UNDP欧州・中央アジア地域局長が来日を終え、ウクライナ復興支援への共同コミットメントを再確認

2024年2月22日

東京発 − 国連事務次長補兼国連開発計画(UNDP)欧州・独立国家共同体(CIS)地域局長のイヴァナ・ジィブコビッチはこのほど、日本訪問を終え、ウクライナの復興を含むUNDPに対する日本政府の強力な支援に謝意を表明しました。

ジィブコビッチ局長は東京で開催された「日・ウクライナ経済復興推進会議」に参加しました。同会議は、ウクライナ経済に大きな打撃を与えている戦争の幕開けから2年を目前に控えた2024年2月19日に開催され、日本の岸田文雄首相、ウクライナのデニス・シュミハリ首相をはじめとする両国の政府関係者、民間企業の代表者が一堂に会し、戦禍に見舞われたウクライナの復旧・復興について議論しました。

同会議でジィブコビッチ局長は、ウクライナのビジネス環境整備に関するパネルディスカッションの冒頭を務め、日本の上川陽子外務大臣のイニシアティブで企画された「女性・平和・安全保障(WPS)」に関する特別セッションに出席しました。ジヴコヴィッチ局長はウクライナからの3人の女性代表の発言に呼応し、戦時下における女性の役割の重要性を強調し、ウクライナの復興に女性が重要な役割を果たすとの確信を表明しました。

Photo: UNDP Tokyo / Ken Katsurayama

UNDPと日本貿易振興機構(ジェトロ)が2月20日に東京とキーウをハイブリッド形式で接続して共催した特別公開イベントでは、ウクライナの復興に向けた民間セクターの発展と民間セクターとの連携も重要な議題となりました。

ジィブコビッチ局長は、ウクライナの復興プロセスの鍵となるウクライナの経済復興を支援し続けるというUNDPのコミットメントを改めて表明し、日本との重要なパートナーシップに感謝の意を伝え、さらに以下のように述べました。

「日本の社会のあらゆるレベルでの着実な関与と共に、私たちはウクライナの人々が迅速な復興への道を歩むのを支援し続け、コミュニティレベルでの革新的な解決策の創出を促進し、社会基盤を強化し、将来の危機に耐え、そこから立ち直るためのより強固な基盤を作ることを支援します。」

左から柴田哲男氏(JETROワルシャワ事務所次長)、二瓶直樹(UNDP駐日代表事務所)、岡部芳彦氏(ウクライナ研究会会長)、森英介氏(衆議院議員)、岩田和親氏(経済産業副大臣)、イバーナ・ジィブコビッチ(国連事務次長補 / UNDP総裁補兼欧州・CIS局長)、ゲンナディ・チジコウ(ウクライナ商工会議所会頭)

Photo: UNDP Tokyo / Ken Katsurayama

このイベントでは、ウクライナの中小零細企業(MSMEs)に対する戦争の影響を評価したUNDPの新しい調査も発表されました。調査結果では、2022年初めに事業活動を停止した企業のほぼ84%が、その後小規模ビジネス活動を刺激することを目的とした政府および国際的な支援のおかげで、なんとか事業を再開することができたことが確認されました。UNDPはまた、ウクライナの経済復興を支援するための新たな提案を発表し、回復力、包括性、長期的持続可能性のための戦略的道筋の概要を発表しました。

今回の訪日で、ジヴコヴィッチ氏はジェトロの片岡進副理事長と、日本とウクライナの対話の強化やビジネス機会の促進、両国の民間セクター関係者へのネットワーク構築の機会の提供、共同広報活動や政策提言活動の実施、その他あらゆるプロジェクトにおける協力活動に関する意向表明書に署名しました。

これに際し、「私たちは共に、この復興の機会を活用し、ウクライナに持続可能で、回復力があり、包摂的な経済を作り出すことができます」とジィブコビッチ局長は述べました。


詳細は下記までお問い合わせください: UNDP欧州・中央アジア地域事務所 - Laurence Lessire:laurence.lessire@undp.org 
UNDP駐日代表事務所 –保田由布子:yuko.yasuda@undp.org


編集者の方へ

UNDPは日本と協力して、ウクライナ政府が喫緊の市民のニーズに応え、網羅的、包括的でグリーンな復興を計画できるよう、必要不可欠な支援を提供しています。 

日本が資金を提供した主なプロジェクトには、爆発物処理とがれき撤去、人間の安全保障、2022年から2023年の冬に約600万人のウクライナの人々が暖房と電力供給を受けられるようにするためのエネルギーインフラの復旧と越冬支援などが含まれます。