若者の可能性を広げ、地域の未来をつくる ― キルギス・ケルベン市に新たなユースセンターが開設

2026年11月2日

2026年10月27日、キルギス共和国のケルベン市に新たなユースセンターが開設されました。ここでは、若者がリーダーシップを育み、新たな知識やスキルを習得し、地域に根ざした活動を展開するとともに、地域社会の発展に主体的に参画するための機会が提供されます。 

同センターは、日本政府の資金拠出を受け、国連開発計画(UNDP)が中央政府および地方自治体と連携して実施する地域プロジェクト「第二次中央アジアにおける暴力的過激主義防止のためのコミュニティ強靭化及び域内協力促進計画」の一環として整備されました。 

開所式には、アズィマト・ナマザリエフ アクスィ地区行政長官、ジャニシュ・ライムジャノフ ケルベン市長、アズィマト・バザルバエフ ケルベン市議会議長、平野隆一駐キルギス共和国日本国特命全権大使、パトリック・ハバーマンUNDPキルギス共和国事務所副常駐代表のほか、政府機関や協力団体、青少年団体、地域住民の代表らが出席しました。 

ケルベン市のユースセンターは、キルギス国内の5つのパイロット地域(ケルベン、オシュ、カダムジャイ、チョルポン・アタ、ミン・ブラク)で展開されている取り組みの一環として整備されました。同事業は、若者が安心して活動できる、誰もが参加しやすい環境を整えるとともに、地域社会の結束を強め、地域開発や意思決定への若者の参画を促進することを目指すものです。 

日本政府の支援により、ケルベン市では新たなユースセンターが建設され、最新のデジタル機器や設備が導入されました。さらに、「Green Zone Kerben – A Modern Space for Youth(グリーン・ゾーン・ケルベン:若者のための新たな交流空間)」の取り組みとして、社会・文化活動や若者向けのイベントなどに活用できる公共スペースも整備されました。ケルベン市における直接支援額は、総額20万米ドルを超えています。 

今回のユースセンター開設は、ケルベン市の若者の可能性を広げるために進められてきた、包括的な支援の成果でもあります。これまでに、若者たちは意思決定への参画やプロジェクトの企画・立案、若者主体の活動の実施に関する研修を受講しました。さらに、若者たちが中心となってユース委員会を設立し、「ケルベン市若者育成計画」を策定しました。同計画は、住民との協議を経て、市の「2025~2029年社会経済開発計画」に組み込まれました。 

開所式で、アズィマト・ナマザリエフ アクスィ地区行政長官は次のように述べました。「本日、ケルベン市にユースセンターが開設されたことを、皆さまとともに心よりお祝い申し上げます。この場所から多くの若者が活躍し、意義ある活動が次々と生まれることを願っています。そして、このセンターが若者たちをつなぐ大切な交流の場となることを期待しています。」 

ジャニシュ・ライムジャノフ ケルベン市長は次のように強調しました。「若者は、私たちのまちの未来です。今回のユースセンター開設は、若者の成長、主体的な取り組み、才能、そしてリーダーシップへの投資です。すべての若者が自らの可能性を最大限に発揮し、生まれ育ったまちの発展に貢献できる機会を得られるよう願っています。」 

平野隆一駐キルギス共和国日本国特命全権大使は、次のように述べました。「ケルベンの若者たちが、ユース委員会の設立や行動計画の策定を通じて、自らのまちの未来づくりに積極的に参画していることを、大変うれしく思います。このセンターが、すべての若者にとって安全で利用しやすい場所となり、若者たちが新たなスキルを身につけ、人々とのつながりを深め、自らのアイデアを実現していくことを願っています。そして、こうした活動を通じて、地域社会の結束が強まり、誰もが参加できる包摂的な地域づくりにつながることを期待しています。」 

パトリック・ハバーマンUNDPキルギス共和国事務所副常駐代表は、次のように述べました。「若者にとって、学ぶ機会、自らのアイデアを実現する機会、そして地域社会の一員としてまちづくりに参加する機会は、将来への希望と自信を育むうえで重要な役割を果たします。ケルベンには今回、こうした機会をより身近なものにする新たな場が誕生しました。ケルベンの若者たちはすでに、自らのまちの発展に責任を持って関わる意思を示しています。この新たなセンターが、若者と地域社会の協働を一過性のものではなく、持続的な取り組みとして根づかせていくことを期待しています。」 

本プロジェクトでは、施設の整備だけでなく、リーダーシップの育成や地域活動への参加促進、デジタル技術や起業に関するスキルの向上を通じて、若者の可能性を広げることにも力を入れています。ユースセンターは今後、学習や対話、ボランティア活動、若者主体の活動など、さまざまな機会を提供する拠点として活用されます。こうした活動を通じて、若者と地方自治体、地域住民との信頼関係が深まっていくことが期待されています。 

また、本事業は、キルギス共和国の2030年までの国家開発計画や2020~2030年国家青少年政策基本方針、国連安全保障理事会決議第2250号に基づく若者・平和・安全保障(Youth, Peace and Security:YPS)アジェンダの方針にも沿ったものです。 

今回のユースセンター開設は、若者が地域や国の発展を担う一員として、より良い社会づくりに主体的に関わるための新たな一歩となります。若者の力を生かしながら、さまざまな困難に対応し、誰もが参加し支え合える包摂的な地域社会の実現を目指します。