開催報告:Youth TICAD Reunion Cocreation Dialogue 2026

2026年9月17日
Banner: Youth TICAD Reunion Co-creation Dialogue; Africa silhouette on left with leafy border.
概要

イベント名: Youth TICAD Reunion Co-creation Dialogue 2026
開催日:2026年8月23日(日)17:00-20:00
共催:AAYN、ADNJ、JICA、UNDP
会場:オンライン
参加者: Youth TICAD参加者、Youth Agenda2055の策定プロセス関係者、日アフリカ共創に興味のある若者  

「Youth TICAD Reunion Cocreation Dialogue 2026」をオンラインにて開催しました。本イベントは、第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)のフォローアップ、そしてTICAD10へ向けた機運醸成の一環として、国連開発計画(UNDP)、国際協力機構(JICA)、Africa Asia Youth Nest(AAYN)、 Africa Diaspora Network Japan(ADNJ)の共催により実施されました。

本イベントでは、昨年のTICAD9にて提出された政策提言Youth Agendaの策定から社会実装への移行期における「若者の活動状況の二極化」や「継続的なフォローアップ体制の不足」に着目し、日アフリカの若者による自立的かつ持続可能なアクション基盤の構築に向けた議論が行われました。特に、TICAD9後に自らプロジェクトを起こしたユースらによる取組の共有による実践知の獲得、ディスカッションを通じたアイデアの共創、そして協働プロジェクト発足に向けたネットワーク形成が主な論点となりました。

当日は、過去のワークショップからTICAD当日までの多様なユース世代が集うプラットフォームが形成されました。日本とアフリカ双方のユースによる主体的な課題解決の契機が創出されるとともに、TICAD閉幕期間においても途切れることのない日アフリカ共創の恒久的基盤を確立することの重要性が示されました。


 
開会挨拶

開会に際し、英利アルフィヤ外務大臣政務官よりビデオメッセージが寄せられました。冒頭、TICAD9のテーマ別イベント「Youth Drive」で示された日アフリカ双方のユースによる情熱やリーダーシップに深く感銘を受けた旨が述べられ、約900名の議論を結集した「Youth Agenda 2025」の策定から1年が経過した今もなお、その勢いを前進させ続けている参加者の主体的な取り組みに高い評価と賞賛が贈られました。また、アフリカ10か国からの高校生受入れ(247名)や日本の大学生のアフリカ派遣(72名)など、日本政府としてもTICAD9の理念に基づき双方向の交流事業を着実に推進している実績が紹介されました。

続いて、ユース世代が描くビジョンこそが現代の諸課題を打開し、世界の未来を切り拓く原動力であるとの力強いメッセージが発信されました。2027年のTICAD閣僚会合および2028年のTICAD10を見据え、日本政府として次世代の共創を継続して後押ししていく姿勢が示されるとともに、参加する若者たちの情熱と独創性、そして確固たる意志によって本イベントが実り多いものとなり、日・アフリカの輝かしい未来が共創されることへの強い期待が表明されました。

Professional woman in a brown blazer speaks before a Japanese flag.

英利アルフィヤ外務大臣政務官によるビデオメッセージ

UNDPによるTICADに関する活動の紹介

国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所TICADインターンの結城より、TICADの枠組みにおけるUNDPの具体的な取り組みが紹介されました。UNDPが2024年度より実施している「模擬アフリカ連合会議(Model AU)」を通じた実践的な外交シミュレーションをはじめ、日本企業のアフリカ市場参入を後押しするビジネスセミナーや、有識者・実務者を交えた対話型パネルイベントAFRI CONVERSEなど、TICAD9のフォローアップと機運醸成に向けた多角的な活動が共有されました。また、インターンシップやアンバサダー活動など、若者が主体的に参画できる具体的な機会が提示され、次世代の積極的な関与に対する期待が示されました。

AAYN、ADNJによるYouth TICADの振り返りとTICAD Youth Initiativeの紹介

Asia Africa Youth Nest (AAYN)共同代表である休場氏からは、2024年から取り組まれているYouth TICADの活動紹介が行われ、イベントにあたりYouth TICADの認識を一致させるプレゼンが行われました。初めに、日アフリカが共創する意義や、新たなCo-Creation Modelをユースが引っ張っていくことの重要性について語られるとともに、昨年のTICAD9における活動の振り返りとそのインパクトについ紹介されました。また、この勢いを止めずに政策提言書で示した2055年に描く未来を実現するための新たな取組と今後の方針についても紹介され、ユースが今後進んでいく未来についての共有がされました。

TICAD9後に活動を起こしたユースによるプレゼンテーション

本イベントのメインプログラムとして、TICAD9の際に行われたYouth TICAD参加後に自主的な活動を開始した日・アフリカのユース10名が登壇し、TICADでの学びが現在の取り組みにどのように結びついているかを発表しました。

「同世代のアフリカの仲間と直接議論できたことが大きな学びになった」「日本の若者の挑戦に刺激を受け、自分も地域の課題解決に貢献したい」といった声が寄せられ、冒頭から活気ある雰囲気で議論が進みました。登壇者の一人は、Youth TICADの運営として参加した経験をきっかけに、友人とともに始めたザンビアの難民キャンプで柔道を通じた教育活動について紹介しました。また別の登壇者は、Youth TICAD内のピッチプログラムで提案したアイデアを実際に現地で実装した取り組みを発表し、若者が主体となって社会課題に向き合う姿勢を示しました。

こうした具体的な事例から、多くの学生がYouth TICADを通じて得た気づきをこの一年で行動に移し、社会に確かなインパクトを生み出していることが明らかになりました。本発表は、物理的な距離や心理的な壁にとらわれず、一歩踏み出すことで誰もが共創の担い手になれるという実感を参加者にもたらし、次の行動を起こすきっかけとなりました。

Collage of diverse professionals' headshots in a grid with name captions.

プレゼンテーションを行ったユース

ディスカッションセッション「未来を逆算してみよう:2055年に向けた日本・アフリカ関係はどうあるべきか」

イベント後半では、TICAD9において日アフリカのユース延べ1000名の知見を結集して策定した政策提言書『Youth Agenda 2055』を起点とし、2055年に目指すべき望ましい関係性の実現に向けた道筋をバックキャスティング形式で議論しました。参加者はランダムに分かれた少人数グループに分かれ、多角的な視点から活発な意見交換を展開しました。

いくつかのグループでは、産業連携や技術移転を支える教育・人材育成のあり方について検討がなされました。高等専門学校をはじめとする専門教育機関におけるアフリカ人留学生の受入れ拡大が提言され、アジア地域にとどまらずアフリカの若者にも実践的な技術教育の門戸を広げることが、将来的な日本企業のアフリカ進出を担う高度人材の育成や持続的な技術協力の基盤になるとの認識が共有されました。

さらに、首脳・政府間レベルにとどまらない若者や教育機関、地域コミュニティ主導の多層的な草の根外交の重要性について討論しているグループもありました。現地における日本語学習環境の不足といった「言語・文化の壁」を克服すべく、双方向の人的往来や音楽・芸術を通じた心の通い合う文化交流を深めることで、各国の文化的文脈を尊重した強固で互恵的なパートナーシップを築いていく必要性が示されました。

Sack Omiによる活動紹介

一般社団法人Sack Omi 共同創設者CEO ウスビ・サコ 氏と事務局の平野氏からは、一過性のイベントに留まらない子どもやユース、地域社会を巻き込んだ持続的な日・アフリカ共創の実践モデルが紹介されました。一方的な「支援」から対等な「共創」への転換が求められる中、子どもを単なる支援対象ではなく「未来のステークホルダー」と捉え、彼らが自由な発想で描く絵を社会への「パブリックコメント」として受け止める取り組みが共有されました。

本取組みはYouth TICADの活動とも深く連動し、ユースが子どもたちと未来を共に探求しながら、自身の提言やアクションを再考する契機を提供します。今後は日本国内の教育現場や地域社会での共有にとどまらず、JICA海外協力隊等との連携を通じてアフリカ現地や出身国との繋がりを深め、UNDPやJICAとも協議を重ねながら次世代へ希望を繋ぐ共創基盤を構築していく方針が示されました。

まとめ

本イベントでは、Youth TICADから1年間の歩みとユース主導による具体的なアクション事例に加え、2055年を見据えた日・アフリカ関係の展望や次世代を巻き込む新たな共創について、ディスカッションや交流を通じて活発に共有されました。参加した日・アフリカ双方のユースにとっては、先行して社会実装を進める同世代の実践経験や課題意識が貴重なヒントとなり、国境やセクターを越えて互いのアイデアを磨き合い、協働に向けたパートナーシップを築く有意義な対話と共創の場となりました。

Youth TICADに関わる各プラットフォームや支援機関は、今後も強固な連携体制を維持し、日・アフリカの未来を担うユースのために、実践的な対話機会の創出、草の根ネットワークの強化、そして具体的なアクションの社会実装支援を通じて、持続可能な共創基盤をさらに深化させていく予定です。

Multi-user video conference with dozens of participants in grid tiles on a blue-themed interface.
Group video conference grid with multiple participants in individual tiles.

閉会式での集合写真