充、公共サービスの提供、さらには経済変革を持続させることが実現できるかどうか決定づけるものです。今後、ケニアは信用格付け機関との関与を体系的かつ持続可能に進める枠組みの構築を進めていきます。アフリカ大陸全体での継続的な協力と知見の共有を期待しています。」
2026年には、本イニシアティブは支援対象国を拡大し、格付けを既に取得している国および未取得の国の双方に対して、シャドー格付け分析、レビュー前の研修、ニーズ評価など、各国の需要に応じたさまざまなサービスや技術支援を提供していく予定です。ソブリン信用格付けと国内資本市場の連携強化の重要性を踏まえ、国内信用格付けへの新たな支援も導入される予定です。
本イニシアティブは日本政府の支援を受けており、アフリカ連合のアフリカ・ピア・レビュー・メカニズム(アフリカにおける相互審査システム)、国連アフリカ経済委員、アフリカ経済変革センター、およびAfriCatalystとのパートナーシップにより実施されています。また、今回の協議には、国連貿易開発会議、国連アフリカ特別顧問事務所、国連資本開発基金、国連経済社会局と、国連南南協力事務所も参加しました。
開会セッションにて。UNDPアフリカ局副地域局長アイサタ・デと、Conciliumアドバイザーのケルビン・ダルリンプル氏(左)
外交ブリーフィングに出席した国連駐在アフリカ諸国常駐代表の一部