日本の支援でインフォメーションキオスクを立ち上げ、脆弱層をセーフティーネットに繋げるために(インド)

2021年4月6日

ゴミ収集や分別に従事する人々(Safai Sathis)

インドでは政府の様々な社会保障があるにも拘わらず、存在を知らない、手続きを知らない、申請に必要な書類が揃えられないといった理由でセーフティーネットから外れている脆弱層の人々が多くいます。こうした人々はコロナ禍で最も影響を受けた人々でもあります。

国連開発計画(UNDP)インド事務所は日本政府の補正予算を活用し2020年6月からコロナ対応プロジェクトを実施しています。この支援の一環として、UNDPは3月12日ゴア州パナジ市にインフォメーションキオスクを立ち上げました。社会保障に関する様々な情報がこのキオスクを訪れる利用者に提供されます。本キオスクはUNDPが別事業で支援しているプラスチックリサイクルセンター内に設置されました。これにより、ゴミ収集や分別に従事する人々(Safai Sathis)が気軽に利用できるようになります。

ゴミを分別する女性たち

Safai Sathisと意見交換する野田常駐代表

立ち上げ式には受益者であるSafai Sathis、在インド日本国大使館の梶田参事官、パナジ市自治体(Corporation of the City of Panaji)のロドリゲス長官(Commissioner)、UNDPインド事務所の野田常駐代表などが参加しました。受益者からは、日本の支援によりこれまで手に入らなかったセーフティーネットに関する正確な情報がキオスクを通して入手できることに対する感謝の意が表明されました。

梶田参事官とインフォメーションキオスク

アッチー・アーダトキャンペーンの衛生啓発漫画

梶田参事官からは海洋プラスチックゴミの削減は日本政府として注視している点であることに加え、そこに大きな貢献をしているSafai Sathisに対し感謝と労いの言葉が贈られました。また、パナジ市とUNDPに対しインフォメーションキオスクの重要性と、日本政府としてこうした活動を支援できることに対する喜びの意が表明されました。加えて、JICAが民間企業と連携しインド各地で実施しているアッチー・アーダト(良い習慣)キャンペーンのキット(手洗いに関する啓発漫画、爪切り等)がSafai Sathisに提供されました。野田常駐代表からは受益者に対する感謝と尊敬の意に加え、このキオスクを活用してセーフティーネットを利用することで生活が少しでも楽になってほしいとの願いが表明されました。

プラスチックリサイクルセンターにて

日本政府の支援の中心である「人間の安全保障」と国連の「誰一人取り残さない」というスローガンを軸に、UNDPと日本政府は強力なパートナーシップの下、インドでのコロナ対応プロジェクトを進めています。