UNDPとNGO「Istok」、特別な教育的支援を必要とする子どもたちのためのインクルーシブな施設の整備で提携

2023年12月19日
Photo: UNDP Ukraine / Danylo Pavlov

キーウ発、2023年12月18日- 教育のインクルーシブ化推進に向けた重要な一歩として、国連開発計画(UNDP)ウクライナは、現地NGO「Istok」と提携し、日本政府の資金援助を受け、キーウ州とチェルニヒウ州でインクルーシブ・リソース・センター(IRC)の整備を成功裏に実施しました。戦争の影響を大きく受けたこれらの地域では、キーウ州のドミトリウカ、ホストーメリ、ヴェリカ・ダイメルカ、ボヤルカ、ブチャと、チェルニヒウ州のキインカの2つのコミュニティの計7つのコミュニティがこのイニシアチブによる恩恵を受けています。IRCは、300万UAH(約82,000ドル)相当額の最新設備の提供を受けました。

IRCは、職業訓練生を含む、特別な教育的支援を必要とする2歳から18歳の子どもたちにとって重要な支援機関です。これらのセンターは、就学前教育から中等教育までを促進し、子どもたちが平等な権利と機会を享受できるインクルーシブな環境を育む役割を果たしています。

UNDPウクライナでリハビリテーション・インクルージョン分野のプロジェクトマネージャーを務めるオレーナ・イワノヴァ氏は、教育は国家の進歩と繁栄の基礎であると述べました。「教育は、私たちの未来を築き、技術革新の原動力となり、前向きな社会変革を推進する精神を育むものです」と彼女は述べ、次のように付け加えました。「逆境に直面しながら回復と再建を続ける私たちの国にとって、すべての子どもが教育を受けられるようにすることは、義務であると同時に必要不可欠なことです。すべての子どもたち、特別な教育的支援を必要とする子どもたちを統合することで、私たちは彼らの基本的な権利を守り、私たちの社会構造を強化することができるのです」

NGO「Istok」で教育プロジェクトマネージャーを務めるセルヒイ・ピドゥブニ氏は、略奪、破壊行為、または戦争の結果により破壊の影響を受けたIRCを支援するプロジェクトチームの誇りについて語りました。「この新しく、輝かしく、質の高い専門的な設備は、障がいのある子どもたちや、社会的統合という困難な道を歩んでいる子どもたちを支援するための、より強力なツールとなるでしょう」と彼は述べました。「私たちは、"小さなウクライナ人の幸せな子ども時代"を守るために、学校内のセンターとインクルーシブ・リソース・スペースの効率化と効果向上を図りました」

ドミトリウカIRCの責任者であるオルハ・シャミッヒ氏は、この設備は子どもたちの発達によりよい環境をもたらすと述べました。「専門家の指導により、子どもたちは注意力と集中力を高め、運動能力を発達させ、視覚と聴覚の能力を向上させることができるようになりました」と彼女は述べ、「さらに、新しい設備によって、自己認識や自尊心も大きく向上しています。私たちIRCの専門家にとっても、保護者にとっても、授業中に子どもたちが日常的なコミュニケーションに必要なスキルを身につけることと、社会的・道徳的規範や公共の場での行動のルールを学び続けることは、同様に重要なことなのです」と付け加えました。

提供される設備には、マルチメディア機器、矯正機器や対話型機器、そして、リハビリ機器、ノートパソコン、プロジェクター、家具やリハビリ・矯正・教育用の各種補助器具などが含まれています。このイニシアチブは、戦争の影響を受けた地域社会で、充実した学習環境を構築し、インクルーシブ教育の発展を促進することを目的としています。

背景: これらの設備は、「キーウ州およびチェルニヒウ州のコミュニティが、戦争の影響を受けた障害のある子どもたちに心理的・社会的支援、リハビリテーションとアクセシビリティを提供する能力の回復」プロジェクトの中で供与されました。このプロジェクトは、日本政府の資金援助による「戦争による多次元的な危機への対応を通じたウクライナにおける人間の安全保障の推進」プロジェクトの一環として、UNDPの支援を受けて現地NGO「Istok」によって実施されました。

メディアお問い合わせ先:Yuliia Samus - UNDPウクライナ広報担当 (Email: yuliia.samus@undp.org)