海の恵みを活かした、有機肥料の製造

ASEAN-Japanブルービジネス インタビューシリーズ vol.2: ツチダ合同会社 土田悦治さん

2025年5月19日
A man stands in a shop filled with bags of soil and gardening supplies.
Photo: ツチダ合同会社

貴社のブルーエコノミーに対するビジョンを教えてください。

私にできることは現地にある原料で有機質肥料を作ることです。インドネシアは水産業が盛んです。魚介類の加工場から出る魚粕はアミノ酸たっぷりの良質の肥料が製造できます。こうした海の幸と牛糞、鶏糞などの山の幸を使い、良質で付加価値の高い肥料をインドネシア国内、及び海外に提供できればと考えています。

土田さんはこのビジョンのもと、ASEAN諸国でどのような取り組みに従事していますか?

ベトナム北部で、牛糞、鶏糞、バガス等を使って有機質肥料を製造しています。南部でもドリアン用の高付加価値の液体肥料の製造もしています。この液体肥料はすでに完成しベトナム国内で販売されています。

今後の日本と東南アジア諸国におけるブルーエコノミー促進のための抱負をお伝えください。

国際機関日本ASEANセンターの事業への参加を通して、今回のUNDPによるプロジェクトへの参加につながりました。今回のプロジェクトのテーマの一つでもあったマイクロプラスティックは魚介類の体内に蓄積されます。自然界の法則である食物連鎖によって人間にも多大な影響を与えることになります。これを最小限に食い止めるためにも、プラスティックの海洋投棄の禁止や削減、海水の浄化システムの開発などにアジア全体で取り組み、海洋汚染を食い止め、元の海に戻す事が急務です。それでなければ良質の肥料、良質の農産物の生産はできません。また、すでに海洋に排出されたプラスティックゴミの回収と燃料等による有効資源として再利用することも、最優先課題だと思います。

A man stands on the ground in a large indoor space with a pile of dark soil behind him.
Photo: ツチダ合同会社

ASEANブルーエコノミー・イノベーション・プロジェクトは2023年の日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議にて発表された共同ビジョン・ステートメント、ならびに同年にASEANで採択された「ブルーエコノミーフレームワーク」を受け、日本政府の拠出を得て、2024年3月から2025年3月まで実施されました。このプロジェクトは、海洋淡水資源の持続可能な管理を実現する革新的なソリューションを発掘し、資金提供や支援を行うことで、ASEAN諸国および東チモールにおけるブルーエコノミーの発展を目指しました。日本とASEAN諸国の経済連携も推進するため、日本企業の方に積極的にご参加いただきました。

詳しくはUNDPインドネシア事務所のサイトをご覧ください。


ブルーエコノミーとは?

 ブルーエコノミーは、海洋と海洋資源を保全し、持続可能に活用する経済のあり方です。海洋は世界の経済・社会発展に不可欠であり、特に沿岸地域の人々にとって重要な資源です。ブルーエコノミーの推進は、環境保全と経済成長を両立し、未来の世代に豊かな海を引き継ぐ鍵となります。