平時および戦時のウクライナに対する日本の揺るぎない支援

著者: ヤコ・シリアーズ UNDPウクライナ事務所常駐代表

2024年2月18日

2022年冬、キエフ州マカリフの破壊された幼稚園跡地でがれきを撤去する作業員たち

Photo: UNDP Ukraine / Oleksii Ushakov

2024年初頭ロシアによる全面戦争と侵攻開始から3年目を迎える疲弊したウクライナに、変わらぬ支援を示すG7の大国がありました。それは日本です。 

日本とウクライナは、1991年のウクライナ独立以来、強固な関係を維持してきました。そのパートナーシップは、外交、経済協力、文化交流と広範囲に及びます。日本は、ウクライナの主権と領土保全を一貫して支持するとともに、インフラ、エネルギー、テクノロジーといった部門への投資や経済協力を通じて、同国の発展に大きく貢献してきました。

2014年から続く継続的な支援

2014年にクリミアとドンバスをめぐる紛争が勃発して以来、日本は国連開発計画(UNDP)を通じたウクライナ支援の重要なパートナーとなっています。

例えば日本は、UNDPへの拠出を通じて、国内避難民(IDP)をはじめとするウクライナ東部の紛争により影響を被った人々への援助の提供において極めて重要な役割を果たしました。日本の援助資金は、避難所、医療、生活支援など、国内避難民の緊急のニーズに応えることを目的としたさまざまなプロジェクトに分配されました。

ウクライナにおけるUNDPを通じた日本の支援は、緊急の人道的課題への対応だけでなく、インフラプロジェクト、経済再生プログラム、能力構築活動などの長期的な開発イニシアチブにも及びます。持続可能な開発に対するこうしたコミットメントは、UNDPの目標と連携しており、複雑な課題への取り組みにおける多国間アプローチの重要性を踏まえています。

侵攻への対応

2022年2月24日のロシアによるウクライナに対する全面戦争と侵攻の開始以来、日本はウクライナに対し多額の財政支援を行いました。UNDPが新たな課題に対処してウクライナの早期復旧活動を開始するためには支援プログラムの組みなおしが必要でしたが、こうした状況下において日本のコア拠出はUNDPが刻々と変化する状況に迅速に対応するための支えとなりました。

2023年の時点で、日本はウクライナにとって第3位の資金援助国であり、同年一年間で37億ドル相当の譲許的融資と助成金を提供し、全面侵攻が始まってからの拠出額は合計42億ドルに上りました。

日本政府は現在、UNDPウクライナ事務所にとって最大の拠出国であり、2022年から合計1億6,940万ドルを提供しています。この支援は、国民の緊急のニーズに応え、広範囲で包摂的かつ環境に優しい復旧を計画するために不可欠なものとなっています。

日本が資金を提供した主なプロジェクトには、爆発物除去・がれき撤去、地雷被害者支援、障がい者のリハビリテーション、危機対応と管理に関する政府への支援、包括的で透明性のある復興プロセス、人権と法の支配、、越冬準備、エネルギーインフラの復旧支援などを通してウクライナの人間の安全保障を包括的に促進することを目的としています。

日本の援助は、ロシアが2022年と2023年の冬にウクライナのエネルギー・インフラを破壊を目的とした爆撃作戦を開始した後、約600万人のウクライナ人(家庭、病院、学校、企業)が暖房と電力の供給を継続できるようにする上で重要な役割を果たしました。

2023年初頭、UNDPのエネルギー被害調査は、ウクライナのインフラに対する攻撃によって発電量が 51%、送電能力が45%と大幅に低下したことを明らかにし、エネル ギー投資の必要性を浮き彫りにしました。これを受け、2023年10月、UNDPウクライナ事務所は日本政府の資金援助を受けて、ウクライ ナのエネルギー省および国営電力会社ウクレ ネルゴと緊密に協力しながら、新しい強力な単巻自動変圧器2台を調達し、ウクライナに引き渡しました。その後、さらに7台の自動変圧器の輸送を支援しています。

その目的は、安全でない水源、下水の逆流への備え、危険な暖房方法に伴うリスクからウクライナの家庭を守ることでした。松田邦紀駐ウクライナ日本国特命全権大使は、最初の単巻自動変圧器の引渡式でのスピーチの中で、ウクライナの人々が冬を暖かく過ごせるようにするための取り組みを含め、必要な限りウクライナを支援するという日本の決意を強調しました。

未来に向けた援助

日本は、2024年もウクライナに必要な資金援助を提供するため、国際的なパートナーと積極的に協力しています。2023年3月22日の日本の岸田文雄首相によるウクライナ訪問の後、ウクライナ政府と国際協力機構(JICA)は、ウクライナの復興に必要な設備や資材の購入によってインフラ開発を支援し、エネルギーシステムを強化し、農業・医療・教育部門を立て直すことを目的とした緊急復興計画を立ち上げました。この計画は、19のプロジェクトを実施するために約5億7300万ドルを提供するものです。

2023年12月6日、東京で岸田首相は、G7オンラインサミットの中で、ウクライナに対する45億ドルの追加支援を約束しました。そのうちの10億ドルは、ウクライナの人々の越冬を支える発電機やその他の電力供給装置、ならびに地雷や不発弾の除去に対する資金提供など、復旧活動を支援する人道援助に充てられます。残りの35億ドルは、ウクライナへの世界銀行融資の債務保証などに充てられます。

一方、ウクライナの復興をさらに後押しするため、日本は2024年2月19日に日・ウクライナ経済復興推進会議を開催します。この会議は、官民協力による経済分野での日本のさらなる支援を推進することを目的としています。日本の岸田首相とウクライナのゼレンスキー大統領という首脳レベルからこの会議が開催される流れができました。ウクライナの代表団は、デニス・シュミハリ首相、ユリヤ・スヴィリデンコ・第一副首相兼経済相などの高官が団長を務め、ウクライナの民間セクターの代表者も参加します。

UNDPは、企業がウクライナにとどまり、繁栄するための政府の取り組みを支援し、小額の助成金やリスキリングプログラムから、女性が経営する企業を対象とした研修やグローバル市場での競争力強化のための人権デューディリジェンスまで、的を絞ったさまざまな生計支援策を提供しています。UNDPは、ウクライナ社会のあらゆるレベルで日本がウクライナの人々に着実に関与していることに感謝しています。日本からの援助は、コミュニティ・レベルでの革新的な解決策を育み、社会基盤を強化し、危機に耐え、危機から立ち直るためのより強靭な基盤を作る上で役立っています。

UNDPはまた、今回の会議のような行事によって示された、日本政府と国民によるウクライナの人々への揺るぎない支援に感謝するとともに、ウクライナの利益のために日本との協力がさらに実り多いものになることを期待しています。