対話から行動へ:キルギスのオシュ市にて気候と災害リスクに関するワークショップを開催

2025年9月4日
A diverse group of people posing together in a conference room with a presentation backdrop.

オシュ市での気候と災害リスクに関するワークショップにて

Photo: Armen Chilingaryan

国連開発計画(UNDP)はキルギス共和国において3日間のミッションを実施し、その締めくくりとしてオシュ市におけるワークショップを開催しました。この取り組みは、日本政府の支援のもと実施中の「中央アジアにおける災害リスク及び気候変動に対する都市強靭性向上計画」の一環です。

このミッションは、アザマト・マンベトフ キルギス共和国非常事態省第一副大臣とのハイレベル会合から始まりました。マンベトフ第一副大臣は、同国が備えと強靭性を強化する決意を強調し、次のように述べました。「キルギス共和国は、この地域で最も災害リスクの高い国の一つです。我々の政府は、災害リスク削減と気候変動を開発戦略に統合することを優先し、人々の命と生活を守るための重要なツールとして早期警報システムを推進しています。特に、UNDPがイシク・クル地域でAIを活用した早期警報システムを試行した成功事例は、オシュ市にも普及させることができ、市が革新的なアプローチを取り入れて活用し、災害に対する強靭性を強化できるようになるでしょう。」

 

A man speaking at a conference table with a water bottle and microphones visible.

アザマト・マンベトフ キルギス共和国非常事態省 第一副大臣

Photo: UNDP in the Kyrgyz Republic

同時に、オシュ市役所もこの支援が市の長期的ビジョンにとって重要であることを強調しました。アディレット・シャルシェナリ・ウウル オシュ市 第一副市長は、「都市の強靭性に関するUNDPのプロジェクトは、2030年までのオシュ市の新しい社会経済開発及び社会保護プログラムを準備するこの時期に、特にタイムリーなものです。私たちは共に、より強固な早期警報システムを含む災害・気候レジリエンスを、オシュ市の持続可能な未来に組み込んでいきます」と述べました。

アレクサンドラ・ソロビエワUNDPキルギス常駐代表は、強靭性構築は国家の優先事項と地域社会の現実に根ざすべきだと強調し、「キルギスにとって、気候と災害リスクへの強靭性構築は、喫緊かつ不可欠なものです。UNDPキルギス事務所は、すでにオシュ市において災害リスク削減と気候変動適応を統合する具体的なステップを開始しています。この最初のステップは国家および地方自治体の支援と、UNDPチームの強いコミットメントによって実現しました。オシュ市で得られた教訓は、地域社会に利益をもたらすだけでなく、都市の強靭性に関する地域協力を推進する上でのキルギスの役割を強化することにもつながります」と述べました。

A group of people seated around a conference table, discussing, in a bright room.

アレクサンドラ・ソロビエワUNDPキルギス常駐代表

Photo: UNDP in the Kyrgyz Republic

このミッションは、非常事態・災害リスク削減センター(CESDRR)と協催のもと、オシュ市での終日ワークショップで締めくくられました。開会の挨拶は、UNDP、日本国大使館、オシュ市役所、そしてキルギス共和国非常事態省から行われました。

鈴木弘之 在キルギス共和国日本国大使館 参事官は、「このプロジェクトは、日本政府の支援のもと、UNDPによって実施されています。中央アジアは、洪水、土石流、地震といった自然災害にしばしば見舞われますが、これらは気候変動によってさらに悪化しています。こうした状況を踏まえ、日本政府はUNDPとの連携のもと、都市の強靭性を強化するための取り組みを支援することを決定しました。このプロジェクトが、この地域が直面する共通の課題に取り組む一助となることを確信しています」と述べました。

A man with short hair participates in a video call displayed on a large screen.

鈴木弘之 在キルギス日本国大使館 参事官

Photo: Armen Chilingaryan

オシュ市でのワークショップでは、2026年までの市の社会経済開発計画、災害リスクプロファイルの草案、都市計画にリスク管理を統合するための自己評価ツールが紹介されました。参加者はこのツールを実際に活用し、予測演習を行い、備えにおけるギャップや優先すべき対策を特定しました。 これらの活動を通じて、関係者はオシュ市の現在の防災の状況を評価し、脆弱な点を洗い出し、災害リスク削減と気候変動対策における優先施策を明確にすることができました。議論の結論として、ワークショップの成果をフォローアップし、市の開発戦略に災害及び気候変動への配慮を組み込むことを確実にするための作業部会による行動計画の草案がまとめられました。

キルギスの地域協力におけるリーダーシップ

このプロジェクトは地域全体を対象としており、カザフスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンでも活動が行われています。今回のオシュ市でのミッションは、キルギスが中央アジアにおける災害リスク削減の協力体制を方向づけ、推進していく上で重要な役割を担うことを改めて確認しました。

サルドル・コディロフ UNDPイスタンブール地域センター 地域プロジェクト・マネージャーは、「都市強靭性向上プロジェクトは、単に災害リスクを減らし気候変動に適応するための取り組みではなく、オシュ市やキルギスの他の都市の持続可能な発展のための戦略的ツールです」と述べました。

教訓

オシュ市でのワークショップは、UNDPが日本政府の支援のもと実施している、中央アジアにおける災害リスク及び気候変動に対する都市の強靭性向上プロジェクトにおける初期の重要なマイルストーンとなりました。パイロット事業は、カザフスタンのペトロパブロフスク市、キルギスのオシュ市、タジキスタンのドゥシャンベ市、トルクメニスタンのアシガバット市、そしてウズベキスタンのナマンガン市で展開されており、各国での実施、地域協力、そして都市計画における革新的アプローチを推進しています。

本プロジェクトは、仙台防災枠組及びパリ協定を基盤としており、キルギス共和国が開発ビジョンの一環として災害と気候リスクに対応できるよう支援しています。これにより、オシュ市のような地域社会が将来災害に直面しても、より安全で、より強靭になるよう取り組みが進められています。

さらに、このミッションは国家及び地域のパートナーが果たすべき役割について重要な教訓を示しました。国の関係機関及びUNDPキルギス事務所の重要な貢献を認識し、それを可視化する必要性があるという、明確な結論を得ました。

参考情報

中央アジアは5か国にまたがり7,500万人が暮らす地域で、気候変動および災害リスクの増大に直面しています。洪水や土石流が最も頻発する災害である一方で、地震、地すべり、氷河湖の決壊は人口密集地域を脅かしています。さらに、工業事故や有害廃棄物処理場といった人為的リスクも加わり、大気汚染によって世界で最も汚染が深刻な都市のいくつかが生まれています。気候変動はこうした脆弱性を加速させ、極端な気象の頻発や降水パターンの変化を引き起こし、特に都市部での強靭性を損なっています。

キルギス共和国は、その国土の90%以上が標高1,500メートルを超える山岳地帯に位置しており、災害リスクが特に高い国です。3,000以上の氷河湖が突発的な決壊洪水の危険をはらみ、頻発する土石流や地すべりが農村や都市の地域社会を脅かしています。また、地震リスクも国が地震活動の活発な地帯に位置しているため非常に高いものです。同時に、オシュやビシュケクにおける急速な都市化は、人々を大気汚染、不十分なインフラ、気候変動による災害の脅威にさらされるリスクが高まっています。

UNDPは貧困や格差、気候変動といった不公正に終止符を打つために闘う国連の主要機関です。170か国において、人間と地球のために総合的かつ恒久的な解決策を構築すべく、様々な専門家や連携機関からなる幅広いネットワークを通じ支援を行っています。

詳しくは undp.org をご覧いただくか、@UNDPKG をフォローしてください。