先端技術で海洋資源を救う

ASEAN-Japanブルービジネス インタビューシリーズ vol.1: MIZLINX 石川空さん

2025年5月14日
Smiling man in a black t-shirt stands outdoors with cloudy skies and buildings in the background.

MIZLINXの石川空 取締役 

Photo: MIZLINX

ASEAN-Japanブルービジネス インタビューシリーズでは、このようなビジネス交流イベントにご参加いただいた日本企業や起業家の皆様に、ASEAN諸国におけるブルーエコノミーに対する今後のビジョンや、日本とASEANが連携して進めるブルーエコノミーの促進に向けた抱負をお伺いしました。

貴社のブルーエコノミーに対するビジョンを教えてください。

海洋資源を単なる利用対象として捉えるのではなく、その保全と持続的な開発の両立を目標としています。海の豊かな生態系を守りながら、先進技術や科学的知見を活用して海洋モニタリング技術の開発を推進し、持続可能で豊かな未来を実現したいと考えています。 

ASEAN諸国でのブルーエコノミーの活動について教えてください。

ASEAN地域におけるブルーエコノミーの促進に向け、現地のパートナーとの連携を強化しています。フィリピンの大手養殖業者とモニタリング技術の活用に向けた協議を行なってるほか、マレーシアの大学とのデータ連携を通じ、ブルーエコノミーの新たな可能性を模索しています。 

今後の日本とASEAN諸国におけるブルーエコノミー促進に向けた抱負をお聞かせください。

今回のUNDPのプロジェクトに参加したことで、ASEAN諸国の勢いある企業の皆様との交流ができました。未来の社会を共に創る仲間として、各取り組みに深い敬意と大きな期待を抱いております。国ごとに異なる課題や技術、そして多様な人材というリソースを、国境を越えて連携することで、一層大きなインパクトを生み出すことが可能だと考えています。ブルーエコノミーを通じたパートナーシップによって新たな価値が生まれる可能性を信じ、積極的なコラボレーションを進めることで、日本とASEANとの関係をより強固なものにしていきたいと考えています。 

A person in a life jacket is floating in the ocean near a yellow buoy and a coastal landscape.

MizLinXは主に海洋モニタリングシステムの開発を行っています

A large fish swimming among green seaweed on the ocean floor.

ブルーカーボンの創出に向けた藻場再生の取り組みも行っています。

ASEANブルーエコノミー・イノベーション・プロジェクトは2023年の日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議にて発表された共同ビジョン・ステートメント、ならびに同年にASEANで採択された「ブルーエコノミーフレームワーク」を受け、日本政府の拠出を得て、2024年3月から2025年3月まで実施されました。このプロジェクトは、海洋淡水資源の持続可能な管理を実現する革新的なソリューションを発掘し、資金提供や支援を行うことで、ASEAN諸国および東チモールにおけるブルーエコノミーの発展を目指しました。日本とASEAN諸国の経済連携も推進するため、日本企業の方に積極的にご参加いただきました。

詳しくはUNDPインドネシア事務所のサイトをご覧ください。


ブルーエコノミーとは?

 ブルーエコノミーは、海洋と海洋資源を保全し、持続可能に活用する経済のあり方です。海洋は世界の経済・社会発展に不可欠であり、特に沿岸地域の人々にとって重要な資源です。ブルーエコノミーの推進は、環境保全と経済成長を両立し、未来の世代に豊かな海を引き継ぐ鍵となります。