人間開発報告書2025年版「選択の問題: 人工知能(AI)時代における 人間と可能性
人間開発報告書2025年版「選択の問題: 人工知能(AI)時代における 人間と可能性
2025年9月9日
国連開発計画(UNDP)がきょう発表した新たな報告書によると、人間開発の進歩はかつてない減速を強いられています。報告書はまた、人工知能(AI)がいかにして開発を再活性化させる起爆剤になりうるかも示しています。
報告書は、2020年から2021年にかけて生じたコロナ禍という例外的な危機が過ぎ去ってもなお、回復が持続するどころか、期待に反してわずかな進歩しか見られないことを明らかにしています。この危機下の2年間を除くと、今年の報告書で予測される人間開発の改善は、1990年以来の小幅なものにとどまっているからです。
人間開発報告書2025年度版は「選択の問題:人工知能(AI)時代における人間と可能性」と題して、人間開発指数(HDI)全体に照らして、開発の進捗状況を分析しています。HDIは、所得水準とともに、健康と教育の成果達成度も盛り込んだ一連の指標です。2024年の予測を見ると、全世界のあらゆる地域でHDIの改善に停滞が生じていることが分かります。
全世界での開発の減速に警鐘を鳴らす傍ら、報告書は豊かな国と貧しい国との間の不平等が拡大しているという調査結果も明らかにしています。グローバルな圧力によって従来の開発経路が閉ざされつつある中で、世界を長期的な停滞の道へと向かわせないようにするには、断固としたアクションが必要です。