UNDPと日本、地雷除去作業員を保護する運搬用車両8台を供与

新たな機材で、キーウ州での地雷除去・救助作業の加速を支援

2023年3月31日
Photo: UNDP in Ukraine / Oleksandr Ratushniak

キーウ、2023年3月27日 – 国連開発計画(UNDP)は、地雷除去・爆発物処理専門要員が最大限、安全かつ効率的に作業できるよう支援するため、 日本政府からの拠出金を活用し、ウクライナ非常事態庁(SESU)に対し、地雷除去作業員と作業機材を運搬するための最新式の車両8台を供与することを発表しました。

この専用車両は、当面はキーウ州、そして将来的にはウクライナ全土で地雷除去作業にあたる作業員と機材の輸送に用いられます。日本政府の資金供与を受け、UNDPの「緊急爆発物除去・がれき撤去」プロジェクトの一環として提供される今回の援助は、ウクライナ国内で人道支援のため地雷除去を行っている専門要員の安全を保護するうえで、画期的な一歩となるものです。UNDPは最近、同じプロジェクトの枠組みの中で、特殊な地雷除去用保護機材をSESUに供与したほか、がれき撤去中の爆発物と有害廃棄物の取り扱いに関し、復旧チームと地方自治体を対象とする訓練も実施しています。

岡井朝子・国連事務次長補兼UNDP総裁補 兼 危機局長は、キーウで行われた引渡式で挨拶し、ウクライナの戦災の克服と急速かつ安全な復興に向けて、UNDPとSESUが辛抱強い協力を続けていることを明らかにし、「ウクライナで実施中のプログラムに対する日本の継続的な支援は、地雷やその他爆発物を無事、除去するうえで欠かせない役割を演じており、最終的には地域の持続可能な平和と安全にも貢献することになるでしょう」と述べました。

同じく引渡式に出席した松田邦紀 駐ウクライナ日本国特命全権大使は、地雷と不発弾の処理が、復興と再建の前提条件になるとしたうえで、「残念ながら、地雷除去は1日で解決できる問題ではありません。地道な努力の積み重ねが必要です。どれだけ時間がかかろうとも、私たちはUNDPと協力し、地雷除去や再建に関する日本の協力の経験と知識を活用しながら、ウクライナの復興と再建への貢献を続けていきます」と述べています。

ロマン・プリムシュSESUデジタル開発担当副長官は、困難な時にこそ、戦略的パートナーから一貫した支援があることが極めて重要だと指摘し、「私たちは、SESU爆発物処理班に対するUNDPと日本政府の友人からの継続的で時宜にかなった支援に感謝しています」と述べました。