日本とUNDPが地震被害からの早期復旧に向けて、シリアでのがれき除去に協力

2023年2月26日

2023年2月6日にトルコとシリアで発生した地震により、アレッポの道路を塞ぎ、人々のアクセスを妨げているがれき

Photo: UNDP Syria / Zuhir Al-Fourati

2023年2月24日、日本政府は2023年2月6日にトルコとシリアで発生した地震に対応するがれき撤去のために、国連開発計画(UNDP)に100万米ドルを拠出することを発表しました。本拠出は、今回の地震によりトルコとシリアで生じた被害に対する日本政府の緊急人道支援、約2,700万米ドルの一部として位置づけられています。UNDPは本緊急無償資金協力を通じて、アレッポ、ラタキア、ハマ、イドリブ各州の最も甚大な被害があった地域で112,500m3以上のがれき(うち75,000 m3が北西部、37,500 m3がシリア政府地域)を撤去する予定です。

日本政府は、今回の支援により、甚大な被害を受けた被災者に対し、一時的避難施設、食料、生活必需品、早期復旧(がれき除去等)、保健・医療、保護、水・衛生等の分野において人道支援を実施するとしています。

本拠出に対しスディプト・ムカルジーUNDPシリア常駐代表から、「日本政府がUNDPに対し、シリアでの大規模ながれき撤去プロジェクトに協力する最初の支援国として100万ドルを拠出することに感謝申し上げます。日本はUNDPと長年、協力関係にある戦略的パートナーです。また、がれき撤去は人道支援と復興を進め、人々の生活を立て直すための必須条件です」と日本政府に対して謝意を表しました。

UNDPは、人道支援の対象地域内及び同地域に通じる主要幹線道路や交通網に重点を置いて、支援活動と基本的なコミュニティ機能を妨げているがれきの除去作業を迅速に支援します。公共エリアにあるがれきを撤去することで、人々は重要なサービスへのアクセスを取り戻し、建物の倒壊に巻き込まれるリスクを軽減し、不発弾の脅威から守られます。撤去されたがれきは安全な場所に運ばれ、再利用される予定です。

この地震被害に対する国連全体の対応の一環として、更には人間の安全保障の実現に向け、UNDPは1)被災地の現場対応における緊急調整と建物の迅速な安全性評価 2)人道支援活動を可能とするためのがれき撤去 3)緊急用電源の提供 4)被災者のこころのケア 5)人々の暮らしに必要なさまざまな用途に使える現金の給付、を後押ししています。

トルコとシリアを襲った地震は、この地域において近年では最大の被害をもたらしました。シリアでは6,000人以上が死亡し、10,600人以上が負傷しました。国連の推計によると、シリア全土で少なくとも880万人が地震の影響を受け、住宅や公共の建物、重要なインフラが大きく損傷し、生活環境と収入確保の両方に甚大な影響を及ぼしています。