日本とUNDPがエチオピアにおける国家動員解除・社会復帰に向け協力
2024年6月11日
2024年6月3日、アディスアベバにおいて日本政府と国連開発計画(UNDP)は、UNDPが管理するマルチ・パートナー武装解除・動員解除・社会復帰(DDR:Disarmament, Demobilization and Reintegration)プログラムを通じて実施する、無償資金協力「「国家動員解除・社会復帰プログラム」支援計画(供与額10.25億円)」に関する書簡の交換を行いました。
本プロジェクトでは、対象地域の行政、国家復興委員会を含む政府職員及び協力実施団体(NGO等)の職員に対する研修及び元兵士の動員解除(対象者登録・地域再統合)を実施します。また、ティグライ州内農村部の保健施設の復旧及び修繕も予定しています。
財務省で開催された署名式では、柴田裕憲駐エチオピア連邦民主共和国日本国特命全権大使とサミュエル・グバイデ・ドーUNDPエチオピア常駐代表が書簡に署名しました。柴田特命全権大使は、「今回の資金協力により、元兵士の動員解除が現場で一刻も早く開始されることを期待しています。日本政府は、エチオピアに真の平和と繁栄を実現する責任を持つ政府と国民との協力を進めていきます」と述べました。
UNDPエチオピア常駐代表は、「この協力をエチオピアにおける持続可能な平和と開発の推進に対する日本の強いコミットメントと理解しています。DDRプログラムは、元兵士が地域社会と国家全体に前向きな貢献をすることで、特に若者の中に平和で明るい未来への希望を育みます」と述べました。
署名式に出席した財務担当国務大臣のセメレタ・セワセウ氏は、「日本政府がこの分野におけるフロントランナーであることに深く感謝しています。本日の無償資金協力にかかる書簡調印は、1930年にはじまり1971年にさらに強化された日本とエチオピアの長年のパートナーシップを示すものです。日本政府が農業、インフラ、教育、民間セクターの発展に対する既存の支援に加え、DDRプロセスへの技術的および財政的支援を継続することを心から望みます。また、DDRプロセスが新たなタイムラインに従って進行することを強く望んでいます。エチオピア政府は、DDRプロセスを推進するために技術的および財政的支援を提供し、その効果を高めるための環境を整えることに引き続き注力していきます」と述べました。
国家復興委員長のテメスゲン・ティラフン氏は、「エチオピアの平和構築に向けた努力を支援するために、タイムリーかつ多大な貢献をしてくださった日本の皆さまと政府に感謝しています。国家復興委員会とUNDPによるDDR資金動員に向けたパートナーシップは成果を上げています。しかし、必要な資金規模を踏まえると更に加速化させる必要があります。エチオピアの友人とパートナーに、世界最大級のDDRプロセスへの支援強化を改めて呼びかけます」と述べました。
背景情報:
国家復興委員会は2022年11月に設立され、エチオピアの8地域において推定371,971人の元兵士の動員解除、再建、再統合を設計、実施、監督する責任を負っています。UNDPは1990年代から世界中でDDRプログラムを支援しており、UNDPがエチオピアで管理するマルチパートナーDDRプログラムは日本に加え、2024年2月に1,600万ユーロの協力協定を締結したEUからも支援を受けています。
またDDRプログラムと並行して、UNDPはアファール、アムハラ、ティグライ地域で広範な平和支援・安定化プログラムを展開しています。この平和支援・安定化プログラムは日本、ドイツ、UNDPのFunding Windowsによって支援されており、地方自治、人権、社会的結束に関する介入、基本的な社会サービス、経済再生、内部移住に対する持続可能な解決策といった活動が含まれます。