日本とUNDPが東ティモールの地域社会インフラ整備に向け協力

2023年3月5日

CIREPプロジェクトの署名式

Photo: UNDP Timor-Leste/ Joel Filipe Gama

2023年2月28日、木村徹也駐東ティモール日本国特命全権大使と国連開発計画(UNDP)のムンクトゥヤ・アルタンゲレル常駐代表は、3つの県(リキサ、エルメラ、ボボナロ)及びオエクシ・アンベノ特別自治地区における小規模な農村インフラの整備を支援する「地域社会インフラ整備計画(6.73億円)」を行うため、協力に関する書簡に署名しました。本プロジェクトにより建設・修復される施設は、特に気候変動の影響など脆弱性にさらされがちな農村部のコミュニティにより良い公共サービスへのアクセスを提供するものです。署名式は東ティモールのディリ市カイコリ地区にある国連コフィ・アナン会議室で行われ、ファンミ・バログン国連常駐調整官、ミゲル・ペレイラ・デ・カルバリョ東ティモール国家行政担当大臣も参加しました。

木村特命全権大使は、「本プロジェクトは、日本が重要視している 『人間の安全保障 』の概念に沿ったもので、今後発生しうる災害への対応能力が地域社会において強化されることを願っています」と述べました。

また、ムンクトゥヤ・アルタンゲレル常駐代表は、日本政府からの資金提供に対して感謝の意を表し、「本プロジェクトは日本政府、東ティモール政府、UNDPによる共同プログラムです。日本政府は約480万ドル(6.73億円)、UNDPは「テーマ別・地域別アドバイザリー及び調整資金(TRAC: Thematic and Regional Advisory and Coordination)」を通じて30万ドル、合計510万ドルの資金を提供します」と述べました。また、本プロジェクトに加え、その他実施中の多くのプロジェクトにおける国家行政省の長年の協力に感謝しました。

ファンミ・バログン国連常駐調整官は、インフラ整備を通じて、地域社会の声に耳を傾けることの重要性を強調しつつ、「インフラ、健康、生計手段といった地域社会レベルの取り組みに焦点を当てれば、SDGsの達成は非常に容易になる。インフラ整備を通じて、これらの社会サービスに『誰一人取り残さない』ことが可能となる」と述べました。東ティモール政府からは、ミゲル・ペレイラ・デ・カルバリョ大臣が、本プロジェクトが農村部の未整備インフラの完成に寄与するものとして、日本政府とUNDPに謝辞を述べました。

東ティモールは、20年前に独立したばかりの中低所得国である小島嶼開発途上国です。山間部のアクセス困難な地形に加えて、制度・組織的な整備不足やインフラ整備が進んでいないことにより、深刻な貧困、限られた雇用機会、ジェンダーの不平等など、多くの開発課題を抱えています。本プロジェクトは、基本的サービスへのアクセス向上に資するコミュニティのインフラが未整備であることや、追加収入を得るための雇用機会がないことなど、特に緊急性の高い課題に対処するものです。