西アフリカで台頭する過激派と武器の拡散に対抗するため、治安部隊と市民社会への研修を実施

2024年4月15日

訓練の参加者の写真

写真: @Vanessa Fosu/UNDPガーナ

西アフリカで台頭する暴力的過激主義と武器拡散の課題に一丸となって取り組むため、コフィ・アナン国際平和維持訓練センター(KAIPTC)は国連開発計画(UNDP)と連携して、治安部隊と市民社会を対象とした研修を行いました。研修では、各アクターによるテロリズム、暴力的過激主義、小型武器の売買対抗・防止するための取り組みを支援します。

ベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、ニジェール、マリ、ブルキナファソの7つの西アフリカの国々から研修参加者が集いました。

トーゴのWANEPのコミュニティ平和調停者であるバラルムナ・G・W・ロジン(Bararmna G. W. Rosine)氏は、研修の効果を実感しています。女性平和調停者として、テロ防止の努力の一環に女性が参加する重要性を強調し、帰国後は習得した知識を活用したいと意欲を示しました。「このプログラムによって、暴力的過激主義、過激化、テロリズムに対する理解が深まりました。帰国後は、得た知識をもとに、女性や若者を対象とした啓発活動を行う予定です。」

この研修プログラムは、日本政府出資によって一年間実施しているプロジェクト「西アフリカ・サヘル地域と、隣接する沿岸諸国における暴力的過激主義、急進化、小型武器拡散の防止」の一環で行われました。プロジェクトでは治安関係者や市民社会のアクターがテロリズム、暴力的過激主義、小型武器の拡散、転用、密売に対して早急な防止と対策の実施するたの知識と情報共有のを目標として掲げています。

ガーナ国家小型武器委員会のカール・アネテイ・ソワ(Carl Anetei Sowah)氏は、この研修でスキルが強化されと知識交換の機会が提供されたと述べています。彼は得られた学びについて以下のように強調しました。:
「訓練のおかげで、アクラ・イニシアティブをより深く理解することができました。このイニシアティブはテロリズムがサヘル地域から他の場所へ波及していくのを防止し、加盟国の国境地帯における国際組織犯罪や暴力的過激主義に対処することを目標としています。また、紛争マッピング、利害関係者分析、紛争管理、紛争解決についても深い見識を得ることができました。」

UNDPガーナ常駐副代表のスクロフ・ホシュメハメドゥ(Sukhrob Khoshmukhamedov)氏は、平和維持と暴力的過激主義の防止に向け協力し取り組むことの重要性を強調しました。UNDPは、平和を促進し、社会的結束を維持し、暴力的過激主義の蔓延を防止するため、関係者全員の能力強化に引き続き尽力します」と述べました。

このプロジェクトは、サヘル地域が世界のテロリズムによる死者の43%を占めるという、世界テロリズム指数の憂慮すべき結果に応えるものです。この点について、KAIPTCの司令官であるリチャード・アド・ジャニ(Richard Addo Gyane)少将は、日本政府とUNDPの時宜に適った支援に感謝の意を表すとともに、このプロジェクトが地域のイニシアティブを強化し、サヘル地域と西アフリカ沿岸部の安全を確保する上で重要であると述べています。「プログラムで提供されるコースは、協力関係を促進し、最終的にはサヘル地域と西アフリカ沿岸地域が安全性と強靭性を確保するのに対し有用です。」

また、望月寿信駐ガーナ特命全権大使は、世界の平和と安全保障を擁護し、人類と経済の進歩を推進する日本のコミットメントを強調しました。「日本が支援するこのプロジェクトは、安全保障上の課題に取り組む緊急性を認識し、世界の平和と安定に対する我々のコミットメントを象徴するものです。」

プロジェクトはサヘル地域と西アフリカ沿岸部におけるテロを防止することを目的としており、活動には、地域における暴力的過激主義に関連した治安の悪化に対処するための能力開発、トレーナー養成、地域政策・経験を共有するためのセミナー開催などが含まれます。 
本コースの講師には、日本の防衛大学校の浦上典久教授(中尉)、アフア・ランプティ氏(Mrs. Afua Lamptey)、クウェシ・アニン教授(Prof. Kwesi Aning)、ムスタファ・アブドゥラ教授(Prof. Mustapha Abdullah)、ジョン・ポク氏(Mr. John Pokoo)、マーガレット・アカポ氏(Mrs Margaret Akakpo)、ビクター・ドケ博士(Dr Victor Doke)、ジョンソン・アサンテ・トゥム氏(Mr. Johnson Asante-Twum)、セワ・アロテ・パポ氏(Mrs Serwaa Allottey-Pappoe)が含まれます。
 

研修会で発言するガーナ国家小型武器委員会のカール・アネテイ・ソワ(Carl Anetei Sowah)氏

写真: @Vanessa Fosu/UNDPガーナ

研修会でスピーチするUNDPガーナ常駐副代表スクロフ・ホシュメハメドゥ(Sukhrob Khoshmukhamedov)氏

写真: @Vanessa Fosu/UNDPガーナ

研修会でスピーチする望月寿信駐ガーナ特命全権大使

写真: @Vanessa Fosu/UNDPガーナ

研修会で発言する参加者

写真: @Vanessa Fosu/UNDPガーナ

研修会で講師を務める防衛大学校の浦上範久教授(中尉)

写真: @Vanessa Fosu/UNDPガーナ