インドでコロナ関連の電話相談受付を開始

2020年12月17日

2020年12月15日現在、インドの新型コロナ感染症の陽性者数は世界第二位となっており、1,000万人に迫る勢いです。コロナによる影響は人々の身体だけに止まらず、経済的、社会的、心理的な部分にも及んでいます。UNDPはコロナに対応においてこのような様々な側面に対応できる包括的な支援が必要であると考えています。こうした背景から、UNDPインド事務所はTata Institute of Social Science (TISS)と連携し、i-CALL Helplineを立ち上げました。i-CALL Helplineはコロナ関連の電話相談窓口で、人々の経済的、社会的、心理的な悩みに対し、研修を受けたコミュニケーターが相談対応する仕組みです。経済的に困窮した人々への公的支援の案内、社会との関わりの減少やDV被害等から生じるメンタル面での相談にも対応していきます。

インド国内からのニーズを受け、UNDPインド事務所は日本政府の補正予算を活用し、2020年6月からコロナ対策のプロジェクトを行っています。本事業では1) 医療システムの強化(マスク等医療品の提供、医療従事者用アプリの開発等)、2) 社会的経済的な被害への対応(収入手段の確保、医療従事者、感染者、社会的弱者に対する差別への対応、DV対応等)、そして3) 州政府によるコロナ対策の立案支援(公的社会保障の拡大、復興プロセスの策定 等)を行っています。i-CALL Helplineはこの事業の一環として設置されました。

コロナ禍の現状を受け、開設式はオンラインで12月10日の世界人権の日に合わせて執り行われました。在インド日本国大使館の宮本新吾公使、TISS副所長のSurinder Jaswal教授をお招きし、UNDPインド事務所からは野田章子UNDPインド常駐代表が出席しました。宮本公使からは本サービスが日本の支援により提供されること、コロナは社会的、精神的な打撃を人々に与える病であり、感染者やコロナ対応の第一線で働いている医療従事者に対する差別が見られることへの言及がありました。また、こうした不安を抱える人々が悩みを相談できる場が必要であることに触れ、本サービスが多くの人々に活用されることへの期待が述べられました。

TISS副所長のJaswal教授からは、インドと日本の歴史ある協力関係に感謝が表明され、コロナに関連する社会的、心理的ケアの提供がインドで必要であるとの発言がありました。また、階級、カースト、ジェンダー、文化が多様なインドにおいて、人々が正しい情報にアクセスすることができる重要性を指摘しました。

野田UNDPインド常駐代表からはベーシックニーズへのアクセスがある人と無い人の格差が激しいインド社会において、コロナによる影響に脆弱な人々がいることに触れ、公平なアクセスの必要性を訴えました。また、UNDPのコロナ対策アプローチは経済、社会、精神面も含んだ包括的なアプローチであることに触れ、i-CALL Helplineの開設を歓迎しました。UNDPインド事務所はコロナによりより顕著に表面化した格差の是正、最も脆弱な人々への支援をインド政府、日本政府、民間企業、市民社会、国際機関等様々なステークホルダーと協働し、進めています。