ウクライナ危機へのUNDPの対応

ウクライナ国内の人々、近隣国に逃れた難民、及び難民を受け入れた国の人々を支援

2022年3月2日

ウクライナとモルドバの国境のパランカにて Photo: UNDP

ニューヨーク発 − 国連開発計画(UNDP)は、国連機関、国内外の非政府組織(NGO)、市民社会とともに、ウクライナ国内とウクライナ難民を受け入れている近隣諸国の両方で、深刻化する危機に対する包括的な対応を行っていきます。国連と人道支援団体による共同緊急アピールのもとでは、ウクライナ国内で被災した人々に対する支援を行います。また、ウクライナに対する共同の地域難民対応計画(Refugee Response Plan, 略称RRP)のもとでは、ウクライナから逃れてきた人々を保護・支援するために不可欠な援助を提供していきます。

共同緊急アピールでは、ウクライナ国内で今後3カ月間、保護や救援を必要とする600万人以上を支援するため、11億ドルの資金提供を呼びかけています。UNDPのウクライナ国内における支援には、フードチェーン支援、コミュニティ及び社会の融和推進、緊急対応などが含まれます。

ウクライナ国内では、被災した人々、特に国内避難民が最も緊急に必要とする支援を行います。UNDPは地元の連携機関との長年にわたる協力関係を活用し、緊急生計支援及び基本的な社会サービスの回復支援を行います。また、国連地雷対策サービス部(UNMAS)やその他の関連機関と緊密に連携して、地雷対策を強化します。

紛争が始まってから1週間足らずで、60万人以上がウクライナから国外に逃れ、さらに数百万人が国内で避難生活を余儀なくされています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ウクライナから脱出し、周辺地域で保護と支援を必要とする難民は400万人以上に達すると推定しています。複数の支援機関が共同で発表した地域難民対応計画では、以下の4点を主要目標としています。

  • すべての難民が安全を確保し国際的保護を受けられるように、受け入れ国を支援すること
  • 受け入れ国が難民及び第三国民に対し、命綱となる人道支援を迅速に提供できるようにすること
  • 解決に向けて社会全体の取り組み体制を促進すること
  • 国内および周辺地域でパートナー同士が効果的に協調できるようにすること

アヒム・シュタイナーUNDP総裁は次のように述べています。「進行中の軍事攻撃の影響により避難を余儀なくされている何百万人ものウクライナ人のことを深く憂慮しています。UNDPは国連システムによる緊急アピールに加わりました。甚大な影響を受けているウクライナ国内の人々やウクライナからの難民を保護・支援するための緊急支援活動をサポートし、状況が許すようになった段階で復旧・復興活動の規模を拡大していきます。」

UNDPは近隣の受け入れ各国政府と協力し、難民に対する緊急医療サービスや心理社会的カウンセリング、救急車や国境を越える人々を乗せるバスなどの輸送サービス、一時滞在施設や避難所などを提供する予定です。

シュタイナー総裁はこうも述べています。「国連事務総長や国連の同僚たちが、暴力を終わらせなければならないと言っています。私も全く同感です。私たちには平和が必要です。人々の命、尊厳、人権は守られなければなりません。」