キーウで開催した記者養成プログラム「Reporter.Camp」に若手ジャーナリストが参加

ウクライナ文化・情報政策省はメディア・リテラシーを最重要課題と位置づけ

2023年12月5日
Photo: UNDP in Ukraine / Stas Kartashov

キーウ発 − ウクライナ文化情報政策省(MCIP)は、青少年のメディア・リテラシーを促進する重要な取り組みの一環として、国連開発計画(UNDP)の支援と日本政府の資金援助を受け、3日間の記者養成プログラム「Reporter.Camp」が開催されました。このイベントは、全国学生ビデオ取材コンテスト「Reporter」のフィナーレを飾るもので、ウクライナ全土から集まった10人の高校生の創造性とスキルを讃える機会となりました。

専門家による厳格な審査を経て選ばれた才能豊かな受賞者たちは、オデーサ、ハルキウ、チェルニヒウ、ヘルソン、スーミ、チェルニウツィ、キーウといった地域を代表し、また進行中の紛争により海外に在住している参加者も含まれます。Reporter.Campでは、受賞者の功績を表彰式で称えるとともに、これらの若い語り手たちが技術を磨き、経験を共有するための充実したプラットフォームを提供しました。

クリストフォロス・ポリティスUNDPウクライナ常駐副代表は、表現の自由、情報へのアクセスと誤情報への対抗は、ウクライナの強靭性にとって基本的な柱であると強調し、以下のように述べました。「私たちはUNDPウクライナでこのプロジェクトを支援できることを誇りに思います。今、メディア・リテラシーを養い、ジャーナリスト志望の若者たちのスキルを高めることは、復興プロセスにとって極めて重要です。これから台頭してくるジャーナリストたちが、キャリアのスタート時点から、複雑な情報環境に責任感と倫理観を持って対応できるようになることが不可欠です」

ウクライナ文化・情報政策副大臣であるタラス・シェフチェンコ氏は、メディア・リテラシーの促進はMCIPの最優先課題の一つであり、国内の発展にとってもウクライナの欧州統合の観点においても極めて重要であると述べました。「メディア・リテラシーは、情報セキュリティ戦略の中核をなすものであり、EUの期待に沿うものです。近頃、EUの重要な要求事項であるメディア法の制定と施行重点を置いていて、この重要な分野に対するウクライナのコミットメントを強調しています」

キーウで開催された3日間のプログラムでコンテストの受賞者たちは、ファクトチェック、紛争時のメディア運営の複雑さやラジオ・テレビ・ジャーナリズムの基礎といった多様なトピックを扱う講義に参加しました。ウクライナを代表するメディア専門家、司会者や特派員らが、熱心な若い参加者たちに見識や専門知識を共有しました。

1+1 Production.Originalsの代表で、ウクライナ人プロデューサー、脚本家、ジャーナリスト、そしてYouTubeの人気チャンネル「Real History」のクリエイターであるアキム・ガリモフ氏は、自身のドキュメンタリー映画制作の経験から貴重な洞察を提供しました。また、STBチャンネルの番組「Vikna-Novyny」の司会者であるヤナ・ブレンゼイ氏は、ジャーナリスト志望者たちに、カメラワークや観客を引き込む際のニュアンスについて説明しました。「Suspilne」地域部門のチーフ編集者であるイリーナ・マリヒーナ氏は、様々なメディアプラットフォーム向けのニュース作成に関する研修セッションを担当し、さらに「Suspilne」の司会者であるヴィクトル・ディアチェンコ氏は、ライブ放送の複雑さについて深く掘り下げて説明した。そして、ブロガーでテレビ司会者のニキータ・ドブリニン氏は、ブログ業界でのキャリアや経験について学生からの質問に答えました。

講義と研修に加え、参加者はウクライナラジオのニュースルームや博物館、そして国立尊厳革命記念博物館(National Museum of the Revolution of Dignity)を訪れる機会も得ました。

今回実施された「Reporter」コンクールは、文化・情報政策省の後援のもと、UNDPウクライナの支援と日本政府の寛大な資金提供を受け、全国メディア・リテラシープロジェクトである「Filter」が実施しています。

メディアお問い合わせ先:Yuliia Samus - UNDPウクライナ広報代表 (Email: yuliia.samus@undp.org)