汚職防止制度強化のため日本政府よりスリランカ政府へ3.57億円を供与

UNDPスリランカ、ガバナンスおよびビジネス慣行における透明性、誠実性、説明責任を促進する三年間のプロジェクトを実施

2025年7月1日
Four officials stand at a table, holding documents with flags of Japan and Sri Lanka displayed.
Photo: UNDP Sri Lanka

スリランカ・コロンボ発 − 汚職は、持続可能な開発、市民の福祉、制度への信頼および納税意識を損ない、その代償は社会と経済のあらゆる層に及びます。汚職はまた、予測不可能でリスクの高いビジネス環境を生み出し、外国からの投資を大きく妨げます。投資家は、汚職が蔓延する状況を、統治機構や規制制度の弱さの表れと受け取り、投資の保護や公正な競争の可能性に対する懸念を抱くようになります。

このたび、磯俣秋男駐スリランカ民主社会主義共和国日本国特命全権大使と、久保田あずさ国連開発計画スリランカ事務所常駐代表は、ハルシャナ・ナーナヤッカラ・スリランカ民主社会主義共和国司法及び国民統合大臣の立ち会いのもと、新たなプロジェクト「腐敗防止制度の確立を通じた腐敗行為訴追推進計画」の開始を記念し、署名式を執り行いました。当日は、パリンダ・ラナシンヘ司法長官、K.B.ラジャパクセ汚職・贈収賄告発調査会(CIABOC)委員、チェティヤ・グネセケラ同会委員、ナンディカ・クマナヤケ大統領府次官をはじめ、関係機関の代表が多数出席しました。

腐敗防止制度の確立を通じた腐敗行為訴追推進計画」は、日本政府の資金提供により、UNDPスリランカが実施する三年間のプロジェクトです。総額3.57億円の本プロジェクトは、公共部門および投資促進分野における効果的かつ制度化された汚職防止メカニズムを通じて、ガバナンスおよびビジネス慣行における透明性、説明責任、誠実性を促進することを目的としています。また、汚職関連の調査・捜査プロセスを強化し、関係機関との連携を改善し、訴追の質を確保することで、制度の強化を図ります。さらに、市民が汚職に対して効果的に行動を起こせるよう支援するとともに、社会的説明責任を高めることを目指します。本プロジェクトでは、若者、子ども、ジャーナリストの関与とエンパワーメントにも注力し、汚職に対抗し誠実性を育む社会の形成に貢献します。

磯俣秋男 駐スリランカ大使は、スリランカ国民に対する日本の支援への姿勢について、「汚職の根絶と優れたガバナンスは、競争力のある持続可能な経済の前提であり、あらゆるビジネス社会の基本的なインフラの一部です。スリランカにおける健全なビジネス環境を構築するためには、外国投資家の信頼を回復することが不可欠です。日本は、スリランカの社会背景の変化に注目し、新政権の取組に大きな期待を寄せています。また、新政権のもとで明確な分野別の産業振興政策を含む中長期的な経済開発戦略が示され、スリランカへの新たな投資機会をより理解することができるようになることを望んでいます。日本は、これからのあらゆる取り組みにおいて、引き続きスリランカと緊密に連携してまいります。」と述べました。

 汚職は公共機関への信頼を損ない、投資家を遠ざけることによって外国投資の減少と経済成長の停滞を引き起こします。さらに、必要不可欠な公共サービスから資源を奪い、貧困の拡大、法の支配の弱体化、不十分な医療・衛生環境などをもたらします。こうした事態は社会の不安定化、混乱、暴力の発生を招きます。最終的に、汚職は地域社会の安全、福祉、そして持続可能な発展を脅かす深刻な問題です。

UNDPスリランカ常駐代表の久保田あずさは、UNDPの役割について、「スリランカが汚職対策に向けて決定的な一歩を踏み出す中で、日本政府および日本国民の皆様による支援のもと、CIABOCとの連携によってこのプロジェクトを開始できることは、優れたガバナンスの実現に向けた私たちの共同の歩みにおける重要な節目です。このプロジェクトの意義は、制度を強化することにとどまらず、公共の信頼を回復し、市民を力づけ、すべての人に公平な機会を提供することにあります。国家汚職対策行動計画2025–2029の実施を通じて、持続可能な開発を阻む構造的な障壁を取り除き、透明性と説明責任の文化を広げる『社会全体での取り組み』を支援していきます。UNDPは、スリランカ国家のパートナーとともに、汚職対策の取り組みが継続的かつ変革的なものとなるよう尽力してまいります。」と述べました。

本プロジェクトの全体的な目的は、国家汚職対策行動計画2025–2029に掲げられた取組を効果的に実施することにより、より透明性が高く、説明責任が果たされ、回復力のある社会の構築に貢献することです。本プロジェクトは、国家汚職対策行動計画2025–2029が採用した「社会全体による取り組み」を強調するアプローチを支援し、汚職による発展への障壁を取り除くことで、前向きな変化をもたらし、地域社会の活力を促進することを目指します。