日ウクライナ技術共創 -ウクライナ企業20社が日本で切り拓く新たな可能性
2026年10月12日
ステージ上段(左から):企業代表者、ゲンナディ・チジコウ ウクライナ商工会議所会頭、大隅洋 駐ウクライナ日本国特命全権大使、ナタリア・デニケエワ ウクライナ・デジタル変革副大臣、アンドリー・テリューパ ウクライナ経済・環境大臣顧問、ミオドラグ・ドラギシッチ UNDPウクライナ常駐副代表、服部修 JICAウクライナ事務所長、企業代表者。ステージ下:ウクライナ参加企業の代表者12名。
キーウ発 – ウクライナのテクノロジー企業20社が、2つのビジネスミッションに参加するため、日本へ向けて出発します。今回のミッションでは、自社の技術やソリューションを紹介するとともに、日本企業との新たな連携やパートナーシップの拡大を目指します。
国連開発計画(UNDP)ウクライナ事務所は、参加企業が日本市場への理解を深め、日本企業に自社の技術やソリューションを効果的にアピールできるよう、一連の研修を通じて渡航に向けた準備を支援しました。研修プログラムの締めくくりには、以下の2つのビジネスミッションへの出発を前に、壮行会が開催されました。
- 国際協力機構(JICA)がウクライナ・デジタル変革省と連携して実施する「日本ウクライナ産業共創促進情報収集・確認調査」の一環として開催される日・ウクライナ ビジネスマッチング。
- ウクライナ経済・環境省が主導する、神戸で開催される日本・ウクライナテックフォーラムおよび東京で開催されるCEATEC(Combined Exhibition of Advanced TEChnologies)へのビジネスミッション。
渡航に向けた事前研修では、ウクライナ経済・環境省が日本のビジネス環境に関するセッションを実施しました。また、UNDPは、日本企業への自社の技術やソリューションの効果的な紹介方法や、協力先となる企業との関係構築、ビジネスパートナーシップの発展に向けた実践的なアドバイスを提供しました。
今回の取り組みは、ウクライナ企業の日本市場への参入と国際的なパートナーシップ構築を後押しする、UNDPの継続的な活動の一環です。UNDPはこれまでにも、日本政府の資金協力のもと、ウクライナ商工会議所(UCCI)および日本貿易振興機構(JETRO)と連携し、ウクライナ企業が日本市場の特徴や商習慣を理解し、日本への輸出機会を探るための実践的なガイドを作成しました。
大隅 洋 駐ウクライナ日本国特命全権大使は、両国間のビジネス関係の強化に向けたウクライナ側関係者の継続的な取り組みに謝意を表し、次のように述べました。「日本が培ってきた豊富な経験や専門知識は、ウクライナ企業のさらなる成長や技術開発に貢献できる一方、ウクライナ企業が持つイノベーションと困難な状況にも柔軟に対応する力は、日本企業に新たなビジネス機会をもたらす可能性があります。こうした互いの強みを生かした協力には大きな可能性があり、今回のビジネスミッションが、両国にとって実りある長期的なパートナーシップの構築につながることを期待しています。参加されるすべての企業の皆様が無事に日本へ渡航され、大きな成果を収められることを願っています」
ゲンナディ・チジコウ ウクライナ商工会議所会頭は、戦争による困難の中でも事業を続けるウクライナ企業の強さと、日本との協力の可能性について、次のように述べました。「UNDPと日本政府の支援によって設立された『レジリエント・ビジネス・ハブ』から、ウクライナ企業を日本へ送り出せることは、大変意義深いことです。このハブが、戦争の影響を受けながらも事業を続ける人々を支えているように、ウクライナ企業もまた、厳しい状況に適応し、新たな挑戦を重ねながら、力強く成長を続けてきました。今回のビジネスミッションは、日本の世界最先端の技術に触れ、自社の技術やソリューションを発信するとともに、両国にとって有益なパートナーシップを築く貴重な機会となります。」
ナタリア・デニケエワ ウクライナ・デジタル変革副大臣は、ウクライナ企業と日本企業の連携が持つ可能性について、次のように述べました。「私たちは、ウクライナ企業が国際的なサプライチェーンの中で存在感を高め、世界の産業を支える重要技術の開発に貢献することを目指しています。その実現に向けて、日本は重要なパートナーです。日本が持つ高度な専門知識や製造技術は、ウクライナ企業の技術開発や実用化を後押しする一方、ウクライナ企業には優秀な技術者や豊富な実務経験、変化に迅速に対応できる柔軟性という強みを有しています。今回の交流をきっかけに、両国の企業が互いの強みを生かして新たな技術やソリューションを生み出し、双方の成長につながる長期的なパートナーシップを築いていくことを期待しています」
アンドリー・テリューパ ウクライナ経済・環境大臣顧問は、戦争による困難の中でも新たな挑戦を続けるウクライナの起業家たちの強さと創造力を称えるとともに、ウクライナの復興に向けた日本の連帯と継続的な支援に謝意を表し、次のように述べました。「厳しい状況が続く中でも、ウクライナ企業は新たな技術やアイデアを生み出し、未来を切り拓こうとしています。今回のビジネスミッションは、ウクライナの創造力と日本の専門知識を結びつけ、両国の友好関係を、企業の成長と地域社会の復興を支える具体的なパートナーシップへと発展させる機会となります」
服部修 JICAウクライナ事務所長は、持続的なビジネスパートナーシップを築くうえで、人材への投資が重要であると強調しました。「強固なビジネスパートナーシップは、相互の信頼、文化への理解、そして機会と課題の双方にともに向き合っていく意思の上に築かれます。JICAは今後も、ウクライナの持続可能な復興を支援するとともに、ウクライナ企業と日本企業の長期的な協力関係の強化に取り組んでいきます」
ミオドラグ・ドラギシッチ UNDPウクライナ常駐副代表は、ウクライナ企業の海外市場への進出と新たなビジネス機会の創出を支援する重要性を強調し、次のように述べました。「戦争による困難が続く中でも、ウクライナ企業は新たな技術やアイデアを生み出し、雇用の創出や経済復興を牽引しています。日本政府の支援のもと、UNDPはこれまでに700人以上のウクライナ企業関係者やコンサルタントを対象に、日本市場への参入に向けた研修を実施してきました。今回、参加企業が日本企業との連携を通じて、優れた技術やアイデアを具体的なビジネスにつなげ、両国に利益をもたらす長期的なパートナーシップを築けるよう支援できることを嬉しく思います。」
【背景】
日本政府の支援のもと、UNDPは、ロシアによる全面侵攻が続くウクライナで、企業の事業継続や成長を後押しし、経済の立て直しと強化に取り組んでいます。
2023年以降、ウクライナの5つの州で、自営業者や零細・中小企業など約1,500の事業者を対象に、起業や事業拡大を支援する研修やコンサルティングを実施してきました。対象分野は、農業・食品加工、繊維・衣料、機械製造、木材加工、クリエイティブ産業など多岐にわたります。研修では、資金調達や事業運営、市場開拓に必要な知識やノウハウを提供するほか、日本市場への参入や日本向け輸出についても支援しています。
