戦時下における責任ある企業行動:政府、企業、公共部門がウクライナ経済の持続可能な回復を促進する方法

世界人権宣言採択75周年を記念して、ビジネスと人権に関する国際会議がキーウで開催

2024年2月7日
Photo: UNDP Ukraine / Andrii Krepkykh

キーウ発 − ウクライナ経済省は、国連開発計画(UNDP)ウクライナ事務所および日本政府の支援を受けて、人権的価値に基づくウクライナの経済復興に特化した国際会議をキーウで開催しました。

「責任ある企業行動に基づくウクライナの復興:価値観と基準」と題されたこのイベントには、政府、企業、市民社会組織、学界、人権擁護者、国際的な専門家ら100人以上の代表者が参加しました。参加者は、国連ビジネスと人権に関する指導原則、OECD責任ある企業行動基準の実施における最も差し迫った問題及び責任あるビジネスと人権デュー・ディリジェンスの実施の課題、障壁、機会について議論しました。

イベントの中で、UNDPウクライナ事務所ヤコ・シリアーズ常駐代表は、ビジネスはウクライナの復興において重要な役割の一つを担っていると述べました。「人権、ジェンダー平等、非差別は、すべての社会経済的解決策と復興計画の中核でなければなりません。国連ビジネスと人権に関する指導原則は、そのための明確なコンセプトを提供しており、その実施はウクライナの持続可能な経済復興に多くの利益をもたらし、誰一人取り残されることがないようにすることができます」と述べました。

ヴォロディミル・クジヨ経済副大臣は、ウクライナの復興はウクライナの社会、当局、企業、そして国際的なパートナーにとって共通の目標であると述べ、参加者を歓迎しました。それは、責任ある企業行動の原則に基づくものでなければなりません。「ウクライナの復興計画は、欧州の法秩序の包括的な原則である企業の持続可能性と責任ある企業行動を確保するために、その潜在力を活用すべきです。この原則は、国連ビジネスと人権に関する指導原則やOECDの基準に基づくものであり、EUの数多くの規制イニシアチブに反映されています。経済省内で運営され、OECDガイドラインを実施するナショナル・コンタクト・センターの役割は、さらに強化されるべきです」と述べました。

UNDPビジネスと人権スペシャリストのシニサ・ミラトヴィッチ氏は、最近承認されたEUの企業持続可能性デュー・ディリジェンス指令の草案が制定されれば、企業が直接、あるいはサプライチェーンやバリューチェーン上の人権や環境への影響を評価するよう動機付ける強力な法制度として機能すると述べました。「その結果、ウクライナ企業にとって、EUにおける今後の規制の傾向に効果的に備えるために、今、こうした動向を認識することが極めて重要です」と述べました。

会議中、参加者は、責任ある企業行動の基準がウクライナの人間中心で公正かつ持続可能な復興にどのように貢献するか、さらに、これらの基準を復興プロセスにどのように組み込むかについて議論しました。また、政府、当局、企業、市民社会が、人権の価値観に基づいた持続可能で強靭な復興のためにとるべき次のステップについても検討しました。

この会議は、市民社会団体ソーシャル・アクション・センター、ヤロスラウ・ムドリ国立法科大学、欧州ビジネス協会、ウクライナの国連グローバル・コンパクト・ネットワーク、デンマーク人権研究所、キーウ経済学院とのパートナーシップにより開催されました。