国連開発計画(UNDP)、戦時下における危機コミュニケーション強化に関する研修をウクライナの現地専門家に対して実施

2023年9月15日
Photo: UNDP in Ukraine / Yevhen Zavhorodnii

2023年9月12日、キーウ発 - 国連開発計画(UNDP)は、ウクライナ内務省(MIA)との協力を通じて、特に地雷など戦争による被害を受けた、障がいを持つ住民との倫理的なコミュニケーションに焦点を当てた一連の研修を修了しました。

ウクライナにおけるバリアフリー空間の創出に関する行動計画に沿う形で、これらのセッションは「112」ホットラインのオペレーター、MIAのコミュニケーション専門家、医療従事者、心理学者などを含む緊急対応チームに、危機時にすべての市民に対して効果的な支援を行うためのスキルを提供することを目的としています。これらの取り組みは、UNDPと日本政府の支援を通して実施され、紛争時に包括的かつ広範囲の緊急サービスを提供することに焦点を当てています。

UNDPウクライナ事務所の民主的ガバナンスのチームリーダーであるオレーナ・ウルスは、戦争が障がい者の数を劇的に増加させたと指摘した上で、以下のように述べました。「バリアフリーな環境を築く中で、さまざまな種類の障がいに対する理解を深め、対応時におけるコミュニケーションの障壁を取り除くことが重要です。人々は緊急時にどのような行動を取るべきかを知るためにも、人命救助に関する情報に誰もがアクセス可能であるべきです。」

研修を通して、340人以上の専門家が、効果的なコミュニケーションとサービスの提供をするため、聴覚、視覚、筋骨格、認知、精神など異なる障がいを持つ人たちそれぞれに必要なニーズに対処するための洞察力とガイドラインを習得しました。

ウクライナ内務省人権監視部門のバリアフリーおよび差別撤廃部門の主任専門家であるリュードミラ・ティモシュチュク氏は、ステレオタイプ、診断及び個人の特徴について無用な強調を避ける言葉を使用する必要があると述べ、「それは『112システム」が最近運用を開始するにあたって特に重要で、対応のために派遣される担当者が障がい者との交流や協力する際の正しいアプローチを確立することが重要」と強調しました。

ウクライナ国家緊急事態管理庁ジェンダー平等セクター主任であるユリア・マリホノヴァ氏は、市民を支援する際のコミュニケーション倫理の重要性を強調。「この研修は、心理および医療チームが新たに獲得した知識を活用することで、移動が困難であったり、また多様な障がいを持つ市民を支援する際の対応向上が期待されます」と語りました。

背景:このトレーニングは、日本政府の資金援助による「戦争による多次元的な危機への対応を通じたウクライナにおける人間の安全保障の推進」プロジェクトの一環として行われました。この活動は国際地雷除去標準(IMAS 13.10)に遵守しており、地雷によって負傷した人々への包括的な支援には、直ちに継続的な医療ケア、リハビリテーション、心理的及び心理社会的サポート、社会経済的包摂が含まれるべきだと規定しています。


メディアお問い合わせ先:Yuliia Samus - UNDPウクライナ広報担当 (Email: yuliia.samus@undp.org)