紛争に関連した性暴力捜査のための検察官と捜査官の能力向上

UNDPの支援により国際基準に沿った一連の研修イベントが開催され、100名以上の司法専門家が参加

2024年1月23日
Photo: UNDP in Ukraine / Yaroslava Nemesh

2023年12月28日キーウ発 - 全面的な戦争が続く中、ウクライナの司法制度は紛争に関連した性暴力(Conflict-Related Sexual Violence ― 略称CRSV)の捜査や、こうした犯罪のサバイバーや被害者の支援に関する新たな課題に直面しています。CRSV の事件を担当する捜査官や検察官には、特殊なスキルと、国内および国際的な基準に関する深い知識が要求されます。

ウクライナ女性弁護士協会「JurFem」は、日本政府と国連開発計画(UNDP)ウクライナ事務所の支援を受け、CRSVの捜査を専門とする国内外の一流の専門家が参加する、司法専門家向けの一連の研修イベントを企画・実施しました。この研修セッションは、CRSV関連の事件を検証・記録・捜査する司法制度の能力を高めると同時に、そのような犯罪のサバイバーや目撃者に支援を提供することを目的に行われました。

「日本政府、UNDPとJurFemの協力は、ウクライナの司法専門家を強化するという決意を反映しています。CRSVの捜査能力を強化することで、私たちは紛争に関連した性暴力のサバイバーに対する支援と正義のために、より強固な基盤を築くことに貢献します」と、UNDPウクライナの人権・司法アクセスのプロジェクトマネージャーであるスヴィトラーナ・コリシュコは述べました。

JurFemの代表であるクリスティーナ・キット講師によると、これらの研修イベントは、参加者がCRSVの捜査の国際基準とアプローチについて理解を深める機会を提供するものであると強調し、以下のように語ります。

「紛争に関連した性暴力は、一般的なアプローチとは異なる捜査手法を必要とする国際犯罪です。すでにこのような犯罪を捜査している、あるいはこれから捜査する検察官や捜査官は、事件に関連した証拠の詳細やサバイバーのプライバシーを確保するためのアルゴリズムに関する知識だけでなく、サバイバーの立場に立ったアプローチで事情聴取を行うスキルも有するべきです。だからこそ、検事総局、内務省と国家警察は、このような犯罪に関わる捜査官や検察官を対象とした研修を開始したのです。」

研修イベントには100名を超える司法専門家が参加し、CRSVの捜査を担う優秀な専門家のネットワークが構築されました。

この一連の研修イベントは、日本政府とUNDPによる包括的な能力向上の取り組みの一環で開催され、CRSVのサバイバーや目撃者を含む、戦争の影響を受けた人々を支援する責務を担う人々や司法専門家の能力を強化することを目的としています。

これに先立ち、JurFemは日本政府とUNDPウクライナの支援を受け、2023年9月から11月にかけて、CRSVを含む戦争犯罪の検証と捜査のコーディネーションについての一連の部門間研修イベントを実施しました。これらのイベントには、無料のリーガル・エイド、オンブズパーソン事務所、国家警察、ソーシャルワーカーや検察官から300名以上の代表者が参加し、国内の関係者のより幅広い集団へのアウトリーチが展開されました。


背景: これらの研修は、UNDPが実施し、日本政府が資金を提供する「戦争による多次元的危機への対応を通じたウクライナにおける人間の安全保障の促進」プロジェクトの一環として開催されました。

メディアお問い合わせ先:Yuliia Samus - UNDPウクライナ広報担当 (Email: yuliia.samus@undp.org)