UNDPは日本とEUと連携し、ウクライナの瓦礫・廃棄物管理用機材を供与

ウクライナの各地域にて活用される最新の廃棄物収集トラック、ダンプ等の重機が新たに供与

2024年4月20日

2024年4月16日、キーウ州での機材引渡式で撮影。ミコライウ市に供与されたフロントローダーとチェル二―ヒウ州イヴァニフカ・コミュニティに供与されたダンプトラック。

Photo: UNDP Ukraine / Kseniia Nevenchenko

キーウ、2024年4月16日 -国連開発計画(UNDP)ウクライナは、日本政府と欧州連合(EU)からの資金拠出を受けて、ウクライナの19を超えるコミュニティに必要不可欠な廃棄物管理機材を提供することを発表しました。この取り組みは、瓦礫の効率的な撤去と処理を支援し、自治体による廃棄物運搬のための機材を提供することで、戦争で被害を受けた地域社会が直面する課題に取り組むことを目的としています。キーウ州、チェル二ーヒウ州、ヘルソン州、ミコライウ州にさまざまな機材が提供され、これはウクライナ史上最大規模の地方自治体向け廃棄物処理車の供与事例となりました。今次供与機材には廃棄物収集トラック52台、ダンプトラック、キャタピラ式およびホイール式ショベルカー、2種類のローダーなど、瓦礫撤去作業用の重機63台が含まれます。詳細は以下の通りです。

  • EUと日本政府の資金拠出により、キーウ州とチェルニーヒウ州の12のコミュニティ向けに廃棄物収集トラック35台と重機4台を提供
  • 日本政府の支援により、チェルニーヒウ市とチェルニーヒウ州の5つのコミュニティ向けに、廃棄物収集トラック17台、ダンプトラック4台、瓦礫管理機材8台を提供
  • 日本政府の資金拠出により、へルソン州の緊急レスキューサービスに重機41台を提供し、州内の複数のコミュニティを支援
  • ブチャ、チェルニーヒウ、ミコライウのコミュニティのため、瓦礫を処理するための選別機や破砕機などの設備一式が、欧州連合(EU)の支援を受けて提供
  • EUと日本政府の資金拠出により、キーウ州とチェルニーヒウ州に28,000個の大型ゴミ箱とリサイクル機材を提供

今回の機材引渡式では、代表団がUNDPとEUの支援で設置されたキーウ州ブチャの瓦礫リサイクル現場を視察しました。この構想は、ウクライナ初の持続可能な瓦礫の総合リサイクル施設を開発することを目的としており、ブチャ埋立地に集められた7万5,000立方メートルを超える瓦礫を迅速に処理することが計画されています。UNDPウクライナとEUは、この試みを促進するために、戦略的支援、専門知識、労働者訓練、機器の提供を実施しています。

引渡式に参加したピーター・ワグナー欧州委員会外交政策局長は、ウクライナの持続可能な復興への取り組みに対するEUのコミットメントを強調し、「ウクライナの地域社会は甚大な被害に耐えており、我々の目的は、復興だけでなく、持続可能な方法で復興する手段を彼らに提供することです。地域の廃棄物管理能力を強化することで、EUは一刻も早く地域社会に平穏を取り戻したいと考えています」と述べました。

在ウクライナ日本大使館飯島泰雅公使は、「日本は、瓦礫の撤去と都市廃棄物の管理において、勇敢なコミュニティや州を支援できることを嬉しく思います」と述べ、コミュニティを戦前の状態以上に再建しようと献身的に取り組む人々に敬意を表しました。

飯島公使は、UNDPがこうした取り組みを支援する強力なパートナーであることを称賛しつつ、「破壊された建物の惨状を目の当たりにし、日本はウクライナの瓦礫撤去活動を支援することを非常に重視しています。私たちは自らの経験を共有し、ウクライナが勝利するまで、そして勝利した後も、ウクライナに寄り添い続けるという確固とした決意を堅持しています」と述べました。

ウクライナ欧州統合問題地域・領土・インフラ開発担当省 アンナ・ユルチェンコ副大臣は、UNDP、EU、日本政府が廃棄物管理のための機材を提供してくれたことに感謝の意を表し、それが地域社会でいかに必要な支援であるか強調しました。

「多くのコミュニティ、特に占領を経験したコミュニティでは、必要不可欠な基礎インフラ設備が破壊され、残りの設備は老朽化し、修理や交換を必要としています。住民の生活の質を回復し、多くの避難民の安全な帰還を促進するために、廃棄物収集車や瓦礫撤去用機械などの機材は、切実に必要されているものです」とユルチェンコ副大臣は述べました。

UNDPウクライナ事務所クリストフォロス・ポリティス常駐副代表は、この取り組みがもたらす大きな可能性を強調し、「今日、私たちはウクライナの戦争の影響を受けた2つの重要な分野、すなわち建造物の破壊と必要不可欠なサービスの障害に取り組んでいます。今回の支援は廃棄物の安全な撤去・分別・リサイクル・再利用という瓦礫管理の完全なサイクルを可能にするための大きな一歩です」と述べました。 また、ポリティス常駐副代表はコミュニティに投資し、包括的でグリーンかつ公正な復興プロセスを確保することの重要性を強調し、復興に取り組む上での「より良く、より環境に配慮した復興」のアプローチの推進におけるUNDPの貢献を強調、再確認しました。

背景 全面的な戦争が始まって以来、ウクライナでは数千万トンの瓦礫が発生しました。UNDPはパートナーとともに、ウクライナ全土のコミュニティの廃棄物管理能力の強化に取り組んでいます。現在の取り組みには、キーウ州、チェ ル二ーヒウ州、ハルキウ州のコミュニティにおける機材の提供や瓦礫と廃棄物の撤去が含まれます。UNDPのプロジェクトにより、破壊された民家を中心とした合計22万8,000トンの瓦礫が撤去されました。