UNDP推計:ベネズエラ、地震による経済損失は67億米ドルに達する見込み

2026年6月29日

UNDPの推計によると、被災地域には約170万棟の建物があり、その多くが特に深刻な被害を受けた州に集中していた。

UNDP

カラカス/ニューヨーク発 — 2026年6月24日にベネズエラで発生した地震は、多くの人命を奪い、深刻な苦難をもたらしただけでなく、生計手段やインフラ、基礎的な公共サービスにも甚大な影響を及ぼしました。国連開発計画(UNDP)が実施した衛生データを活用した迅速デジタル被害評価(Rapid Digital Assessment: RAPIDA)によると、直接的な物的損害額は約67億米ドルに上り、国内総生産(GDP)の約6%に相当すると推計されています。しかし、経済的な影響が甚大である一方で、最も深刻な損失を被っているのは人々と地域社会です。 

この評価は地震発生後、数時間以内に実施され、地震波モデリング、衛星画像、人口データを用いて被害状況を分析したものです。 

マグニチュード7.2と7.5の地震がベネズエラ北部沿岸沖で発生し、首都カラカスをはじめ、ラ・グアイラ州、カラボボ州、ミランダ州、ヤラクイ州、アラグア州など、人口が集中し経済的にも重要な地域で揺れが観測されました。UNDPは、被災地域には約170万棟の建物が存在し、その多くが特に深刻な被害を受けた州に集中していると推計しています。 

分析の結果、同国北部では約860万人が中程度以上の揺れにさらされ、そのうち約210万人が特に強い揺れの影響を受けたことが明らかになりました。6月26日時点の公式発表によると死者数は920人とされていますが、救助活動が続いており、犠牲者数はさらに増加する可能性があります。被災地域の数百万人にとって、復興への長い道のりは始まったばかりです。壊滅的な被害や先行きの見えない生計手段に直面しながら、多くの人々が生活再建に向けて懸命な努力を続けています。 

暫定評価によると、住宅や資産への被害を主な要因として、直接的な物的損害額は67億米ドル(47億~87億米ドルの幅)に上ると推計されています。しかし、インフラ被害や経済活動の停滞による損失、さらに長期的な復興・再建費用は含まれていません。被害の全容については今後さらに情報が集まるにつれて変動する可能性がありますが、一般的に総被害額は直接的な物的損害額の1.5~3倍に達するとされています。 

UNDPベネズエラ事務所のルイス・フランシスコ・タイス常駐代表は「迅速かつ正確な早期評価は、効果的な対応のために不可欠」と強調し、以下のように語りました。 

「RAPIDAのようなツールは、被災したコミュニティを支援するため、より迅速で根拠に基づく意思決定を可能にします。同時に、あらゆる危機はレジリエンス(強靱性)を基盤にした開発戦略を見直す機会でもあります。その結果、復興は失われたものを取り戻すだけでなく、より持続可能な未来を築くことにもつながるのです。」 

また、地震発生後に観測された夜間照明の減少を基にした衛星データの分析から、カラボボ州、ラ・グアイラ州、首都カラカス、アラグア州の一部で停電が発生している可能性が示されています。 

RAPIDAは、UNDPが開発したAIを活用デジタル評価ツールで、衛星画像とGIS(地理情報システム)技術を組み合わせることで、災害発生直後の状況を迅速に把握することを可能にします。高解像度の衛星画像を活用して被害状況を把握し、支援を必要とする脆弱な人々を特定することで、危機発生から72時間以内の効果的な対応を支援します。 

UNDPは、死傷者数や避難者数の把握を支援するため、より鮮明な衛星画像が順次利用可能になる中、追加の衛星データ分析を進めています。 

報告書全文はこちらからダウンロードできます。

 

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Sharon Grobeisen, Strategic Communications Advisor, Regional Bureau for Latin America and the Caribbean I  Sharon.grobeisen@undp.org

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