南西アジアにおける感染性廃棄物改善プロジェクト

背景

不適切な医療廃棄物管理システムがもたらす脅威は、人々の健康を守り、環境と社会への影響を最小限に抑えるために、早急な対応を必要としています。

不適切に管理された医療廃棄物は、汚染物質の重大な発生源となります。野外や埋立地に投棄された未処理の医療廃棄物は、土壌汚染や水質汚染を引き起こす可能性があります。また医療廃棄物の焼却が不適切であると、残留性有機汚染物質の放出につながる可能性があります。

中低所得国の多くは、現在に至るまで持続可能な廃棄物処理システムに対する公共投資も民間投資も限られており、新型コロナウイルス感染症の流行で感染性・非感染性の医療廃棄物が急増したことで、国の廃棄物管理能力を超えた医療廃棄物の増大という深刻な状況に直面しています。

日本政府から資金提供を受けた「南西アジア感染性廃棄物改善プロジェクト」は、バングラデシュ、ブータン、モルディブにおいて、医療廃棄物管理に持続可能でクリーンかつ環境にやさしい解決策を提供し、それによって強靭な保健システムと人間の安全保障の構築に貢献することを目指しています。

事業内容

このプロジェクトは、バングラデシュ、ブータン、モルディブの国や地方自治体の医療機関における不適切な医療廃棄物管理という開発上の課題に、革新的な解決策と能力構築を通じて取り組むことを目的としています。この3カ国において、現地状況に適し、ジェンダーに配慮し、そして安全で持続可能な医療廃棄物管理の実践と技術を展開します。

具体的なプロジェクトの目標は以下の通りです:

  • 医療廃棄物の処理と輸送のための非焼却設備、機械、および車両の調達を可能にする。
  • 安全な廃棄物の取り扱いと廃棄方法について、医療施設従事者と医療廃棄物取扱者の能力を高める。
  • 医療廃棄物管理が標準的な監視と規制の枠組みに従い、適切な方針が定められていることを確認する。
  • 医療廃棄物管理の実践を監視し、強化するためのデジタル技術を導入する。
  • 国際的な基準や条約に適合するよう、医療廃棄物管理の優良事例に関する南南協力と知識の共有を促進する。